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近年増えている樹木葬。お墓との違いやメリットとは?

公開日2020/05/22|最終更新日2020/05/22

ご遺骨を自然の山木の根元に埋葬したり、墓石の代わりに樹木を植えたりする自然葬の一つであるのが「樹木葬」と言われています。「樹木葬」という言葉を耳にしたことがある方もいらっしゃると思いますが、具体的にはどのような埋葬方法なのでしょうか。一般的なお墓の埋葬とは違うものなのでしょうか。

そこで今回は、樹木葬に関する疑問や樹木葬のメリットや注意しておくべき点についてご紹介します。

樹木葬とは?

樹木葬とは、海や山などにご遺骨を還す自然葬に分類されるもので、墓石を建てるお墓ではなく、樹木や花木を墓碑として自然と共にあるお墓のことを言います(平成11(1999)年に岩手県一関市にある祥雲寺がはじめた樹木葬公園墓地が樹木葬のはじまりといわれています)。

最近では、「亡くなったら、自然に還りたい」「子ども世代にお墓の継承・管理の負担をかけたくないという」というニーズの広がりにより、樹木葬を選択される方が増えてきています。

樹木葬は、どのような墓所に埋葬するか、そして埋葬の仕方によって、以下のように分けられます。

埋葬する「場所」での種別

【里山型】
できる限り自然を残すために、最小限の整地がなされた場所に埋葬するスタイルです。自生する草木の中に埋葬してから、その上に植樹をします。そのため、里山タイプの樹木葬は、都市部から離れた山林などが墓所になっていることが多いです。

【公園型】
通常の墓地のように区画が整備されている樹木葬墓地です。一人ひとりに対して樹木を植え、個別に埋葬するものと、1本の樹木を墓標として、他の方と合祀するものがあります。お墓参りの際は、墓標である樹木にお祈りをします。

【ガーデン型】
公園型をさらに小さくして、園内がヨーロッパガーデンのように作られている樹木葬墓地です。お寺や霊園の一画などに設けられ、石のお墓の近くに樹木葬墓地を併設することが多いようです。スペースを広く取らないため、ガーデン型は近年都心での増加傾向にあります。

埋葬の「仕方」による種別

【合祀型】
合祀型の樹木葬は、共通のシンボルツリー(シンボルとして植えられた木)の周りにご遺骨を一緒に埋葬するスタイルです。個別に埋葬されるのではなく、他の方とも同じ場所にご遺骨を埋葬します。

【集合型】
集合型の樹木葬は、共有のシンボルツリーの周辺に用意された個別のカロート(ご遺骨を納めるための場所)に埋葬して埋葬するスタイルです。霊園タイプの樹木葬墓地で多く見られます。

【個別型】
個別型の樹木葬は、個別の墓域が割り当てられ、その中で植樹をし、埋葬するスタイルです。家族、夫婦、世帯単位でその区画を利用できます。

墓石を使ったお墓と樹木葬との違い

墓石を使ったお墓は、現代では最も一般的な埋葬方法で、菩提寺や霊園に墓石を建ててそれを墓標にします。お墓には先祖代々のご遺骨を埋葬し、お墓の継承者が必要となります。また、墓石を使ったお墓の中でもお寺が管理する墓地にお墓を建てる際には、お寺の宗旨に添って供養が行われるので、そのお寺の檀家になることが前提になっていることがあります。

一方、樹木葬は樹木を墓標としたお墓ですが、お墓を継承する必要のない一代限りが多いです。また、お寺が管理する墓地の敷地内の樹木葬は、そのお寺の檀家になる必要があることもありますが、多くは宗教に縛られずに埋葬することができます。

散骨と樹木葬との違い

散骨とは、海や山にパウダー状にしたご遺骨(ご遺灰)を撒く葬送方法を言います。亡くなった後に自然に還りたいと思っている方の願いを叶えるという意味では散骨と樹木葬は共通するところがあります。

しかし、樹木葬は樹木を墓標とする「お墓」であるのに対し、散骨は「お墓」ではありません。散骨は、ご遺骨をお墓に埋葬するのではなく、粉骨したご遺骨を海や山などに「撒く」というところが大きな違いになります。

樹木葬のメリット

当初は郊外に作られることがほとんどだった樹木葬の霊園・墓地は、樹木葬を希望する方の増加から比較的交通アクセスがよい都市部に作られるようになってきました。その背景には、自然に囲まれた場所に埋葬されるというだけでない樹木葬のメリットが関係しています。そこで、以下に樹木葬でご遺骨を埋葬する際のメリットをまとめましたので、ご参照ください。

お墓の継承が不要

樹木葬は継承者を必要としないため、自身の死後にお墓の管理をしてくれる方が不在でも、無縁仏になることはありません。

宗旨宗派を問わないことが多い

自然に還ることがコンセンプトであるため、宗旨・宗派を問わずに埋葬できるところが多いです。もちろん、宗教・宗派によるしきたりもありません。

子どもに負担をかけたくない

子どもにお墓を継承すると、お墓の管理は子どもがしなければなりません。樹木葬は永代供養などと同じように、霊園・墓地側が管理を行ってくれることがほとんどのため、子どもにお墓の管理で負担がかからないようにすることができます。


樹木葬を検討する際に注意すること

樹木葬は、上記のようなメリットもありますが、樹木葬を検討する際には注意しておくこともあります。以下に、樹木葬を検討する際に注意することをまとめましたので、ご参照ください。

交通アクセスが悪いことがある

里山型の樹木葬墓地は山の中にあることが多いので、気軽にお墓参りに行けないことがあります。特に、参拝者が年配になった際は、お墓まで行くことができないということもありえますので、十分な注意が必要です。

改葬することは困難

樹木葬では、一般的なお墓のように骨壺の中にご遺骨を入れて埋葬するとは限りません。他の方との合祀やご遺骨をパウダー状にしてから埋葬することもあります。このような場合は、後から故人様のご遺骨を特定することはできないので、改葬することはできません。別のお墓に改葬することを希望する際には、注意が必要です。

許可を得た場所に埋葬する

樹木葬は、自然葬なので自身の好きな場所に埋葬できるように思えますが、埋葬場所を勝手に決めることはできません。樹木葬は、ご遺骨を土の中に埋葬するので、法律上は一般的なお墓と同じ扱いになります。法律で定められた以外の場所にご遺骨を埋葬すると、罰せられることもあるので注意しましょう。

まとめ

今回取り上げた樹木葬や海洋散骨など、近年では故人様の弔い方も多様になってきました。どのような弔い方を選ぶかは、人それぞれ。様々な選択肢を考慮・検討した上で、ご本人だけでなく、ご家族も納得される弔い方を選びましょう。

セレモニーでは、館内見学会や相談会で、樹木葬についてご紹介しているほか、定期的に無料見学会を実施しております。お気軽にセレモニー葬祭センター(TEL:0120-41-1147)までお問合せください。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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