
公開日2025/10/31|最終更新日2025/10/31
大切なご家族が亡くなると、さまざまな書類が必要になります。深い悲しみの中でも、重要な手続きを正確に進めなければなりません。この記事では、特に紛失に注意すべき書類である埋葬許可証について、探し方や再発行の期限、手続き方法などをご紹介いたします。
埋葬許可証とは、故人様のご遺骨を埋葬する際、墓地の管理者へ提出しなければならない書類です。埋葬許可証は、さまざまな手続きを正常に終えたという法的根拠に基づく書類なので、この書類がなければお墓への納骨は認められません。そのため、紛失しないよう大切に保管する必要があります。
埋葬許可証は、役所に死亡届を提出した際に発行される火葬許可証がもとになります。火葬場でこの火葬許可証を提出し、火葬後に「火葬済」の証印が押されたものが返却され、これが埋葬許可証となります。
ご葬儀を担当する葬儀社が、書類手続きを代行してくれることが一般的で、骨壺を収める桐箱の中へ一緒に入れられる場合が多いです。
埋葬許可証は、何度も取り出したり、誤って別の場所に保管したりすることで、納骨当日までに紛失してしまうことがあります。そのような場合でも、再発行は可能ですのでご安心ください。ただし、火葬からの経過年数によって手続きの方法が異なります。以下で詳しくご説明いたします。
火葬してから5年以内に埋葬許可証の紛失が発覚した場合は、必要書類を持参のうえ役所へ出向くことになります。多くの自治体では火葬許可証申請書を概ね5年間保管しているため、再発行が可能です。再発行に必要な主な書類は以下のとおりです
・申請者の認印
・申請者の本人確認書類
・故人様との関係が確認できる戸籍謄本
・手数料
ただし、手続きの詳細や必要書類は自治体によって異なります。申請の前に、まずは役所へ電話で問い合わせ、次の点を確認しておきましょう。
・埋葬許可証の再発行が可能か
・必要な書類や持参物
・事前予約の要否
火葬から5年以上が経過している場合、役所に提出した火葬許可証申請書は廃棄されている場合が多いです。その場合は、故人様が火葬された火葬場へ連絡し、火葬証明書の発行をお願いします。もし火葬場が分からない場合は、葬儀社へ問い合わせれば火葬場を教えてもらえるでしょう。
なお、火葬場へ突然行くことはおすすめできません。なぜならば5年以上経った書類を探して火葬証明書を再発行するまでに数日の期間を要する場合があるからです。再発行手続きのお願いは、電話などで事前に火葬場へ連絡しておきましょう。
火葬証明書を手に入れたら、再度役所へ電話で連絡し、埋葬許可証を受け取るための必要書類を再確認した上で役所へ行き、埋葬許可証再発行の手続き申請を行います。
埋葬許可証の再発行は、時間が経てば経つほど手続きに手がかかります。あきらめて再発行を考える前に、もう一度自宅で探してみることが大切です。探し方のコツは以下をご参照ください。
・骨壺が収まった桐箱から、慎重に骨壺を取り出し、再度桐箱の底部分をよく確認します。年月が経っていれば、骨壺の底にくっついている可能性もあります。
・埋葬許可証は、ご葬儀の際に使用したバッグの中、着用した喪服のポケットに入っている場合も考えられます。あるいは仏壇の引き出しに保管されている可能性もあります。再度確認してみましょう。
ここまで探しても見つからない場合は、役所で再発行の申請を行います。埋葬許可証はご遺骨を埋葬するための重要書類です。紛失が発覚したらすぐに対応しましょう。
埋葬許可証は、基本的に「故人様の死亡届を出した役所」で再発行が可能です。手数料はかかりますが、ご遺骨を埋葬するための重要書類ですので必ず手続きを行いましょう。なお、自治体によって手続きの方法、順番、用意する書類などが異なります。
亡くなってからの年数に関係なく、最初は役所へ問い合わせ、手順や用意すべき書類を必ず確認しましょう。
埋葬許可証の再発行は、どなたでも申請できるわけではありません。申請できるのは、故人様のご遺族や、祭祀継承者(さいしけいしょうしゃ)と呼ばれる立場の方に限られます。
たとえば、配偶者(妻や夫)や長男・長女、あるいは故人様の遺骨を管理している方などが該当します。祭祀継承者の権限については、民法第897条により法的にも定められています。
改葬(かいそう)を行う際にも、埋葬許可証は必要です。改葬とは、一度お墓に納めたご遺骨を、別の墓地や納骨堂、合祀墓などに移すことを指します。いわゆる「お墓の引っ越し」にあたる行為です。
また、手元供養として自宅でご遺骨を保管していた場合でも、いずれは埋葬される可能性があるため、埋葬許可証は手元に残しておく必要があります。
さらに、散骨を選んだ場合でも、埋葬許可証はご遺骨の火葬を証明する大切な書類です。後々の手続きのためにも、廃棄せず大切に保管しておきましょう。
悲しみの中で行うさまざまな手続きは、ご遺族の心身に大きな負担を与えることでしょう。しかしながら、書類には重要なものが多いので、手続きのミスや間違い、紛失はできる限り避けたいものです。
葬儀社では、親身になって手続きを行ってくれるところが多く、書類のお取り扱いにも慣れています。手続き上で困ったことがあれば相談してみると良いでしょう。また、埋葬許可証は桐箱に入れて保管し、できる限り取り出さそうとせずに置いておくことが紛失回避の鍵です。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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