
公開日2019/11/29|最終更新日2019/11/29
ご葬儀では、宗教宗派を問わず「弔辞(ちょうじ)」が読まれます。弔辞とは、故人様への最後の別れの言葉であり、御霊前に捧げる故人様を弔う言葉です。
一般的に、参列者の中から故人様と親しい間柄だった方に依頼されますが、いざ弔辞を依頼されたら、一体どんなことを話せばよいのでしょうか。
そこで今回は、弔辞のマナーや抑えるべきポイントなどについてご紹介いたします。
弔辞とは、故人様の死を悼み、弔いの気持ちを伝える「最期の別れの言葉」です。また弔辞には、故人様の生前の業績や人柄、経歴を参列者の方々に伝えるという意義もあります。
そのため、故人様と特に親しかった方やお付き合いの長かった方に依頼されることが多く、故人様のご友人だけではなく、お世話になった恩師や職場で親交の深かった上司等も含まれます。
弔辞を依頼された場合はなるべく断らず、快く引き受けるのがマナーになります。どうしてもやむを得ない事情がない限りは、故人様のためと思い、お応えしましょう。
なお、どうしても引き受けられない事情がある時は、できるだけ早急に依頼主に事情を伝えて、丁重にお断りすることを心掛けてください。
弔辞を依頼されたら、「自分に役目を全うできるのか……」と恐縮してしまうこともあるかと思います。また、弔辞を初めて頼まれた方は、弔辞を作成する際の基本的なマナーが分からず、不安でいっぱいだと思います。
以下に、弔辞を作成する際のポイントをまとめましたので、ご参照ください。
薄墨の毛筆で大判の「奉書紙(ほうしょがみ)」と呼ばれる巻紙にしたためるのが弔辞の正式な書式になります。
弔辞の本文は、奉書紙の右端から10cm程度空け、縦書きでしたためましょう。また、本文の行間を詰めすぎないようにすることで見栄えがよくなるだけでなく、読み間違い防止にもなります。本文を書き終えたら、本文より少し低い場所に年月日、その左隣のさらに低い場所に氏名を記載します。
弔辞を書いたら「弔辞」と書いた奉書紙で、左前になるように弔辞を包みます。しかし、身近な人しか呼ばない小規模なご葬儀では、ペンや万年筆で便箋に書き記して、白い封筒に入れても問題ありません。
なお、この時に使用する封筒は一重のものを使用します。二重の封筒はご不幸が重なることを予感させるため、弔辞に使用することはマナー違反になるからです。
弔辞は特に決まった内容を書かなければいけないということはありません。故人様への気持ちを丁寧な自分なりの言葉で書くのが一番ですが、何を書けばよいのか分からない場合は以下の流れをご参考ください。
上記の全てを盛り込む必要はありませんが、「故人様の冥福を祈る言葉」だけは最後に入れましょう。
一般的なご葬儀では弔辞は2~3人程度の方が依頼されています。そのため、あまり長々と弔辞を続けてしまうと、その後の進行に影響が出てしまうため、ゆっくりと読み上げて3分、長くても5分程度を目安にまとめましょう。
文章を作成したら、本番と同様に口に出して読み上げておおよその時間を計って、確認してみるとよいでしょう。
弔辞を作成する際に気を付けなければならないのが、「忌み言葉」です。忌み言葉とは、ご不幸が重なることを予感させる不吉な言葉のことでいくつか種類があります。
| 直接的な言葉 | 死去・死ぬ・急死・死亡 など |
|---|---|
| 重ね言葉 | しばしば・再び・重々・重ね重ね・くれぐれも・たびたび・返す返す・幾重にも・追って・再三・さらに など |
| 縁起に関係する数字 | 四・九 |
| 宗教的に避けるべき言葉 | 仏式の場合:浮かばれない・迷う(成仏できないことを想起させる言葉) キリスト教式の場合:成仏・冥福・供養・往生(絶対にタブーではないですが、仏教用語は避けるのがマナーです) |
これらの言葉は、日常の会話において特段気にせず使っている言葉もありますので、うっかり弔辞の中に織り交ぜてしまわないように、弔辞が完成したら読み返してよく確認をしておきましょう。
お通夜や告別式・ご葬儀の進行は司会者が担当しますから、弔辞を読むタイミングも司会者に任せて問題ありません。緊張を和らげたいなどの理由で、どのタイミングで弔辞を読むかを前もって確認をしたい場合は、司会者や葬儀社のスタッフに声を掛けて確認しておくとよいでしょう。
司会者に呼ばれたら御霊前へ歩み出て、ご遺族・遺影・僧侶に一礼をします。そして、弔辞を広げて故人様に語り掛けるように、ゆっくりと気持ちを込めて読み上げます。
弔辞を読み終えたら、畳んで御霊前の壇上に、表書きを上にして置き、最後にもう一度ご遺族・遺影・僧侶に一礼をしてから、席に戻って弔辞の終了です。
慣れない場で緊張をすると、ついつい早口や棒読みになってしまいます。弔辞を読む際も、参列者の前で読む緊張感からつい早口になりやすいため、意識してゆっくり読むように心掛けましょう。また、棒読みになってしまうと、心を込めて書いた弔辞にもかかわらず、冷めた印象を与えてしまいます。
弔辞を読む人が緊張しているであろうことは、参列者の方々は分かっていることですから、焦らずに落ち着いて故人様に語りかけるようなイメージで読み上げましょう。
故人様のご供養のためにも、弔辞を作成し、読み上げる際はマナーをきちんと守らなければいけません。しかし、弔辞で大切なのは、故人様への想いをしっかり込めることです。故人様への敬意や感謝の気持ち、そして故人様を失った悲しみを素直に自身の言葉で伝えるようにすれば、きっと故人様も喜んでくれるでしょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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最終更新日2022/11/11
弔辞とは、故人様の死を悼み悲しむ気持ちを表す最後の別れの言葉です。故人様のお見送りの儀式を行う「告別式」で読まれます。読む側も聞く側も、弔辞によって故人様との思い出が改めて蘇り、涙したという経験もあるのではないでしょうか。また、弔辞を読んでいただく場合は、誰にどうやって頼んでいるのだろう?と思ったことはありませんか?こちらでは弔辞を依頼する際のマナーについてご紹介します。 弔辞は誰に頼めばいい? 弔辞は何人?誰に頼めばいい? 通常はご遺族ではなく、故人様と親しかった友人や職場の直属の上司・同僚に頼みます。 ご葬儀の規模にもよりますが、一般的な人数は1~3人。何人かに依頼する場合、故人様との関係が偏ってしまうと弔辞の内容も重なりがちなので、一方を友人にお願いしたら、もう一方は、会社関係の方にお願いすると良いでしょう。 最近では、孫が弔辞を読むというケースもあるそうです。 弔辞の頼み方 ご葬儀は故人様が亡くなってから数日以内に行われることがほとんどです。 弔辞は一人およそ3~5分で読める程度が適切な長さとされています。話す内容を考えるためにはそれなりに準備が必要ですので、できるだけ早く、電話などで確実に連絡がとれる方法で依頼しましょう。 依頼する際には弔辞の長さ、時間を伝えておくのはもちろんのこと、他に誰に依頼したのかを事前に伝えるようにすると依頼された側も内容が重ならないように配慮しやすくなります。 弔辞を読む順番 複数人に弔辞を依頼した場合、読む順番に決まりはありませんが、年長者から順に読んでいただくか付き合いの古い順に読んでいただくと良いでしょう。 また、同じ会社や組織から複数の方に読んでいただく場合は順番を考慮しましょう。 弔辞を読んでいただいた方へのお礼は? 弔辞を読んでいただいた方に、ご葬儀後1~3日後にお礼の品をお贈りするようにしましょう。(遠方の方は郵送で良いでしょう)お礼の品には挨拶状を添えます。 弔辞を読んでいただいた方は故人様やご遺族へのご厚意ですので、現金や商品券でお返しすることは失礼にあたるのでやめましょう。 お礼の品に添える挨拶状の書き方 それでは、挨拶状はどのように書けばよいのでしょうか。 弔辞の挨拶状では、弔辞をいただいたお礼と、生前の厚情に感謝する気持ち、今後のお付き合いを願う一文を書き添えます。 文例としては、以下の通りです。 謹啓 亡父 ○○の葬儀に際しましては、ご多用中にもかかわらず、ご会葬いただいたうえ、ご鄭重なるご弔辞を賜わり厚くお礼申し上げます。 父が一番親しんでいました〇〇様にご弔辞いただいて、父もさぞや喜んでいると思います。 亡父にかわりまして、生前賜りましたご厚情に感謝申し上げますとともに、今後とも変わらぬご指導ご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。 本来ならお目にかかってお礼申し上げるべきではございますが、略儀ながら書中を以てお礼申し上げます。 謹白
最終更新日2019/07/08