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2022-12-02

浄土宗のお葬式のマナーや特徴まとめ|数珠やお焼香に関するマナーも解説します

仏教にはさまざまな宗派があり、宗派によって考え方やお葬式の流れ、マナーなどがそれぞれ異なります。故人様やご遺族に失礼のないよう、宗派の違いを把握しておくことは大切です。

今回は仏教宗派のひとつである「浄土宗」の特徴やお葬式の流れ、マナーについて解説します。参列時に故人様やご遺族に失礼のない行動ができるように浄土宗について把握しましょう。

浄土宗とは法然上人によって開かれた仏教宗派のひとつ

浄土宗は大乗仏教の宗派のひとつで、1175年の平安末期に法然上人によって開かれました。本尊は阿弥陀如来で、総本山は京都市東山区の華頂山知恩教院大谷寺にある「知恩院」、そして全国には「七大本山」があります。

浄土宗の経典は、無量寿経・観無量寿経・阿弥陀経の三経を合わせた「浄土三部経」です。阿弥陀仏を信じて「南無阿弥陀仏」と唱えることで、必ず極楽浄土に行けるという「他力」の考えが基本となります。

浄土真宗との違いは?

浄土宗は法然上人、浄土真宗は親鸞聖人と開祖に違いがあります。浄土宗における法然上人の教えを発展させたのが浄土真宗です。

浄土宗と浄土真宗は、念仏に対する考え方が異なります。浄土宗は、念仏を唱えることそのものを大切としていますが、浄土真宗は念仏を唱えるときに、阿弥陀如来を信じる気持ちを大切にしています。また、浄土宗では「般若心経」を唱えたり写経を行ったりしますが、浄土真宗では行いません。

さらに、浄土宗と浄土真宗は規律面にも違いがあります。浄土宗の僧侶は禁欲的な生活を徹底しており、結婚が許されないほか、原則肉を食べません。一方で、浄土真宗は規律の厳しさはなく、僧侶は髪型も自由で結婚も許されています。

浄土宗のお葬式の特徴は?

浄土宗のお葬式の特徴として、以下の2つが挙げられます。

・念仏一会

・下炬引導

次項では、それぞれの特徴について解説します。

念仏一会(ねんぶついちえ)

念仏一会は、故人様に代わって僧侶と参列者が念仏を唱える儀式のことで、「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えます。阿弥陀如来の救いによって、故人様が極楽浄土へ行けるようにと願いを込めて行います。「南無阿弥陀仏」を唱える回数に決まりはありませんが、10回以上唱えるのが一般的です。

下炬引導(あこいんどう)

下炬引導は、僧侶によって行われる儀式です。僧侶が棺の前で焼香をあげた後、たいまつや線香を2本取り、1本を捨てます。その後残った1本で円を描き、「下炬の偈」を読み上げた後に残る1本を捨てるのが一連の所作です。

また下炬引導は、「故人様が煩悩を捨て、何事もなく極楽浄土に行けるように」との願いを込めて行われます。

浄土宗のお葬式の流れを解説

浄土宗のお葬式は、序分・正宗分・流通分の三部構成で執り行われます。序分は仏様を葬場に迎え入れる儀式、また正宗分はお葬式の中心となる儀式です。そして最後の流通分に入ると、法要を無事終えたことに対する感謝を行い、仏様と故人様を送り出します。

一般的に、以下のような流れで進み、おおよそ1時間~1時間半ほどで終わることが多いです。

<具体的な流れ>

①入堂:僧侶が葬場に入場する

②香偈:心を静めるため、お香を焚く

③三宝礼:仏・法・僧の三宝に帰依するため、礼をする

④奉請:仏様に葬場への入場をお願いし、迎え入れる

⑤懺悔偈:仏様に自らの罪を懺悔し、正宗分としてお話を伺う

⑥転座と作梵:本尊に体を向けていた僧侶や参列者が、棺に体を向けるのが転座で、転座の際は作梵と呼ばれる四智讃を唱える

⑦下炬引導:僧侶による下炬引導の儀式が行われる

⑧弔辞:弔辞や弔電を読み上げる

⑨開経偈:読経するにあたって、故人様が仏様の教えを会得できることを願う

⑩読経と焼香:僧侶が「四誓偈」または「仏身観文」を読経している間に、参列者が焼香をあげる

⑪摂益文:偈文が読み上げられる(念仏を唱えることで、阿弥陀仏からの利益を得られると考えられている)

⑫念仏一会:僧侶と参列者が、棺に向いていた体を本尊へと向ける複座を行い、それぞれ仏様への感謝を込めながら「南無阿弥陀仏」を唱える

⑬回向:念仏の功徳を故人様に捧げる

⑭総回向偈:念仏の功徳を受けた故人様が、極楽浄土へ往生できるように願う

⑮総願偈:偈文が読み上げられる(極楽浄土の願いが広まり、仏様によって人々が救われることを意味している)

⑯三身礼:3つの功徳(阿弥陀仏が人々を救済するために悟りを開いたこと・人々を救済しようという御心・極楽浄土に導くこと)をたたえて帰依を表明する

⑰送仏偈:偈文が読み上げられる(迎え入れた仏様を本来いるべき場所へと送る意味がある)

⑱退堂:僧侶が葬場から退場する

⑲故人様との対面:ご遺族や親族などの参列者が故人様と対面する

⑳出棺:釘打ちした棺を霊柩車まで運び、火葬場へ向かう

浄土宗のお葬式では、故人様を北枕に寝かせます。顔に白い布を被せ、胸元に守り刀を置くのが基本です。このとき、ロウソクや線香の火は消えることがないよう注意する必要があります。

浄土宗のお葬式でのマナー

お葬式におけるマナーは、浄土宗と他の宗派で特に大きな違いはありません。下記のマナーを守り、お葬式に参列しましょう。

<お葬式のマナー>

・喪服

・数珠

・香典

・お焼香

次項では、お葬式のマナーについてそれぞれ解説します。

浄土宗のお葬式での「喪服」のマナー

浄土宗のお葬式における喪服のマナーは男女で異なります。

<男性>

喪主は、モーニングと呼ばれる正喪服を着用します。黒のベストとモーニングコートに、ズボンは黒地にグレーのストライプのものを着用しましょう。また、ワイシャツは白に黒無地のネクタイが適切です。

ご遺族と参列者は、ブラックスーツを準喪服として着用し、靴や靴下は黒で統一します。ただし、喪主から略喪服の指定があった場合、略喪服を着用するのが一般的です。ダークカラーのスーツに白無地のワイシャツを合わせるほか、靴下や靴、ネクタイは黒で統一しましょう。

<女性>

ご遺族は本式の喪服を着用します。黒のスーツやワンピース、アンサンブルを着用しましょう。ストッキングは黒色を着用し、そして靴やバッグも黒色でそろえます。

参列者であれば、ダークカラーのワンピースやスーツであれば問題ありません。また、略式喪服としてパンツスーツも認められています。肌の露出を控え、派手にならないように配慮した服装を心がけましょう。

<子ども>

制服を喪服として着用します。制服がない場合は、黒やグレーなど暗めで落ち着いた色合いの洋服を着用しましょう。そして、右腕に腕章を巻くか、胸元に喪章か黒のリボンを身につけます。

浄土宗のお葬式での「数珠」のマナー

浄土宗のお葬式では、「日課数珠」と呼ばれる輪がつながっている数珠を使用します。ただし、男女で数珠の種類は異なるので注意しましょう。男性は3万回、女性は6万回の念仏を唱えると極楽浄土に行けるとの浄土宗の教えから、男性は「三万浄土」、女性は「六万浄土」を使用します。

数珠の持ち方にもマナーがあり、浄土宗における数珠のマナーは下記のとおりです。

<数珠の持ち方のマナー>

合掌時は、数珠の輪をそろえて親指と人差し指の間に挟みますが、このとき数珠の音を鳴らさないよう注意しましょう。また、合掌をしないときは左手首に数珠をかけておきます。

浄土宗のお葬式での「香典」のマナー

不祝儀袋の記入には薄墨を使用し、表書きには「御霊前」や「御香典」と書きます。中袋には名前と住所、香典の金額を記入しましょう。

また、香典は受付の方に渡すのが一般的です。もし受付の方がいなければ、喪主にお悔やみの言葉を述べながら渡しましょう。

なお、浄土宗のお葬式における香典の相場は下記のとおりです。

<香典の相場>

・親:50,000~100,000円

・祖父母:10,000~30,000円

・兄弟姉妹:30,000~50,000円

・親族:5,000~10,000円

・友人や知人:3,000~5,000円

・仕事関係:5,000~10,000円

浄土宗のお葬式での「お焼香」のマナー

浄土宗のお葬式におけるお焼香の手順をまとめました。以下の手順を確認し、滞りなくあげてみてください。

<お焼香の手順>

①祭壇まで進み、僧侶やご遺族、参列者に一礼する

②香炉の前に進み、合掌して一礼する

③お香を右手の親指と人差し指、中指の3本で軽くつまむ

④お香を額まで持ち上げ、香炉の灰の上にくべる

⑤合掌して一礼する

⑥僧侶やご遺族、参列者に一礼して席に戻る

お焼香の回数に明確な決まりはありませんが、3回が一般的とされています。寺院や地域によって回数に違いがあるため、一度確認しておくと安心です。

まとめ

今回は浄土宗の特徴やお葬式の流れ、マナーについて解説しました。お葬式の流れやマナーを把握しておくことで、故人様やご遺族に失礼なくお葬式に参列できます。ただし、寺院や地域によってお葬式の流れやマナーが異なる場合もあるため、参列時に確認して配慮ある行動を心がけてみてください。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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