公開日2025/05/30|最終更新日2025/05/30
年忌法要は、亡くなった後の節目となる年の「祥月命日」に行う追善供養のことで、その一つとされる三回忌法要は一周忌の翌年に執り行います。近年では簡略化される傾向にあり、三回忌においては服装の面でも平服・カジュアルな服装を指定されることも少なくありません。
そこで当記事では、三回忌法要における正しい服装の選び方について解説いたします。
三回忌法要では、喪主やご遺族、参列者問わず、略喪服で参列するケースが一般的です。故人様の死から2年が経った三回忌では、施主の方もご葬儀時の正喪服や準喪服よりカジュアルな略喪服で参列することが多くなります。もし三回忌法要に参列する機会があれば、喪服に寄せた平服である略喪服を着用されるのが無難です。
略喪服とはブラックフォーマルよりもカジュアルな黒っぽい服装のことで、ダークカラーのスーツやツーピース、ワンピースなどがこれに当たります。デニムやTシャツ、ローゲージのニット素材、肌の露出が多い服など、過剰なカジュアル感のある服装は避けましょう。
男性の略喪服は、以下のようなものです。
・スーツ
色は黒、もしくはダークグレーや黒に近い濃紺の無地にしましょう。光沢感のない素材を選びます。
・ネクタイ
ネクタイも、基本光沢なしの生地を用いた黒を選びます。結び方はプレーンノットかウィンザーノットにしましょう。また、ネクタイピンは使用しません。
・Yシャツ
Yシャツは白無地が基本です。ステッチや織り柄が入っている装飾的なデザイン入りは避けます。襟はレギュラーカラー、もしくはワイドカラーが無難です。
・靴下
靴下は黒が良いですが、ダークなネイビーやグレーであれば問題ありません。足の指が分かれていないもの、織りの細かいハイゲージの生地を選びます。
・ベルト
黒色の革や合成皮革、綿のものを選びましょう。エナメルやナイロン製のものは、光沢が目立つため避けます。
・靴
無地の黒い革靴がおすすめです。金属など装飾品が入っているものは避けます。
女性の略喪服は、以下のようなものです。
・スーツ、アンサンブル、ワンピース
色は黒やダークグレー、濃紺の無地で光沢感のない素材にします。スカートの丈は、短すぎず長すぎずのものを選びます。目安は、座った時に膝が出ない程度の長さが良いでしょう。
・ストッキング
仏事の服装に裸足や靴下はNGですが、黒いストッキングは必要不可欠です。真冬であっても30デニール以下の薄手を着用しましょう。
・アクセサリー
結婚指輪以外はつけないのが基本ですが、一連のパールネックレスやシンプルな時計であれば問題ありません。
・バッグ
無地の黒い布製、かつ型押しのハンドバッグがおすすめです。持っていない場合は革製のものでも構いませんが、法事用の黒い布バッグがあると便利です。
・靴
黒いシンプルなパンプスにします。無地の布製が適切ですが、光沢のない皮革の黒でも構いません。ヒールは太めのもので、3~5cm程度の高さが無難です。
子どもの略喪服は、以下のようなものです。
・制服
学校指定の制服をお持ちの場合は、そのまま着用して構いません。
・乳幼児
できる限り無彩色またはそれに近い色を選び、柄物やキャラクターのついたデザインは極力避け、シンプルな服装にしましょう。
・男の子
白いシャツ、もしくはポロシャツに黒いズボン、黒い靴下を着用します。靴は黒か紺、グレーのダークカラーでシンプルなデザインのスニーカーかローファーを履きましょう。
・女の子
白いブラウス、シャツ、ポロシャツに黒かダークカラーのシンプルなスカート、もしくはダークカラーのワンピースが良いでしょう。靴下やタイツは、無地の黒か濃いグレーが適切です。靴は黒か紺、グレーのダークカラーでシンプルなデザインのスニーカーかローファーを履きます。
近年では、三回忌以降は身内のみで簡易的に済ますご家庭も多いです。ここからは、三回忌を小規模にまとめた場合の服装について解説していきます。
「カジュアルな服装で来てください」という案内があった場合、平服を着用するのが無難です。平服とは、略喪服のことです。
法事では、僧侶への敬意、故人様に対するご供養の気持ちを忘れてはいけません。そのため、普段着で参列するのは避けましょう。服装はご家族で話し合い、雰囲気を合わせて統一感が出るようにすると、周囲への敬意を示しやすくなります。
ここからは、三回忌法要における服装や身だしなみのマナーをご紹介いたします。
僧侶が読経を行う儀式の最中は、大切なご供養の時間となるため、ジャケットを着用するのがマナーです。なお、沖縄ではジャケットの代わりに、弔事用シャツを着用すれば問題ないとされているケースもあるようです。
法要において、男性はネクタイを着用するのが基本的なマナーです。ただし猛暑の場合、地域によっては外すことが許される場合もありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。
法事では華美な化粧は避け、片化粧にするのがマナーです。ラメやパールなどのツヤ感のあるメイク、色味の強いメイクは避け、薄いファンデーションやヌードカラーのリップなど、最低限のメイクを施します。
髪色は、黒や深めの茶髪にするのが良いでしょう。髪を結ぶ場合はシンプルにまとめ、派手な印象にならないよう気をつけます。
法事は回を追うごとに簡略化される傾向にあり、三回忌においても略喪服でも参列されるケースが多く見られます。しかしながら、菩提寺や宗派、ご家庭の事情によって、それぞれ法要に対する考え方が異なります。服装に迷った場合は、周りの方々と相談してから、最終的な判断をするようにしましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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