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2023-10-06

ご葬儀における棺掛けとは|意味や読み方、宗教ごとの違いについて解説

ご葬儀を執り行う際は、故人様のご遺体を納める棺(ひつぎ)が欠かせません。棺の上には布が掛けられており、この布は「棺掛け(かんかけ)」と呼ばれています。棺掛けについて、なんのために使用されているのか、どのような役割があるのかなど、疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。

当記事では、ご葬儀で棺掛けを使う意味や理由に加え、宗教ごとの違い、いざという時に役立つ棺に関する基礎知識などを詳しく解説していきます。

棺掛けとは

一般的なご葬儀の際、棺の上から覆うように掛けられている布を「棺掛け」と呼びます。近年の棺掛けは、素材や柄で故人様の人となりを表したり、ご家族が安心感を得たりする装飾品としての意味合いが強いです。シンプルなものから華やかなものまで、様々なデザインが装飾布として出回っています。

例えば、光沢のあるシルク製のもの、色とりどりの刺繡が入った煌びやかなもの、美しい花柄のものなどです。もちろん、シンプルな無地もあります。絹や麻、綿など材質にこだわることもできますので、故人様の人柄や趣向に応じても選ぶことが可能です。

ただし、棺掛けの選び方については、地域や宗教、ご葬儀を執り行う会場によっても異なります。選定に迷いがある場合は、菩提寺や会場スタッフの方へ相談してみるのが良いでしょう。

また、棺の中に布帛(ふはく)と呼ばれる布が棺の表面に貼りつけられている「布棺(ぬのかん)」または「布張棺(ぬのばりかん)」と呼ばれるものが存在します。布棺には、あらかじめ美しい装飾が施されているため、棺掛けを使いません。

棺掛けの意味合い

棺掛けには、邪を祓ってご遺体を守護する目的があると伝えられていますが、細やかな考え方や方針は宗教によってそれぞれ異なります。例えば、仏教において死は「お釈迦様の弟子になるために出家して仏門へ入る」といった意味になるので、棺掛けには布ではなく袈裟(けさ)が用いられます。

袈裟とは僧侶(そうりょ)が使用する衣で、法衣(ほうえ)という長方形の壮美な布です。故人様の眠る棺に僧侶が着る袈裟を掛ける行為には「故人様が正式にお釈迦様へ弟子入りを果たす準備を整えてあげる」との意味が込められているのです。

宗教ごとの棺掛けの違い

棺掛けには、先に述べた役割の他にも、故人様に安らかに眠ってもらえるようにとの希望が込められています。それはどの宗教であっても共通している想いですが、各宗教の考え方や慣習によって、使用する柄や生地に違いがあることも覚えておきましょう。

仏式の棺掛け

仏式では、故人様が「七条袈裟(しちじょうけさ)」を身に着けることで邪が祓われ、ご遺体が守護されると信じられています。袈裟で守られた故人様は、やがてあの世に旅立った後で仏門へと入るのです。

一般的な仏式のご葬儀では、この七条袈裟で棺を覆うのが伝統的とされていますが、昨今では七条袈裟の代わりに装飾布が用いられたり、布棺が用いられたりする場合もあります。

神式の棺掛け

神式のご葬儀でも、棺掛けが用いられます。ただし神式では、棺掛けで死の穢れを浄化し、災いを意味する「禍」からご遺体を守るといった意味が込められています。したがって棺掛けには、ご遺体の浄化に必要な白い布が用いられるのです。

このように神式では、白い布でご遺体を覆い清め、様々な災いから守るといった考えが、棺掛けを使用する上での最も強い意味合いになります。

キリスト教式の棺掛け

キリスト教では、納棺した後のご遺体に白い布を被せ、その周りを白い生花で覆いつくしてから上蓋を被せます。そして棺の上から黒い布で覆って安置するのが一般的ですが、この黒い布がキリスト教式の棺掛けです。棺掛けの中には、十字架の模様が施されているものもあります。

また、棺掛けが使用されることなく、黒いビロード生地が使われた布棺が用いられることも多いです。

棺掛けに用いられる七条袈裟とは

七条袈裟とは、僧侶が着る法衣の中の一つであり、寺院で執り行われる法要や礼仏、講義の際に身に付けられているものです。七幅(ななの)を寄せて縫い合わせられているので、七条衣(しちじょうえ)とも呼ばれています。

現代での棺掛け

棺掛けが使われる本来の目的は、邪を払い清め、ご遺体を災いから守るという願いを込めたものです。しかしながら、現代における棺掛けは、装飾の意味が最も有力なものとなっています。

シンプルな棺に美しい棺掛けの装飾を施すことで、参列者の方々が故人様へ感謝の意を表すとともに、華やかに送り出してあげたいとの想いが込められています。

ご葬儀での棺桶に関する知識

ご葬儀で使用される棺桶(棺)は、故人様のご遺体を納めるために欠かせないものです。日本で執り行われるご葬儀では、縄文時代よりご遺体を箱に入れる方法が採用されています。

しかし実際のところ、「棺」という語句が用いられるようになったのは、鎌倉時代からです。土葬が中心だった鎌倉時代では、ご遺体を座らせる座棺(ざかん)という方法が用いられ、丸い桶型の棺が使われていました。

やがて時代は現代に移り変わり、火葬が広く普及すると、棺は桶型からご遺体を寝かせて安置する寝棺型へと変化を遂げます。現代で使用される棺の素材は、木造りの木棺(もっかん)が主流です。

ただ、一言に木棺と言っても素材は様々です。主に桐やモミ、檜、杉が用いられますが、漆塗りが施されているものもあります。

ここからは、棺桶の選定の際に役立てるよう、おおよその相場をご紹介いたします。また、棺桶に納めるための副葬品についても解説していますので、ぜひ併せてご参照ください。

棺桶の費用相場

棺桶はご葬儀の費用に含まれている場合が多く、木製の合板で仕立てられたものが主流です。また、ご家族で用意する場合やカタログで決める場合、金額は以下が大体の相場になります。

・木棺

約50,000~1,000,000円

シンプルな合板では、50,000~1,000,000円で、この価格帯が一般的な相場です。桐・モミ・檜・杉など高級な品質や漆塗り、家具調棺を選ぶと金額が上がります。

・布張棺

約20,000~500,000円

模様や生地の値段、装飾によって金額が異なります。

・エコ棺

約50,000~200,000円

素材は段ボールですが強度があり、CO2の排出量が少なく環境へ配慮されています。最大の利点は、火葬後に故人様のご遺骨が綺麗に残ることです。見た目に段ボールだとは分かりません。

・エンバー棺

約100,000~400,000円

消毒や修復などの保存処理(エンバーミング)がなされた故人様を納める棺で、内部にアクリル製の蓋が付いています。

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棺桶の購入方法

棺桶は、葬儀社のカタログから決めるのが一般的です。種類が限定されていることが多いですが、最も早く届けられます。気に入ったものをネット販売などで探す方法もありますが、ご葬儀に間に合わない場合がありますので注意が必要です。

棺桶に納められる副葬品

故人様を送り出す際に、副葬品を納めたい場合もあるのではないでしょうか。しかしながら、棺桶には納めるべきもの他に、納めてはいけない品が存在します。

大切な故人様のためにも、ルールはしっかりと守りましょう。ぜひ納めたいものとして挙げられるのが、以下の品物です。

・故人様のお写真

・故人様が生前好きだったおやつ・ぬいぐるみ・タバコ・薄い書籍など

・少量の折り鶴

・故人様と親しかった方のお手紙や寄せ書き

・生花

・御朱印帳

一方の納めるべきではないものとしては、以下の品物が挙げられます。納めるべきでない理由としては、火葬炉のトラブルを引き起こす恐れがあったり、法律上の観点から禁止されていたりするためです。

・フルーツなど水分を多く含むもの

・ビニール・カーボン・分厚い本・ガラス・皮革など燃えにくいもの

・指輪・腕時計・指輪・メガネ・入れ歯など金属を含むもの

・ガラス瓶や缶に入った飲料

・現金

・電池、スプレー缶

・ペースメーカーなどの医療器具

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まとめ

近年の棺掛けは、本来の意味合いから装飾の役割へと変化してきており、生前の故人様を表現しつつ、ご家族の好みも考慮しながら選べるようになっています。

棺掛けの他、故人様が寂しくならないよう一緒に納める副葬品は、品物によって火葬のトラブルになりかねません。スムーズに故人様を送り出せるよう、基本的なルールを押さえておきましょう。この記事が、いざという時のご参考になれば幸いです。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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