公開日2025/06/05|最終更新日2025/06/05
七回忌とは、故人様が亡くなった命日から6年目に行われる法要です。七回忌の案内状が届いた場合、香典の有無や相場について悩むことがあるかもしれません。そこで当記事では、七回忌の意味や香典費用の相場、香典袋の書き方、渡し方などを解説いたします。
七回忌は、故人様が亡くなった後に行われる追善供養の一つです。追善供養には、忌日法要や中陰供養、年忌法要、百か日法要などのほか、お墓参りや仏壇参りも含まれます。
七回忌はこの中の年忌法要にあたり、故人様の祥月命日を目安に、一定の年数で行われていく法要の一つです。故人様が亡くなってから1年後に一周忌が行われ、2年後には三回忌が行われます。そして、6年後に行われるのが七回忌です。
年忌法要は、年が進むごとに簡略化される傾向にあり、七回忌はご親族のみで行うケースが増えてきています。地域によっては、三回忌で年忌法要を弔い上げにするご家庭も増えたため、七回忌に参列する機会は少ないかもしれません。
七回忌法要も、ほかの年忌法要と同様、参列者は香典を持参するのが一般的です。香典とは、ご遺族の方に向けて参列者の弔意を示すものであり、ご遺族の負担を少しでも軽減する役割があります。
七回忌法要のお知らせを受けたにもかかわらず、さまざまな事情で伺えなかった場合は、後日香典を現金書留でお送りするなどの配慮をしましょう。香典を郵送する際は一筆箋(いっぴつせん)を使用し、ご遺族を気遣う言葉や、法要に参列できないお詫びを添えると良いでしょう。ただし、案内状に「香典不要」の文字が記されている場合、この限りではありません。
ここからは、七回忌法要における金額相場をお伝えしていきます。表の内容は故人様と参列者の関係や年齢別で表示してありますが、あくまで一般的な目安です。地域や宗派によって変わることもありますので、ご不安な場合は周囲の方と相談してみても良いでしょう。
故人様と参列者との関係性 | 参列者が20代 | 参列者が30代 | 参列者が40代以上 |
---|---|---|---|
実の親、または配偶者の親 | 50,000~100,000円 | 50,000~100,000円 | 100,000円以上 |
二等親以内のご親族 | 10,000円程度 | 10,000~30,000円 | 30,000~50,000円 |
三等親以内のご親族 | 3,000円程度 | 3,000~10,000円 | 10,000~30,000円 |
友人 | 5,000円程度 | 5,000~10,000円 | 10,000円程度 |
ご近所、恩師など | 3,000円程度 | 3,000~5,000円 | 5,000~10,000円 |
会社関係(同僚、家族) | 3,000~5,000円 | 5,000~10,000円 | 5,000~10,000円 |
会社関係(上司) | 5,000円程度 | 5,000~10,000円 | 5,000~10,000円 |
一世帯での参列で人数が増えたとしても、香典を増額する必要はありません。また、会食の席が設けられていたとしても、食事代をお渡しする必要もありません。七回忌の会食費は、施主側で感謝の意を込め負担するのが一般的です。
七回忌で香典を渡す際必要不可欠なのは、香典袋です。お金をそのまま渡すのはマナー違反となりますので、香典袋は七回忌に適したものを用意しましょう。香典袋は100円ショップやショッピングセンターの文房具店、インターネットで入手できます。ここからは、香典袋の書き方をご紹介していきます。
七回忌で使用する香典袋の表書きは、一般的に「御仏(佛)前」または「御香典」とします。近年では販売されている袋へ既に印刷されているものが多いので、そちらを使用しても失礼にはあたりません。
仏教では、四十九日を過ぎれば御霊の状態から仏様になるという概念がありますので、四十九日以降では「御仏前」や「ご佛前」、「御香典」を使用します。
宗教によっては、七回忌の表書きや香典袋の表書きを変える必要があります。
仏教…全ての宗派において、以下の書き方が無難です。ご不安な場合は周りの方とご相談なさっても良いでしょう。「御仏前」「御佛前」「御香典」
キリスト教…七回忌の概念はありませんが、故人様を偲ぶ「追憶ミサ」が開催されることがあります。香典袋は、無地、もしくは十字架もしくは百合の花が描かれたものを選ぶと良いでしょう。お勧めの表書きは、カトリックでもプロテスタントでも使用できる「御花料」です。
カトリック…「御花料」「御ミサ料」
プロテスタント…「御花料」「忌慰料」
神式…神式での七回忌は「式年祭」という形で行われます。香典袋は無地に結び切りかあわじ結びの水引がついた不祝儀袋を用いましょう。仏教を示す蓮の花、キリスト教を示す十字架もしくは百合の花が印刷されたものは避け、外袋には「御玉串料」とだけ書かれたものを選びます。
いずれの宗教も、文字が未記載の袋を使用される際に使うペンは、濃墨の毛筆、もしくは濃墨の筆ペンです。薄墨は「急な訃報で悲しみながら急いで駆けつけた」との意味を持ちますが、七回忌は前もって知らされています。故人様の魂の安寧を祈るとの弔意を込め、丁寧な準備を表す濃墨を使用しましょう。
七回忌の場合、水引の下にはご自身のフルネームを縦書きで記載します。ここでも濃墨の毛筆、もしくは濃墨の筆ペンを使用します。
夫婦連名で香典を渡す場合、夫のフルネームの横に妻の名前のみを記載しましょう。3名までは連名で記載できます。ただし、夫の名前の記載のみとされている地域もあるため、名前を記載される前に、菩提寺や周囲の方へ確認しても良いでしょう。
香典袋の中袋、表面には包んだ金額を旧字体かつ縦書きで記載します。金額の前には「金」を、そして最後は「也」と記載します。なお、中袋には金額や住所など見やすくするために黒いボールペンを使用しましょう。旧字体の書き方は、以下の見本をご参照ください。
金額 | 記載文字(旧字体) | 金額 | 記載文字(旧字体) |
---|---|---|---|
3,000円 | 金参仟圓也 | 30,000円 | 金参万圓也 |
5,000円 | 金伍仟圓也 | 50,000円 | 金伍万圓也 |
10,000円 | 金壱萬圓也 | 100,000円 | 金壱什萬圓也 |
中袋の裏側には、郵便番号、住所、氏名を記載します。基本は縦書きですが、袋に記入欄が印刷されている場合があります。その場合は、記入欄に添って記載しましょう。
ここからは、七回忌における香典の包み方を解説いたします。
香典で使用するお札は、折り目がついたきれいな古札を使用します。新札しかなければ、一つ折り目をつければ問題ありません。
お札の向きは全て同じ方向にそろえ、肖像画が裏側かつ下の向きになるよう封筒へ入れます。これは、故人様へお悔やみの気持ちを示したマナーです。
日本の冠婚葬祭では、祝儀や香典を袱紗(ふくさ)に包んで持っていく慣習があります。冠婚葬祭両用の、濃い紫無地のものを持っておくと便利です。
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続きを読む七回忌法要でも受付があれば、担当の方へお渡しします。自宅や墓前などでお経を上げるなどの簡易的な法事なら受付はありませんので、施主に直接お渡ししましょう。
香典を渡す相手の前に立ったら、袱紗から左手で香典を出し、閉じた袱紗の上に香典を乗せて相差し出します。その際「御仏前にお供えください」や「お招きいただきありがとうございます」など、お悔やみの言葉や感謝の言葉を添えましょう。
七回忌法要の香典は、お一人でもご夫婦での参列でも、金額を変える必要はありません。ただし、参列者側の年齢が高くなるほど、香典の金額も多めに包む傾向があります。
香典の金額は少なすぎても失礼ですが、多すぎてもご遺族に負担をかけてしまいます。また、包み方や袋の選び方によっても、失礼になることもありますので注意が必要です。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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