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2023-10-27

神棚を祀るのに適した場所や方角とは?神棚とお仏壇がある場合はどうする?

健康・安全や商売繁盛・業績向上を祈願してご自宅や会社に神棚を祀られている方も多いと思います。日本人にとってはありがたい伝統的な存在である神棚ですが、意外と知られていないのが、神棚を祀るのに適した場所や適さない場所、方角があるということです。

そこで今回は、ご自宅や会社という身近な場所で神様を感じる場所である神棚の正しい祀り方についてご紹介します。

神棚って何?

神道では、神様をいつでも信仰できるようにと考え、自宅でも崇められるようにという意味合いがあるのが「神棚」です。神棚とは、家庭内で神様に対して祈り感謝し、神魂を鎮めるための神聖な場所を指します。

そもそも、民俗信仰として神道が伝えられるようになったのは、日本の弥生時代から古墳時代であるといわれていますが、古来で「神棚」は存在していませんでした。なぜならば、神はいつも常在している存在ではなく、祀られることで初めて現れるものと信じられていたためです。

ところが、江戸時代中期頃に、「神の常在」を前提とした神棚が登場します。鎌倉時代から室町時代に入った頃、伊勢神宮の神官がお神札を作成し、御師(おし/おんし)の手によって全国へ配布したのがきっかけになりました。こうして、神札を納めるための神棚が誕生しました。

神棚にお祀りするのは、神の力が宿ったお神札です。主に、伊勢神宮の神宮大麻(じんぐうたいま)、地域を守る氏神様のお神札、そして崇敬神社のお神札などが挙げられます。

神棚の代表的な形としては三社造り(さんしゃづくり)が多く、中心には神宮大麻、向かって右側には氏神様、左側には崇敬神社の神様を祀るのが一般的です。また、スペースの都合で一社造り(いっしゃづくり)の神棚を用意した場合は、一番手前に神宮大麻、次に氏神様、一番後ろに崇敬神社の神様を重ねて祀ります。

神棚を祀る方角

神棚を設置する場合は、方角に気を配りましょう。一般的に最も良い方角とされているのが、神棚が東、または南を向いていることです。神宮大麻の天照大御神は、神々の中でも最も位の高い太陽神であるため、日が昇る方角の東や、日照時間の多い南側を向かせることが重要視されているためです。

また、風水の考え方で「背山面水(はいざんめんすい)」を基調とした祀り方も推奨されています。背山面水とは読んで字のごとく、「山を背にして、正面には開けた土地が見えるように」という意味です。

風水学では、山の起伏がエネルギーの強さを表しています。エネルギーは高所から低い場所へ流れ込むと考えられているため、背山面水に倣って山を背にした方角に設置された神棚は、山のパワーを授かる縁起の良い祀り方となるのです。

神棚を祀るのに適した場所・適さない場所

神棚を祀る際には、方角の他にも気を配るべき点があります。それは、神棚を飾る場所や環境です。神棚には神札が納められているため、神様と同様の敬いが必要です。できる限り良いとされる場所にお祀りして、神様に対しての敬意を示すようにしましょう。

神棚を祀るのに適した場所

神棚を祀る場所は、ご自宅の場合、家の中でも清潔でありつつも人が集まって賑やかな場所が良いとされています。そのため、リビングなどの毎日の参拝とお供えがしやすい場所を選びましょう。

なお、会社の場合、神棚は社長室に祀ることが多いですが、全社員が参拝しやすいという意味ではメインとなるオフィスに祀るのも良いでしょう。神棚を祀る高さとしては、目の高さよりも高い場所であり、神棚の下をくぐり抜けられないような場所が理想とされています。

神棚を祀るのに適さない場所

神棚を祀るのに避けた方が良い場所もいくつかあります。例えば、お仏壇と向かい合ってしまう場所です。これは、神棚とお仏壇のどちらかを拝むと、もう一方に背を向けてしまうという点が挙げられます。

また、人の出入りが多い玄関・廊下や汚れやすく水回りが集中しているキッチン・台所なども神棚を祀る際には避けた方が好ましいです。

なお、キッチンや台所は神棚を祀るのに適さない場所になりますが、現代の住宅事情では、どうしてもそれら以外に神棚を祀る場所がないことも考えられます。そのような場合は、火を司るかまどの神様である「荒神様」も神棚に祀ることで解決できます。

神棚とお仏壇を同室に祀っても大丈夫?

結論から申しますと、神棚と仏壇を同室に安置しても問題はありません。本来ならば、神棚はリビングルーム、仏壇は仏壇専用の和室などと、部屋を分けるのが一般的です。しかしながら、近年の住宅事情では、神棚と仏壇を同室にせざるを得ない環境が多く見受けられます。

そこで、神棚と仏壇を同じ部屋に安置することになる場合、注意しなければならない点がいくつかあります。一つ目は先にも挙げた通り、神棚と仏壇を向かい合わせに安置しないようにすることです。そしてもう一つは、神棚と仏壇を上下に配置しないように気を付けましょう。

神棚は、天井に近い場所へ安置するのが一般的です。しかしながら、これに倣って神棚の真下に仏壇を安置すると、神様が仏様を踏んでしまう状態を作る配置になりますので、避けなければなりません。どうしても場所がない場合は、神棚と仏壇が完全な上下とならないよう、中心部をずらすなどの工夫をしましょう。

神棚と仏壇を同室にする場合、同じ壁面に安置しないようにL字型に配置することが最も良い方法です。しかしながら、部屋の構造の問題などでL字型の配置が難しい場合は、お部屋の中心に近い場所へ神棚を、向かって右側に仏壇を配置しましょう。難しい場合は、左右が逆になっても問題ありません。

神棚と仏壇を同室にするという点においては、ご家族が双方にお参りしやすくなるという利点があります。細かなしきたりはありますが、神様や仏様に対する気遣いができれば、より気持ちよくお参りできるでしょう。

マンション・アパートで神棚を祀る際の注意点

マンションやアパートなどの賃貸物件でも、神棚を安置したいと考えられる方も多いのではないでしょうか。神棚の設置には、台に置いたり天井から吊るしたり、壁に掛けたりなど、さまざまな方法があります。しかしながら、壁に穴を開けてくぎを打ってしまうと、退居時の原状回復費用がかさむため、あまりおすすめはできません。

そこで、壁を傷つけることのないよう、突っ張り棒を利用した棚を設置したり、壁を傷つけないタイプのフックを取り入れたりしてみましょう。もし、背の高い棚が用意できるようであれば、その一番上に神棚を設置するのも良いでしょう。

また、神棚の上部を人が行き来することは、失礼な行為とされています。そのため神棚は、家の最上階に設置するのが適切です。しかしながら、上階に住人がいる場合、物理的に人を避けるのは困難になります。

そのような場合、「雲」「天」「空」いずれかの文字が墨で半紙に書かれたものを、神棚の上部(天井)に貼り付けると良いでしょう。この半紙には、「神様の上部には空しかありません」という意味合いがあります。なお、半紙や墨がなくとも、神具店やネット販売で木製の雲字(雲板)を購入し、天井へ貼り付ける方法があります。

神棚にお供えするもの

神棚への基本的なお供え物は、米や水、塩です。神道では、神様正面の正中(せいちゅう)が重要な場所と考えられているため、中央に最も大切な米を、向かって右側に盛塩、左側に水をそれぞれ神具に乗せてから設置します。米や水、塩は、できる限り毎日取り換えましょう。

また、対になった瓶子(へいじ)の中にそれぞれ酒を注ぎ、お供え物3種の両脇に添えます。最後に、榊立てに活けた榊を両側に一株ずつ供えて完了です。

神棚の手入れ方法

神棚に埃が被っているのは、神聖な場所を好む神様に対して失礼に当たります。正しくお手入れをして、聖域を清潔に保てるように心がけましょう。

神棚のお手入れに適しているのは、日々のこまめな清掃です。まず、神棚を掃除するために以下の道具を用意しましょう。

・ハタキ、ブラシ

・白い清潔な布(数枚)

・和紙(白無地)

・米・水・塩などの新しいお供え物

・新しいしめ縄(年末大掃除のみ)

では、清掃の手順を確認してみましょう。

①口と手を水流で清めたあと、神棚に参拝します。

②神様に息が掛からないよう、口に和紙をくわえましょう。

③別の机に白い布を敷き、その上にお神札や神具を移動させます。※お神札は床へ置かないようにしてください。

④ブラシやハタキ、白布を用いて棚板や神棚を清掃します。

⑤年末の場合は、しめ縄、紙垂(しで)も新しいものに変えましょう。

⑥キレイになった神棚へお神札を戻し、掃除した神具に新しいお供え物を入れて納めます。

⑦和紙を口元から外します。

⑧再度、神棚に参拝して終了です。

神棚にお参りする際のマナー

神棚は、神社と同じ神様の宿る神域です。したがって、お参り方法も神社と同じと考えて問題ありません。神社での参拝と同様に、神様への感謝を込めて「二礼二拍手一礼」を行いましょう。

お参りの頻度は、朝と夕方に一回ずつ、計二回行います。難しければ、一日一回でも構いません。ただし、お参りを何日もせずに放置し、お供えをしないようなことは避けましょう。毎日休みなく私達を守ってくださっている神様に失礼のないよう、礼をもってお祀りするのが最大のマナーです。

まとめ

近年、住宅事情や洋装建築の普及に伴って神棚を祀っているご家庭や会社は少なくなってきています。しかし、神棚は日本に古くから根付く神道のお社として、我々日本人の生活に溶け込んでいました。

この機会に、今一度ご自宅や会社で神棚を祀り、ご自身やご家族、社員の安全や健康を祈願する時間を検討してみてはいかがでしょうか。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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