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焼香の一般的な順序|家族・親族内での順番やマナーを解説します

公開日2023/06/30|最終更新日2023/06/30

ご葬儀などの弔事で焼香(しょうこう)をあげる際に、「どう行うのが正解なのか」「作法は合っているのか、」「順番は正しかっただろうか」と疑問に思うことはないでしょうか。特にご親族内での焼香順は大変デリケートな問題であり、それぞれの考え方や捉え方によって、大きなトラブルへ発展することも少なくありません。そこで今回は、ご家族・ご親族内における焼香の順番、そして一般的なマナーについて詳しく解説していきますので、不安な方は参考にしてみてください。

焼香は一般的に故人様と関係性が深い人から行う

お通夜、ご葬儀で行う「焼香」には、定められた順番があります。一般的なご葬儀の席順は、故人様と関わりが深い方、いわゆる「血縁関係のより近い方」からになります。祭壇に近い上座より順に座りますが、焼香をあげる順は、この席順とほぼ同様であると考えて間違いはありません。

では、具体的にどのような順番で焼香をあげるのが良いのでしょうか。次項で具体例を見ていきましょう。

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喪主

最初に焼香をあげるのは、喪主(もしゅ)です。たとえば、夫や妻が亡くなった場合はその配偶者、親が亡くなった場合は一番上の子どもが喪主を務めることが多いです。また、子どもが亡くなった場合は子どもの親、兄弟姉妹が亡くなった場合はその配偶者、独身の方の場合は親が喪主を務めることになります。

家族・親族

喪主の次に焼香をあげるのは、ご家族やご親族です。なかでも故人様の二親等内の方を優先しますが、故人様の親を2番目と考えるのが一般的です。

故人様の介護を務めていた方や、同居していたご親族がいる場合は、焼香の順番が繰り上がることがあります。さらに、将来的な墓守を任されている方がいる場合は、年齢や血縁の濃さに関わらず、焼香の順番が優先されることもあります。

このように、焼香の順番にはさまざまな認識や考え方があるため、順番の相違によるトラブルは、決して珍しいものではありません。ご親族同士の焼香順について明確に定められた決まりはないため、喪主は気を配るように努め、事前の話し合いは必ず行っておくことが大切です。

一般参列者

一般参列者として焼香をあげる立場の場合は、祭壇により近い位置へ腰かけた方から順番に焼香を促される場合がほとんどです。一般席は、祭壇に向かって左側に位置していますが、その中でも祭壇に近い前列の通路(左)側が上座です。

故人様とより深い関係の方が、前列の左側から順番に腰かけていきます。細かい順番は「世話役、弔辞者、上席や恩人、友人知人(会社関係者)」と考えるのが一般的です。

一般席の焼香は、上座の参列者から座った順に済ませるようにしましょう。

焼香のあげ方

焼香とは、目線よりも高い位置に捧げるという意味合いを持つ「押しいただく」という所作によって、故人様や仏様を拝む行為です。また、焼香の動作には自らの心身を清めるという意味合いも込められています。このように焼香とは非常に尊い行為であるがゆえに、「正しい作法」が存在します。

ここからは具体的なやり方を詳しく紹介していきますので、不安な方はぜひ確認してみてください。

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➀焼香台へ向かう

喪主、ご親族が焼香台へ向かう場合、立席後まず僧侶へ一礼を行います。次に弔問客、来賓へ向かって一礼し、焼香台まで進みましょう。またご親族は、ご遺族の焼香時にご遺族へ向かって一礼を行います。

一方、弔問客が焼香台へ向かう場合は、周囲に軽く会釈をして立席します。焼香台の手前まで進んだら、僧侶、ご遺族に一礼しましょう。

➁焼香をあげる

ご遺影の目の前まで来たら、ご遺影に向かって一礼します。次に、目の前の抹香(まっこう)を右手3本の指でつまみ、首を下方へ向けながら、額の高さまでかかげて拝みます。これが「押しいただく」という行為です。

この所作は3回繰り返すのが一般的ですが、宗教や会場の状況によって1回で留める場合もあります。焼香の回数で迷った場合は、ほかの参列者と同じ回数に合わせると良いでしょう。

➂席に戻る

焼香が終わりましたら、焼香台から一歩下がります。そして、遺影に向かって再度一礼しましょう。

その後は、喪主やご遺族の場合は僧侶、弔問客の順に一礼をします。そして、弔問客の立場なら僧侶、ご遺族の順で一礼し、自分の席へ戻りましょう。

焼香をあげる際のマナー・注意点

焼香をあげる際にも細かな決まりごとが存在しますが、大切なご葬儀の場だからこそ、ご親族や参列者の方々へ正しい対応ができるための知識が必要です。そこで、以下ではご遺族に対するマナーやお声がけの注意点を解説していきます。

焼香の前にご遺族に挨拶をする

ご葬儀へ参列し焼香を行う前に、ご遺族へお悔やみの言葉を伝えます。「この度はご愁傷様でした。」「お悔み申し上げます。」などと簡潔に述べるのが一般的です。

またご挨拶では、「たびたび」「ますます」といった不吉な言葉が繰り返し起こることを連想させる重ね言葉や、「切れる」「終わる」といった不幸を連想させる忌み言葉は、用いないように注意しましょう。

宗派によって作法が異なる

お悔やみの言葉だけではなく、焼香の所作や回数も宗派によってそれぞれ異なります。以下、主な焼香回数や簡単な作法をまとめておきますので、参考にしてみてください。

【焼香回数1回】

・浄土真宗本願寺派 抹香をつまんだら押しいただかず、そのまま香炉へくべる

・臨済宗 抹香をつまんだ際、左手を軽く添え押しいただいてから香炉へくべる

【焼香回数2回】

・浄土真宗大谷派 抹香をつまんだら押しいただかず、そのまま香炉へくべる

・曹洞宗 1回目は抹香をつまんだ際、左手を軽く添え押しいただいてから香炉へ、2回目は押しいただかず、そのまま香炉へくべる

【焼香回数3回】

・真言宗 抹香をつまんだ際、左手を軽く添え押しいただいてから香炉へくべる

・日蓮宗 右手の親指、人差し指で抹香をつまみ、そのまま香炉へくべる

【焼香回数1~3回】

・天台宗 一般的な作法とほぼ同じ

なお、浄土宗では焼香回数にこだわりはありません。抹香をつまんだ際、手のひらを仰向けにして左手を添えます。

しかしながら、必ずしも焼香で宗派による使い分けをしなければならないという決まりはありません。自身の家の作法で焼香を行っても問題はないとされていますが、もし心配な場合はご遺族や周りの方へ事前に確認しておくと、当日安心できるでしょう。なお、以下の記事でも詳しく解説していますので、こちらもぜひチェックしてみてください。

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まとめ

ご葬儀での「焼香」には細かな作法や決まりごとが存在します。とりわけ焼香の順番に関しては、一般的には血縁の濃い順とされていますが、地域や宗派によって少々異なる場合があります。場合によってはトラブルを招く場合がありますので、事前にご親族の間で確認しておくことが大切です。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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