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2023-10-27

ご葬儀をしないで火葬のみできる?火葬式(直葬)が選ばれる理由や注意点を解説

ご葬儀が年々簡略化される昨今では、「ご葬儀をしない」という選択肢も時々耳にするようになりました。そこで近年注目されているのが、火葬だけでお別れを済ませる火葬式(かそうしき)というものです。

実際に、火葬式とはどういった形で執り行われるものなのでしょうか。この記事では、火葬式におけるメリットやデメリットなどを詳しくご紹介していきます。

ご葬儀は法律で義務付けられている?

現代の日本では、故人様が亡くなられた際にお通夜とご葬儀、告別式を執り行うのが一般的なため、火葬のみを行う火葬式に違和感を覚える方も多いでしょう。

しかしながら、ご葬儀を必ず行わなければいけないといった法律は存在しません。ご葬儀は、古くからの慣習として行われるものであり、必ずしも義務ではないのです。ご葬儀を執り行うか、あるいは火葬式のみで済ませるかは、ご家庭の判断に委ねられます。

なお、故人様が亡くなった後で行わなければならないことが法律で義務付けられているのは、死亡の届け出と、ご遺体の火葬のみです。

お亡くなりになった際に必要な手続き

ご家族が亡くなった場合、立ち会った医師から「死亡診断書」を受け取ります。死亡診断書の左側には「死亡届」が付いていますので、必要事項を記入してから7日以内に市区町村の窓口へ提出しましょう。

死亡届を出すと、火葬許可申請書がもらえますので、こちらにも本籍・住所・火葬場所在地などの必要事項を記入し、窓口へ提出します。その後「火葬許可証」が発行されるのが一般的です。

火葬許可証は、火葬場で故人様を火葬してもらうための重要な書類ですので、くれぐれも紛失することのないよう気を付けましょう。

ご葬儀をしない場合は火葬式(直葬)を行う

火葬式は直葬(ちょくそう)とも呼ばれており、お通夜やご葬儀、告別式などの儀式を一切行わず、故人様の旅立ちを火葬のみでお見送りする方法です。

火葬式ではご葬儀を執り行わないため、式場を押さえず祭壇も設けません。また、基本的に僧侶による読経も行われないだけでなく、ご親族やお知り合いなどの参列もありません。すなわち火葬式とは、ご家族だけが直接火葬場に出向いて、故人様の火葬、収骨を行うだけのシンプルなご葬儀の形を指します。

ご葬儀をしない火葬式(直葬)が選ばれる理由

故人様が亡くなれば、お通夜やご葬儀を執り行うのが一般的な考え方です。しかしながら現在では、全体の2割程度の方が火葬式を選んでいるようです。ではなぜ、「ご葬儀を行わない」という選択肢に辿り着く方がいるのでしょうか。

費用を安く抑えたい

ご葬儀を執り行うにあたり、火葬式の平均相場は200,000~450,000円となっているので、火葬式にすることで費用を抑えられます。

様々な理由で費用の支払いが困難な場合、火葬式を選択せざるを得ない場合もあるかもしれません。しかしながら先にも述べたように、火葬式は非常にシンプルであり、故人様とお別れする時間が少なくなるため、一生に一度のお見送りに悔いが残る場合があります。

もし、費用面の問題のみで火葬式を選ぼうとしている場合は、一旦葬儀社のスタッフへご葬儀にかかる費用の相談をしてみましょう。葬儀社によっては、より適切なご葬儀のプランを紹介してもらえる場合があります。

ご遺族の負担を軽減できる

ご葬儀を執り行わなければ、ご家族の負担を軽減できると考える方もいらっしゃるかもしれません。確かに、ご葬儀でご遺族や会葬者への挨拶などの対応をしたり、会食時の接待を行ったりする必要が出てきます。

気落ちしている中の忙しい対応は、心身共に大きな負担を感じざるを得ません。一方の火葬式では、会葬者への対応もなく、事前の準備も最小限に抑えられます。

少人数で静かに送りたい

通常のご葬儀では、ご親族やご遺族だけではなく、生前に故人様が親しくしていた方やお世話になった方など、縁の深かった方々が参列することになります。しかしながら、大きな悲しみの中では、大勢の会葬者への対応が難しいと考える方も少なくありません。そこで、あえて火葬式を選ぶケースも見受けられます。

確かに火葬式では会葬者の対応は不要ですが、故人様のご冥福を祈る読経なども省略されてしまう場合が多いです。もし、少人数でのお見送りが目的であれば、家族葬(かぞくそう)でご葬儀を執り行うといった選択肢もあります。家族葬ならば、近親者のみでご葬儀を行えるので、故人様との最後の時間をゆっくりと過ごせるでしょう。

宗教心が無く従来のご葬儀を避けたい

ご家族に宗教心が存在せず、僧侶に読経をしてもらう必要性を感じなかったり、または「ご葬儀を避けたい」という故人様のご意向があったりする場合なども、火葬式が選ばれることがあります。

ご葬儀をしない場合の注意点

火葬式とは、一般的に執り行われるお通夜やご葬儀、告別式の一切を執り行わず、火葬のみを行うシンプルなご葬儀の形式です。様々な利点を考慮し、ご葬儀を執り行わないとする選択が、実は様々な方面からのトラブルを招く恐れも出てきます。では、どのような注意が必要になるのか、詳しく見ていきましょう。

ご遺族の理解が得られない場合がある

故人様が生前からご葬儀を必要としていなかった場合、その考えに従って火葬式を選ぶと、ご家族以外のご親族から理解が得られない場合があります。

世間では多くの方々が、ご葬儀を執り行うことで故人様が成仏できると考えています。そのような中での火葬式は、故人様の供養が疎かになると思われるばかりか、会葬者との最後の別れを奪うことにも繋がるため、ご親族からの理解を得るのが難しいかもしれません。

もしも火葬式をお考えの場合は、ご親族との関係性に影響が出ないよう、しっかりとした話し合いの場を設けることが大切です。

菩提寺とのトラブルになる可能性がある

火葬式では一切の儀式を執り行わないため、僧侶を呼んでお布施を渡すこともしません。しかしながら、火葬式を選ぶことで、菩提寺との関係に亀裂が入る可能性があります。

菩提寺との関係性が悪化するということは、儀式を行わなかった故人様に戒名を付けてもらえないばかりか、ご遺骨を菩提寺のお墓に受け入れてもらえない可能性も出てくるのです。もし火葬式をお考えの場合、事前に菩提寺へご供養についての相談をしておくようにしましょう。

安置する場所を探す必要がある

埋葬に関する法律の第三条では「埋葬又は火葬は、他の法令に別段の定があるものを除く外、死亡又は死産後二十四時間を経過した後でなければ、これを行ってはならない」と定められています。

つまり、故人様の死後24時間以内に火葬することは、法律で固く禁じられているのです。ただし、一類感染症等により亡くなられた場合は、24時間以内でも火葬ができます。

昨今では、人口の80%が病院でその生涯を閉じています。しかしながら、故人様を病院の霊安室に長時間預かってもらうことができないため、すぐにご遺体を安置すべき場所へ移す必要が出てくるのです。

葬儀社と契約していれば全てを任せられますが、決まっていない場合は自宅、あるいは遺体安置施設などの安置場所を探し、ご遺体をご移送するための寝台車を手配します。病院内のスタッフに相談してみましょう。

お別れの時間が取れない

一般的な火葬式では、火葬炉の前で最後のお別れをしますが、その時間は5~10分程度です。非常に限られた時間の中で故人様とお別れしなければならないので、後に悔いが残るかもしれません。

ゆっくりお別れをしたいのであれば、オプションで出棺式を付ける選択肢もあります。出棺式では、火葬する前に1時間ほどのセレモニーを執り行えます。

火葬式(直葬)の流れ

では、火葬式の一般的な流れを解説いたします。地域や火葬場、火葬式を執り行う業者によって順番や方法は異なりますが、スタッフの指示に従って粛々と進めるようにしましょう。

①故人様の安置

医師から死亡診断書を受け取ったら、故人様を安置場所へご移送します。ご自宅で亡くなられた場合は、警察の検視が入る場合もありますので、ご遺体を動かさないようにしましょう。

②納棺

火葬式を任せる業者と、納棺や火葬式の打ち合わせを行います。納棺に関しては、納棺師に依頼をするかご家族で支度を整えるかを選びます。また火葬式のオプションで、納棺式や読経を付けられる場合がありますので、業者の方と相談してみましょう。また菩提寺がある場合、事前の相談で簡単な読経をお願いできる場合もあります。

③出棺

お通夜を行わず、そのまま火葬場の予約時間に合わせての出棺となります。火葬炉の前では、故人様の思い出の品や花を手向けながら送り出せますが、予約スケジュールの都合上、ゆっくりと悼む時間はありません。次の方々へ迷惑がかからないよう、迅速に行動する必要があります。

④火葬

火葬は1~2時間程度かかりますので、その間は控室で待機します。火葬場によっては待ち時間に食事を手配できる場合もありますので、事前に確認してみましょう。

⑤埋葬許可証を受け取る

火葬が終わったら、骨上げを行います。骨上げは、参列者が二人一組になり、お箸で遺骨を同時につまみ上げて骨壺へ納めるという儀式です。最後に埋葬許可証を受け取ったら、火葬式は終了です。

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火葬式(直葬)にかかる費用

火葬式は、通常のご葬儀より費用を抑えられます。ただし、見積もり額や含まれている内容などは、業者によって異なりますので注意が必要です。

あまりに格安な業者は、必要最低限の金額しか提示しておらず、ご遺体の移送費用や保管費用が含まれていない可能性があります。最終的な手続きをする前に、項目内容をよく確認しておきましょう。なお、主な項目は、以下のようなものがあります。

・手続きの代行費(相場10,000円程度)
火葬に必要な公的手続き(火葬許可証の取得)を代行してくれるサービスです。

・ご遺体の搬送費(相場20,000円程度)
基本は、車のグレードや走行距離に基本料金を足した金額で定められます。基本料金は葬儀社によって差がありますので、契約前に確認してみましょう。

・ご遺体安置室の使用料(相場10,000~20,000円程度)
部屋の広さ、ランクなどで金額が異なります。

・葬祭品(相場70,000~100,000円程度)
骨壺、棺、棺布団を指します。火葬を執り行うために最低限必要なものです。

・ドライアイス(相場10,000~20,000円程度)
火葬式では一般的に火葬までの時間が短くなるため、ドライアイスの量も少ないです。ただし、予約日まで日数が多くかかる場合は、相場よりも高くなります。

・スタッフ人件費(相場一人につき40,000円程度)
火葬式は業者のスタッフが一人で行ってくれることが多いので、この金額の用意で事足りる場合がほとんどです。

・火葬費用
公営なら無料~50,000円以内、民営なら50,000~100,000円程度が費用相場です。

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まとめ

火葬式は、通常のご葬儀より費用を抑えられるメリットがあります。しかしながら、ご葬儀を執り行わなかったことでご親族からの反発を受けたり、落ち着いたお別れができずに後悔したりする可能性も否めません。

本当にお通夜やご葬儀を省いても良いのかをしっかり話し合い、ご家族の皆様が心から望むお見送りを実現できるようにしましょう。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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