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復氏(ふくし)届とは|提出先や必要な書類など、書き方のポイントを紹介します

公開日2025/03/14|最終更新日2025/03/14

婚姻する際は役所に届け出を提出し、どちらかが相手の苗字に合わせることとなります。ただし、数十年後に配偶者が死亡した場合、さまざまな事情で旧姓に戻ることを希望し手続きを行う方がいます。この流れで必要になる書類が復氏届です。

当記事では、復氏届の具体的な意味や復氏届が及ぼす影響、必要書類、記載ポイントなどをご紹介いたします。

復氏届とは

復氏届とは、婚姻届によって得た配偶者の姓を配偶者が死去した後で、旧姓に戻すための届け出のことです。日本国憲法の戸籍法に基づいて配偶者から正式に戸籍を抜き、元の旧姓を名乗って生きていくための手続きであり、本人が提出できます。

復氏届により旧姓に戻れば、死亡した配偶者と戸籍が離れ、医療機関や公共機関、職場などさまざまな場面で旧姓を名乗れます。ただし、生前に婚姻関係だった事実はそのまま残されますので、配偶者の姻族関係や遺産の相続権、遺族年金の権利が失効することはありません。

復氏届を提出する際には、結婚前の戸籍(ご実家の戸籍)に戻るか、もしくは新しい戸籍を作るか決めておく必要があります。親や兄弟姉妹など、ご家族がご存命でない場合は戸籍が削除されているため、籍を戻すことはできません。したがって、復氏届を出して旧姓に戻る場合は、新しく戸籍を作ることになります。

子どもを自分と同じ戸籍に入れたい場合も同様に、新たな戸籍が必要です。戸籍は「夫婦とその子ども二代のみ」の構成と定められているため、祖父母・親・子どもの三代で戸籍を一つにまとめることはできないからです。

姻族関係終了届とは

復氏届で旧姓になっても、姓が変更されただけあって、配偶者の親族とのつながりである姻族(いんぞく)関係は継続されます。各ご家庭の事情によっては、亡くなった夫の姻族(親・兄弟姉妹)の扶養義務を家庭裁判所から命じられるリスクが残るのです。

そういった関係を抹消したい場合は、姻族関係終了届を提出する必要があります。姻族関係終了届が提出できるのは生存配偶者ご本人のみであり、配偶者のご親族などが姻族関係終了届を提出することは禁じられています。また、復氏届を提出せず、姻族関係終了届だけを出すことも可能です。

復氏届の提出に必要な書類

復氏届は、書類をそろえてから役所へ提出しに行きましょう。復氏届は日本人同士で婚姻していた場合、配偶者の方が亡くなった後ならいつでも提出できます。

【必要提出書類】 【入手方法、詳細など】
復氏届書 基本役所の窓口でもらえますが、地域によってはホームページからダウンロードすることが可能です。
印鑑 実印である必要はなく、認印で構いません。ただし、シヤチハタなどのスタンプ印は避けます。変更前(現苗字)の印鑑を用意しましょう。
本人確認書類 運転免許証、パスポート、マイナンバーカード、在留カードなど、写真付きで本人と分かるものを提示できるようにしておきます。
戸籍謄本 本籍地以外の役所へ提出する場合は、戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)が必要です。現本籍地の役所、またはコンビニで取得できます。

復氏届を出す前に確認したい注意点

復氏届を出すにあたって、デメリットも知っておくことが重要です。届けてから後悔することのないよう、しっかりと確認しておきましょう。

銀行などの名義変更が必要になる

姓が変わると、銀行口座やクレジットカード、サブスクの名義変更も必要になります。複雑な手続きも多く手間になりますが、漏れなく確実に行っていきましょう。

親族との関係性が悪化する可能性もある

籍を抜くという行為に関して、ご親族の中にはあまり良く思わない方もいらっしゃるかもしれません。除籍の事実は、戸籍謄本の身分事項欄に記載されるため、何らかの手続きで戸籍を取得したご親族には、知れ渡ってしまう可能性は十分にあります。復氏届を出す際は、ご親族などにあらかじめ経緯を報告しておくと良いでしょう。

子どもの姓は変わらない

未成年の子どもがいる場合でも、復氏届を出して姓が変わるのは提出したご本人(親)だけです。親子で苗字が違えば、戸惑いや混乱が起こる可能性もあります。子どももご自身と同じ苗字へ変更したい場合は、子どもが住んでいる地域の家庭裁判所へ申し立て、新たな手続きなどを行う必要があります。

まとめ

配偶者との死別は、人生における大きな岐路となります。さまざまな選択に迫られることになりますが、その中の一つが配偶者の姓を名乗り続けるかどうかです。

復氏届の手続き自体は、難しいものではありません。しかしながら、姓が変わればご親族との人間関係にさまざまな影響を及ぼす可能性もあります。復氏届を出す際は、周囲の方と相談しながら慎重に決めましょう。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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