2024-05-17
大切な方 を失ったご遺族にとって、初めて迎えるお盆である初盆は、通常のお盆とは違う特別な意味を持ちます。初盆はそう頻繁に訪れるものではないため、実際に何をしたら良いのか、初盆の法要はどうするのが正解なのかなど、さまざまな疑問を持つ方も多いでしょう。
そこで本記事では、初盆とは何か、また初盆におけるマナーや香典の包み方などを詳しくご紹介します。
故人様が亡くなって四十九日を終えた後、初めて迎えるお盆を初盆(はつぼん)といいます。地域によっては、「ういぼん」「にいぼん」「しんぼん」とも呼ばれており、通常のお盆のようにご家庭でお線香をあげたりお墓参りをしたりするだけではなく、より丁寧なご供養が行われるのが通例です。
初盆は、主に僧侶を招いて読経を行ってもらうなどの法事を行う場合が多くなっています。故人様が亡くなって、その御霊が初めてご自宅へ戻る期間なので、より丁寧な追悼をする場合が多いです。
初盆で僧侶をお呼びして、読経などをお願いする場合、必要になってくるのがお布施です。お布施は仏事の際、僧侶に対してお渡しする謝礼金のことを指します。
初盆で法要を行う際は、お布施を用意しておくのが基本です。状況によっては御膳料や御車代も必要になりますので、事前に霊園や菩提寺へ確認してみると良いでしょう。
そもそもお布施とは、対価という意味でお渡しするものではありません。正式には寺院に安置されているご本尊へ捧げる金銭なのです。僧侶にお預かりいただいたお布施は、ご本尊を守るため、主に寺院の維持費や修理補修などに使用されます。
ここからは、初盆で僧侶に対して包むお布施の一般的な金額相場についてお伝えしていきます。
初盆で用いられるお布施の金額相場は、一般的に30,000~50,000円程度といわれており、通常のお盆で行われる法要よりも金額が高めです。なお、宗教によっても相場が異なります。
例えば、日蓮宗や浄土宗では10,000~30,000円、浄土真宗では30,000円前後、真言宗では30,000~50,000円程度とされています。しかしながら、地域や寺院によって金額の目安は変わりますので、事前に確認するのが良いでしょう。
なお、浄土真宗では故人様が現世へ戻るという概念はないため、初盆法要という語句は用いられず、歓喜会(かんぎえ)と呼ばれます。
ここからは、初盆におけるお布施の包み方、用意する方法について解説していきます。
まず用意するのは、縦長の白い無地の封筒または奉書紙(ほうしょがみ)です。奉書紙を用いる場合は、半紙も用意します。奉書紙を使う方法は、最も正式で丁寧な作法といわれています。しかしながら、現代では白い封筒、または「お布施」の印字が入った封筒が用いられることが多く、これらを使用しても失礼には当たりません。
初盆のお布施で使用するお札は、基本的には新札を用意しましょう。全ての向きをそろえ、お札の顔が印字されている方を表向きにして入れます。
外袋の表書きには「お布施」、半分から下には施主の姓名を黒墨の筆ペンで記入します。なお、地域によってはお布施ではなく、「御回向料」「読経料」「御経料」などが正式の場合もありますので、こちらも事前に確認しておきましょう。
また、中袋がある場合、表は未記入で裏には施主の住所と姓名、金額(旧字体)を記入します。中袋がない場合は、裏書きの右側にお布施の金額(旧字体)、左下に住所と姓名を記入しましょう。
ここからは、用意したお布施の正しい渡し方についてご説明いたします。
僧侶へお布施を渡すタイミングとしては、法要が始まる前、もしくは法要と会食を全て終えた後のどちらかが良いでしょう。法要の支度などで忙しくしている最中は、避けるのが無難です。
お布施は、袱紗(ふくさ)に包んで切手盆に乗せます。お布施は、一旦文字が自分で読める方向に持ちますが、僧侶の目前に伺った時点で、切手盆ごとゆっくり時計周りに回し、お布施の文字が僧侶の方へ向くようにしましょう。
そして、僧侶に向かいお礼を述べながら、切手盆を差し出します。お掛けする言葉の例としては「本日はお忙しい中お越しいただき誠にありがとうございます。何卒よろしくお願いいたします。」もしくは「本日はお勤めいただき本当にありがとうございました。些細ではございますが、どうかお納めください。」などが良いでしょう。
僧侶に対して用意する封筒は、お布施だけではありません。地域の風習や宗派、状況にもよりますが、御車代や御膳料も必要となるケースがありますので、覚えておくと良いでしょう。なお、御車代や御膳料を用意する場合は、お布施と同じ封筒に入れず、別々の封筒へ用意するのがマナーです。
御車代の一般的な金額は5,000~10,000円ほどですが、僧侶の移動距離にもよります。寺院が隣接している場所であれば用意しなくても良い場合が多いですが、不安がある方は寺院へ確認しておくと良いでしょう。
また、ご遺族が僧侶を送迎する場合や、タクシーなどを事前にチャーターした場合は、御車代を用意しなくても構いません。
御膳料の一般的な金額は、5,000~10,000円ほどです。これは、会食などが行われた際に、僧侶が同席しなかった場合にお支払いする金額です。僧侶も会食へお越しになった場合、御膳料は用意しなくても構いません。
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60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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