
公開日2025/08/22|最終更新日2025/08/22
お通夜とは、故人様を尊びお別れを惜しむ大切な時間です。マナーを守り故人様やご遺族に失礼のない節度のある姿で参列する必要があります。特に悩む方が多いのは髪型についてでしょう。近年ではさまざまな色やカットで個性を楽しむ方も多いため、急な知らせで駆けつける際の対処に戸惑う方も少なくありません。
そこで当記事では、お通夜に参列する際の髪型について、詳しく解説いたします。
お通夜に参列するため、髪型で一番気をつけるべきは「清潔感」です。まずは男女共に以下のポイントを押さえ、故人様やご遺族に失礼のない髪型に整えましょう。
・髪色:黒色または暗い茶色
赤や青などの明るい色の場合、お通夜に参列する前に黒染めするのがベストです。1日だけ髪を黒く染める黒髪スプレーを使っても良いでしょう。なお、生まれつき髪色が明るい方や外国人の方でしたら無理に染める必要はありません。
・前髪
前髪は短く整えるのがベストです。ただ、普段から前髪のない髪型をされている場合は、他の部位の髪と一緒に結ぶか、あるいは整髪料でまとめ、お辞儀やご焼香で髪が顔に掛からないよう気をつけます。
・髪型
スッキリとまとめることを意識します。ヘアピンやゴムを使用する場合は黒一色のものを用いましょう。ただし、黒一色でも光沢のある髪留めは差し控えます。また、毛先を遊ばせたり、編み込みをしたりなどのオシャレは、悲しみの場にふさわしくありませんので控えるようにして下さい。
ここからは、お通夜へ参列する際に男性が注意する髪型のポイントについてお伝えいたします。
ちなみに、髭は無精髭でなければ剃る必要はありません。清潔感のある髭に見えるよう、きれいに整えられていれば問題ないでしょう。
男性の短髪は、元より清潔感のある髪型です。特別に意識する必要はありません。
ただし、前髪を作っている方は要注意です。挨拶時や焼香の際は顔が隠れないよう、ヘアワックスを使いオールバックに整えていくと良いでしょう。もしオールバックが苦手ならば、額や眉毛が見えるようサイドに流し、艶のない整髪料、もしくはマットなワックスで整えます。
なお、剃り込みが入っている場合は、剃り込み部分を他の髪で覆い、ワックスを馴染ませて隠します。あるいは、美容室か理容室へ相談し、剃り込みが目立たないよう調整しましょう。
ミディアムのネックは、お辞儀などで髪が顔に掛からないようにしましょう。
もし短髪に切るご予定がない場合は、七三分けかオールバックにまとめ、マットタイプの整髪料を髪全体に馴染ませて整えます。くれぐれも挨拶や焼香の時に髪が顔に掛からないよう、ヘアセットは意識して取り組みましょう。
長髪の場合は、黒いヘアゴムで一つに束ねるのが基本です。
挨拶時や焼香のたびに髪が前面へぶら下がってくることのないよう後ろで一つにまとめます。なお、前髪がある場合は、短髪やミディアムと同様、額や眉毛が見えるよう整えてください。また、後れ毛が出ないよう整髪料で押さえるのも忘れずに行いましょう。
ここからは、お通夜へ参列する際に女性が注意する髪型のポイントについてお伝えいたします。
ショートやミニボブの場合は基本的にいつもの髪型で構いません。ただし、前髪が目に掛かるのはマナー違反となりますので、短く整えるか額や眉毛が見える様サイドに流し、黒いヘアピンで留めます。また、艶の出ないマットな整髪料で落ち着かせても良いでしょう。
黒いヘアゴムで一つにとめられる長さなら、耳よりも下で後ろ側に結びます。長さが足りない場合は、髪が顔に掛からないよう、黒いヘアピンで両サイドをしっかりとめましょう。不安でしたら、マットタイプのワックスやムースなどツヤの出ない整髪料を併用すると良いでしょう。
スプレーは一度髪が崩れてしまうと元に整えるのが困難ですが、後れ毛対策などで使用する程度なら大丈夫です。ただし、香りの強いものは香水と勘違いされるので無香料を選びます。
ロングヘアの場合は、やはり耳よりも下で後ろに結ぶのが基本です。また、お辞儀などで前面に下がってしまう長さの場合は、お団子ヘアが適切です。
なお、編み込みや三つ編みなどのアレンジは華美に見えるためNGです。悲しみの場でのオシャレは、故人様との別れを悼むご遺族へ失礼に当たります。あくまで清潔感のみを意識し、お悔やみの場に相応しいシンプルなヘアにまとめましょう。
お通夜において、髪型を整える際に覚えておきたいのは、あくまで清潔感のあるシンプルスタイルを意識することです。男女ともに髪をまとめる際は必ず黒一色のヘアピン、もしくはヘアゴムを用います。
ただし、色が黒でも艶やラメが入っているもの、色付きのヘアアイテムは悲しみの場に向きません。また、ツヤ感の出るワックスや整髪料の使用も避け、テカテカした仕上がりにならないよう留意しましょう。
なお、髪のまとめ方におけるNGスタイルは以下の表をご参照下さい。
・ツインテール(ふたつ結び)
一つにまとめられないからといって二つに結ぶのは、かえって華やかにも見えてしまうためご法度とされています。
・ハーフアップ
顔に髪が掛からないハーフアップは一見良さそうに見えますが、世間では慶事で行う華やかな髪型として認知されています。弔事には不向きとされています。
・編み込み・三つ編み
ハーフアップと同様で、華やかな印象に見られてしまいます。
・ポニーテール
弔事では耳より下で髪を1つに結ぶのが基本です。お団子ヘアも耳より下に作ります。逆に結婚式などの慶事では、耳より上に結ぶのが良いとされています。
また、装飾品は付けなくても良いとされていますが、もし付けていくのであればシンプルな腕時計や結婚指輪、一連の真珠ネックレスに留めます。お通夜はフォーマルな場のため、故人様やご遺族への敬意を示すためにもメイクは必要不可欠ですが、カラーを感じさせないシンプルな化粧に仕上げます。
子どもの髪型も、基本は大人と同じです。清潔感がでるよう櫛で整え、髪が長い場合は黒いゴムで後ろにとめてあげましょう。前髪が長い場合はヘアピンでとめてあげます。もしヘアピンが苦手な場合は、少し短めに切りそろえてあげても良いでしょう。
お通夜は、急な知らせで駆けつける場であるため、告別式ほど髪型を過度に整える必要はありません。ただし、参列する際は控えめな清潔感を重視しましょう。
色は暗めに落ち着かせ、髪の長い方は黒のヘアゴムなどでまとめます。服装も黒く控えめな平服をまとい、故人様の急な死を悼む気持ちが、その姿からもご遺族へ伝わるようにすると良いでしょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
かけがえのないご家族が逝去されるのは、大変つらく悲しい出来事です。人によって異なるものの、場合によっては大事な喪主を務めることになることも考えられます。後悔のないようお見送りをするには、事前の準備と葬儀社選びが重要です。今回は、お通夜の準備や葬儀社の選び方などについて詳しく解説していきますので、お困りの方は参考にしてみてください。
最終更新日2023/02/03
お通夜とは、ご葬儀の前日に執り行われる仏教の儀式です。故人様をお送りする儀式のひとつであり、「ご葬儀や告別式とは何が違うの?」「何のために行うの?」と不安に感じている方もいらっしゃるでしょう。今回は、お通夜の意味や目的、一連の流れ、参列時のマナーや香典の書き方について解説していきます。突然の連絡に慌てることのないよう、本記事でお通夜について学んでいきましょう。
最終更新日2023/02/03