2022-11-04
「通夜見舞い」とは、故人様と親しかった方が、「生きている間にお見舞いに行けなかった代わり」として、ご遺族へお見舞いの品(または金銭)を持参する風習のことを指します。千葉や茨城などの一部地域で行われている風習ですので、耳にしたことがない方もいらっしゃるでしょう。
今回は、一部地域で大切に行われてきた「通夜見舞い」のマナーや、品物を用意する際の金額相場、お金を包む際の不祝儀袋の書き方について解説していきます。
通夜見舞いとは、故人様が生きている間にお見舞いに伺えなかった方が、代わりにご遺族へお見舞いの品や金銭を持参する風習のことです。基本的には故人様と交流の深かった方が行うもので、故人様に思い残しのある方が自身のお悔やみの気持ちをご遺族に伝えます。
お見舞いで持参するのは品物または金銭のどちらかになりますが、これらはある程度相場が決まっています。極端に少ない金額だったり、逆に高額だったりするとかえってご遺族を困らせてしまうので、お見舞いの品を選ぶ際や金銭を包む際は注意しましょう。
通夜見舞いは全国的に見られる風習ではなく、千葉・茨城・福岡・新潟など、一部地域にのみ存在するものです。もしそのような風習がない地域で通夜見舞いを行うと、かえってご遺族を困らせてしまうことになるので、通夜見舞いのある地域からない地域へ引越しをした際は注意しましょう。
通夜見舞いを検討している場合、現在住んでいる地域に通夜見舞いの風習があるのかを確認することが大切です。このとき、葬儀社へ問い合わせをすると親切に答えてくれるので、一度連絡してみると良いでしょう。
また、愛知県などの中部地方では、「お淋し見舞い」といわれる、通夜見舞いと似た風習があります。ご葬儀に関連する風習は地域によって異なるため、まずはどのような風習があるのか確認するのが重要です。
通夜見舞いで持参するものは、ご遺族への労いとしての意味合いが強く、そのため軽食やちょっとしたお菓子がよく選ばれます。また、食べ物ではなくお金を包む場合も多いです。
食べ物を用意する場合、お菓子の詰め合わせやサンドイッチ・おにぎりなど手軽に食べられるものを用意しましょう。ただし、軽食はご遺族側ですでに準備している場合もあるため、事前に確認しておくと迷惑がかかりません。また、アレルギーの有無なども併せて確認しておくと安心です。
なお、お金を渡す際は不祝儀袋に包みます。渡すタイミングは香典と同じですが、封筒は別々に用意しましょう。
通夜見舞いの金額相場は、お菓子を用意する場合も、お金を包む場合も1,000~5,000円とされています。「故人様と親しい間柄だったにしては少なすぎない?」と思う方もいらっしゃいますが、あまりに高額だとかえってご遺族に気を遣わせてしまいます。通夜見舞いでの品物はあくまでご遺族を労うものなので、相場に合わせて用意するのが望ましいです。
また金銭で用意する場合、金額が高額ではご遺族が香典と間違ってしまう可能性があります。混乱を防ぐ意味も込めて、通夜見舞いは香典と差をつけるようにしましょう。
通夜見舞いを渡すタイミングは、一般的に通夜の前が良いとされています。なぜなら、通夜が始まってからでは、ご遺族が参列者への対応などで忙しくなってしまうためです。可能であれば、通夜が始まる前にご遺族が集まっている場所へ赴く方が親切です。
通夜見舞いで伺うにあたって注意しておきたいのが、服装や見舞いの品の渡し方です。次の項目では、「不祝儀袋の書き方」「服装」「渡し方」の項目に分けて、通夜見舞いのマナーを解説していきます。
お金を包む場合、香典と同じように不祝儀袋を用意します。表書きは、上段に「御通夜見舞」もしくは「通夜見舞」と書き、下段に自分の名前を記入しましょう。記入する際は筆ペンを用いるのが理想です。
また、ご遺族が香典と間違ってしまうおそれがあるので、「御霊前」と書くのは控えた方が無難です。なお、通夜見舞いには宗派による書き方の違いがないため、基本的に「御通夜見舞」「通夜見舞」と記入して問題ありません。
中袋には、表側に中央に包んだ金額、裏の左下に自分の名前と住所を記入しましょう。金額を記入する際は、旧字体の漢数字(大字)を使用するのがマナーです。たとえば、1,000円包んだ場合は「金壱千圓他」と記入します。
のし袋は、白黒で結び切りの水引がついているものを選びましょう。弔事用ののし袋には、双銀といった豪華なものもありますが、包む金額にそぐわないため選ばない方が良いです。
また、お札は新札ではなく一度使われているお札を包みましょう。このとき、肖像画の描かれている方が上になるようにして包みます。
金銭ではなくおにぎりやサンドイッチなどの軽食を用意する場合は、かけ紙をかけなくても問題ありません。ただし、お菓子など箱が用意されているものは、黒白で結び切りの水引が描かれているかけ紙を用意しましょう。
通夜見舞いに伺う際は、平服を着用するのがマナーですが、これは普段着のことではありません。黒や紺など落ち着いた色合いで、清潔感のある服装を心がけましょう。
また、通夜見舞いの後に通夜へ参列するのが通常の流れとなっているので、喪服の用意も必要です。また人によって異なりますが、通夜の手伝いをお願いされる場合もあるので、そのようなときも対応できるよう、白や黒のエプロンを用意しておくと安心です。
通夜見舞いの品は、金銭か品物かで渡し方が少し異なります。品物の場合、お供え物と間違われないよう、通夜見舞いであることを伝えましょう。また、お金を包んだ場合は、渡すまで袱紗に入れておくのがマナーであり、香典を渡すタイミングで一緒にお渡しします。
お金、品物、どちらにせよ、渡す際は「お悔やみ申し上げます」「ご愁傷様でした」と一言添えてあげると丁寧です。この際、意味言葉や重ね言葉は使用しないよう注意しましょう。
ここまで通夜見舞いのマナーについて解説してきましたが、厳密には地域ごとに細かなルールの違いが存在します。今回解説してきたマナーはあくまで通夜見舞いの基本となるものなので、実際に通夜見舞いを行う際は、地域のマナーをしっかり確認しておきましょう。
通夜見舞いとは、生前故人様のお見舞いに行けなかった方が、ご遺族を訪ねてお見舞いを行う風習です。お見舞いの品には、軽食やちょっとしたお菓子を用意する場合と、金銭を包む場合の2パターンがあり、渡すタイミングは通夜の前が一般的です。
また、通夜見舞いは一部地域で行われている風習であり、地域ごとに細かなマナーが異なります。とはいえ、マナーを完璧に覚える必要はありません。大切なのは、ご遺族に対する労いと故人様に対する弔いの気持ちなので、今回ご紹介した基本的なマナーを参考にしつつ、自身のお悔やみの気持ちを伝えましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
毎年お盆の時期になると、神社仏閣や町会などで、賑やかなお祭りや催しが開催されます。そのような風潮もあり、お盆といえば季節のイベントを連想される方も少なくないでしょう。しかしながら、本来のお盆は、ご先祖様をご供養するための大切な期間なのです。 そこで当記事では、本来のお盆を過ごすための「迎え火」「送り火」のやり方について、分かりやすく解説していきます。
故人様が亡くなり忌明けした後に、初めて迎えるお盆を初盆(はつぼん)といいます。初盆は故人様の御霊が初めて家に戻られる機会であり、通常のお盆よりも手厚くご供養されるのが一般的です。 しかしながら、近年では核家族化が進んでいることもあり、ご家族だけの少人数で静かに法要を執り行いたいという想いも尊重されるようになりました。そこで当記事では、初盆をご家族だけで過ごす場合の流れ、ご供養時の服装などについて、分かりやすく解説していきます。
近年においてのご葬儀は、代金を支払って葬儀社に依頼することが一般的です。費用はご葬儀の規模や内容により異なりますが、多くの場合でまとまった支出が発生します。喪主が支払う場合が多いものの、ご親族同士で負担し合うパターンも少なくありません。 そこで当記事では、ご葬儀代の負担者について、費用工面の方法、ご葬儀代の相場、支払う前に確認すべき事柄まで、詳しく解説していきます。