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故人様の銀行口座にはどのような手続きが必要?凍結のタイミングや解除する方法を解説

公開日2023/05/19|最終更新日2023/05/19

大切な方がお亡くなりになったご遺族の中には、銀行口座が凍結されるのではないか不安に感じている方もいるのではないでしょうか。そこで本記事では、逝去後の口座凍結のタイミングや、凍結後に預貯金を引き出す方法について解説します。

ご葬儀費用の支払いなどでのトラブルを避けるためにも、事前に故人様の銀行口座に発生する事象について理解していきましょう。

銀行口座が凍結されるタイミングはいつ?

基本的に、「金融機関がご逝去を把握したタイミング」から口座凍結が行われます。金融機関がご逝去を把握する方法の多くは、ご遺族の申告によるものです。

「死亡届を役所に提出すると、金融機関に報告されて口座が凍結される」といった声も耳にしますが、これは間違いです。銀行は病院や役所と情報共有していないので、死亡届を出した段階で口座が凍結することはありません。

ただし例外的に、銀行が新聞のお悔やみ欄などで故人様の訃報を知った場合は、ご遺族からの申告が無くても、口座が凍結されます。

故人様の銀行口座を凍結する意味合い

故人様の口座を凍結する目的は、遺産を適切な相続人に相続させるためです。故人様の預貯金は、ご逝去した瞬間に遺産(相続財産)とみなされます。

金融機関側が故人様の口座を凍結するのは、不適切な方に残高を使用されないようにするためです。また、遺産相続人のうち、誰か1人が勝手に引き出してしまうといったトラブルを防ぐ目的もあります。

一度口座が凍結されてしまうと、相続の分配が決まるまでは凍結が解除されません。一切の引き落としができなくなるため、電気・ガス・水道などを故人様名義で引き落としていた場合、支払いが滞ってしまいます。口座凍結は必ず行われるため、支払いの名義変更は早めに済ませておきましましょう。

故人様の銀行口座から凍結前に預金を下ろしても良い?

故人様が亡くなられた場合でも、口座が凍結する前であれば預金は下ろせます。ただし、凍結前に預金を下ろした場合、以下の問題が発生する可能性があるので注意しましょう。

・共同相続人とトラブルになる可能性がある

・相続を承認したことになる

それぞれの内容について解説していきます。

共同相続人とトラブルになる可能性がある

故人様の預貯金残高は、ご逝去された時点で遺産とみなされます。そのため、相続の詳細が決まる前に預金を下ろしてしまうと、共同相続人とトラブルになる可能性が高くなるでしょう。

やむを得ない理由で預金を下ろす場合は、必ず相続人全員に連絡し、同意を得るのが大切です。また、使用用途が分かるような領収書などを取っておくとよいでしょう。

相続を承認したことになる

故人様の預貯金を使用した場合、遺産相続を承認したとみなされてしまいます。のちの相続放棄は認められないため、凍結前に預金を下ろすのは十分に注意しましょう。仮に亡くなられてから借金が発見された場合であっても、相続しなければならなくなります。

故人様の銀行口座を凍結する方法

故人様の口座を凍結させるには、銀行に連絡する必要があります。連絡方法は各金融機関によって異なりますが、一般的な方法は窓口対応です。金融機関によってはネットで連絡できるところもあります。

ご逝去の後は、なるべく早めに口座凍結の手続きを行いましょう。

凍結された銀行口座から預金を下ろす方法

ご逝去されたあとも、医療費・介護費用・ご葬儀費用など、さまざまな支払いが発生します。ときには、ご遺族だけでまかないきれない金額となってしまうこともあるでしょう。どうしても故人様の預貯金が必要となった際には、凍結された口座からお金を引き下ろす方法が2つあります。

・仮払い制度を活用する

・銀行口座の相続手続きをする

それぞれの内容についてみていきましょう。

仮払い制度を活用する

仮払い制度とは、一定額であれば遺産の分配が決まっていなくても口座からお金を引き出せる制度です。相続人が複数人いた場合でも、許可を得ずに引き出せる金額は、以下条件のうち低い方です。

・預貯金×1/3×仮払いを求める相続人の法定相続割合

・1つの金融機関につき1,500,000円

仮払いの手続き行う際には、以下の必要書類を用意しましょう。

・故人様の戸籍謄本(出生からご逝去まで)

・相続人全員の戸籍謄本

・引き出す方の実印

複数の金融機関に残高がある場合、それぞれで仮払い制度を利用できます。

ただし、仮払い制度を利用すると、相続放棄できなくなる可能性があります。凍結前の引き落としと同じように、故人様の預貯金を使用した段階で相続する意思があるとみなされてしまうためです。あとから借金などが見つかった場合も、相続放棄ができなくなるので注意しましょう。

銀行口座の相続手続きをする

銀行口座の残高(遺産)を相続するためには、正規の手続きを行う必要があります。必要な手順は以下のとおりです。

①銀行に連絡する

②必要書類を用意する

③銀行に必要書類をリストアップ

手続きに必要な書類のなかには、取得まで数日かかるものもあります。できるだけスムーズに手続きを進めるためにも、事前に相続までの流れや必要書類を把握しておきましょう。

➀銀行に連絡する

ご逝去後に銀行へ連絡して口座を凍結してもらいます。凍結する目的は、故人様の財産を守るとともに、相続まで安全に保管しておくためです。凍結してもらえば、たとえご遺族であっても安易にお金を引き出すことはできません。悪意ある方にお金を使用されないためにも、なるべく早めに口座凍結の手続きをしておきましょう。

➁必要書類を用意する

必要な書類は、故人様の除籍謄本と出生からご逝去までの戸籍謄本です。遺言書がある場合は、家庭裁判所に提出して検認してもらいます。遺言書がなければ、遺産分割協議書を作成しておくとよいでしょう。

遺産分割協議書とは、遺産分割協議でまとまった内容を記した書類です。遺産相続人が複数人おり、民法に則った相続以外の分配をしたい場合に必要です。その他、細かな書類は各金融機関によって異なります。

➂銀行に必要書類をリストアップ

書類がそろったら、不備がないか確認したのち、金融機関へ提出しましょう。不備があると、受理されない可能性があるため、細かなチェックが大切です。手続きが完了するまでの期間は、2ヶ月ほどとなることが多いです。

まとめ

故人様が亡くなられた際には、さまざまな手続きが必要です。悲しみに暮れる間もなく動かなければならないため、精神的にも身体的にも疲労してしまうかもしれません。そのような事態を防ぐためにも、ご逝去後の手続きを把握し、事前に準備しておくのが大切です。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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