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社葬の参列マナー|服装や受付での振る舞いも分かりやすく解説

公開日2025/09/12|最終更新日2025/09/12

「社葬(しゃそう)」とは、会社の創業者や会長、社長、一般社員で会社に多大な功績を遺した方などがお亡くなりになった際に、会社側が主催して執り行うご葬儀です。社葬には、多くの取引先の方々も参列することがあるため、出席する場合は周囲への配慮を意識することが大切です。

そこで今回は、社葬に参列する際のマナーやふるまい、服装についてご案内いたします。

そもそも社葬とは

社葬とは、企業が施主となって執り行うご葬儀のことです。会社の創業者や会長、社長、または特別な功績を残した社員が亡くなられた際に、会社が費用を負担して執り行われます。

その性質上、社葬は単に故人様を偲び、別れを惜しむ場にとどまりません。故人様の功績を社内外に伝えるとともに、後継者への事業承継を示し、さらに取引先や関係者へ日頃の感謝を伝える重要な場としての意味を持っています。

訃報を受けた際のマナー

訃報は、さまざまな方法で伝えられます。主な通知手段としては、以下のようなものが挙げられます。

・社葬の案内状

・電話

・デジタル新聞

・新聞の訃報記事

・企業の社葬広告

・メール

・FAX

日頃から取引のある企業であれば、社葬に関する正式な案内状が届くのが一般的です。ただし、それ以前にデジタル新聞や各種メディアで報じられる場合もあります。

お取引先から正式な案内状が届く場合が多いですが、それ以前に報道等で知ることも少なくありません。いずれの方法であっても、訃報を受け取った際にはまず以下の基本情報を確認しましょう。

・どの会社の訃報か(会社名)

・逝去された方の氏名と役職

・逝去の日時

以上の事実が確定したら、次に確認するのは以下の事柄です。なお、お取引先の社葬でしたら、会社宛に送られてくる案内状に詳細が載っているはずですが、念のため記載します。

・社葬を取り仕切る葬儀委員長の氏名

・ご葬儀を担当する葬儀社

・社葬の日程、時間、場所

・香典・御供・供花の扱いについて

なお、葬儀委員長は社葬全体を統括する責任者であり、代表取締役やその後継者、会長、役員など組織の上位者が務めるのが通例です。ここからは、社葬の案内を受け取った際に企業として取るべき対応についてご案内します。

訃報の返事としてお悔やみの連絡をする

企業から社葬の案内状を受け取った場合は、個人のご葬儀と同様に、担当社員が速やかに相手企業へお悔やみの連絡を入れ、弔意を伝えることが大切です。ビジネス上のお付き合いであることを踏まえ、言葉遣いは丁寧かつ簡潔に心掛けましょう。

【お悔やみ電話の例文】

お世話になっております。○○会社○○部○○課の○○でございます。

この度は○○○○様(故人様のお名前・役職)のご逝去に際し、心よりお悔やみ申し上げます。

社葬には、弊社からも参列させていただきたく、ご連絡差し上げました。

社葬の詳細が不明な場合は、次のように伺うと良いでしょう。

つきましては、ご葬儀の日程や場所、喪主様のお名前など、詳細をお教えいただけますでしょうか。

特に不明点がなければ、次のように締めます。

また、何かお手伝いできることがございましたら、どうぞご遠慮なくお申し付けください。

相手先も多忙な状況にあるため、長電話にならないよう配慮し、お悔やみと必要事項を簡潔に伝えることがポイントです。

参列者を決める

次に、会社を代表して社葬に参列する方を社内から選任します。原則として、故人様と同等以上の役職者を充てるのが一般的です。故人様より下位の役職者が代表として伺うと、失礼と受け取られるおそれがあるためです。

香典を用意する

社葬における香典は、案内状や会場で「香典辞退」の案内がない場合に用意します。ただし、実際には会社が香典を直接受け取るケースは多くありません。

その理由は、会社が香典を受領すると課税対象となり事務処理が複雑になるうえ、本来ご遺族が対応する香典返しを会社が行うことで、贈与税の負担まで発生してしまうためです。受け取り方は社葬を主催する側の方針によって異なるものの、基本的には香典はご遺族にお渡しするものと考えておくのが一般的です。

また、社葬における香典の相場は以下の通りです。

・一般社員…5,000~10,000円(年齢、勤続年数による)

・幹部役員以上…30,000~50,000円

なお、企業間の繋がりによっては50,000~100,000円、役職によって200,000円に達する場合もあります。地域や会社によって金額の考え方は異なるため、独断で決めず、周囲と相談のうえで判断することが望ましいでしょう。

香典は不祝儀袋に包みます。水引は「のし」のない結び切りを選び、包む金額に応じて袋の格を使い分けます。

【不祝儀袋の選び方】

・水引が印刷されている…3,000~5,000円

・黒白あるいは双銀の水引が7~10本…10,000~30,000円

・高級和紙造りの袋に水引が10本以上…40,000円以上

表書きは水引の上に記します。筆記具は薄墨の筆ペンまたは毛筆を用い、宗教ごとに表記を使い分けます。

仏式…「御香奠」、「御香典」

神式…「御榊料」「御神前」「御玉串料」

キリスト教…「御花料」「献花料」「御霊前」

水引の下には会社の代表者名を記載します。中に入れる紙幣は「新札ではなく折り目のあるきれいな紙幣」を用い、肖像が下向きになるように入れるのが基本です。

中袋の中央には縦書きで金額を旧漢字で記載します。

(例:50,000円の場合 → 「金伍萬圓也」)

さらに、裏面には会社の住所・会社名・代表者名を縦書きで記します。これは、ご遺族が香典返しの準備に困らないよう正確に書くことが大切です。包み終えた香典は、弔事用の寒色系の袱紗(ふくさ)に納めて持参します。

参列が難しい場合は供花・弔電を送る

社葬は突然の知らせとして訪れることも多く、必ずしも会社のトップに近い人材が参列できるとは限りません。そのような場合は、まず事前に弔電を送り、代理の社員が参列する形をとるのが一般的です。

参列は通夜か告別式のどちらか一方でも差し支えありませんが、可能であれば両日に出席することでより深い弔意を示せます。さらに、後日あらためてお悔やみの手紙を届けることも、丁寧な対応として望ましいでしょう。

社葬に参列する際の「受付」のマナー

ここからは受付の流れをマナーに沿って解説いたしましょう。

➀まず受付で記帳をする

基本的な手順は一般的なご葬儀と変わりませんが、社葬では会社関係者用と一般参列者用に受付が分かれている場合があります。誤って違う受付に並ばないよう注意しましょう。受付に着いたら、芳名帳や記帳カードに会社名・部署名・役職・氏名を記入します。代理で参列する場合は、「代理」と記載します。

➁名刺をお渡しする

社葬で記帳する際には、受付で名刺を提出します。ただし通常の名刺をそのまま渡すのではなく、右上に黒いペンで「弔」と記すか、左下の角を折り曲げて弔意を示すのが慣例です。

代理で参列している場合は、本来出席するはずだった方の名刺に「弔」、代理人自身の名刺に「代」と書き添え、2枚を重ねて両手で丁寧に差し出します。

③香典を渡す

香典の辞退がない場合は、袱紗から香典を取り出し、受付の方に字が見えるよう向けてから、袱紗の上に香典を乗せます。「この度はご愁傷様です」と一言添えてお渡しします。

社葬に参列する際の「焼香」のマナー

ご焼香の方法は一般的な個人葬と変わりありません。僧侶や会場スタッフの合図と共に、席の順番でご焼香を行います。宗教による違いはありますが、ここでは一般的な仏式の手順をご紹介いたします。

【焼香の手順(仏式)】

➀数珠を左手に持ち、焼香台へ進む

➁ご遺族・僧侶に一礼してから焼香台の前で再度一礼

③抹香を右手でつまみ、額にいただいてから香炉にくべる

 ※宗派によっては額にいただかず、そのまま香炉へ入れる場合もあります

④合掌し、一礼して席に戻る

社葬に参列する際の「服装」のマナー

社葬での服装は、一般的な個人葬と大きな違いはありません。ただし、会社の代表者として参列する自覚を持ち、マナー違反には一層の注意が必要です。

基本は、男女とも黒のフォーマルウェアを着用し、髪は顔にかからないよう清潔感を保ちます。事前にモーニング(正喪服)や略礼服、平服などの指定がある場合は、その案内に従いましょう。

近年では「平服」と案内されることも増えており、これは普段着ではなく、「略喪服」を意味します。黒や紺などのダークカラーを基調としたスーツやワンピースが一般的です。

なお、光沢のある生地や小物、エナメルの靴、露出の多い服、毛皮などは不適切な装いとされています。弔意がきちんと伝わる落ち着いた装いを心掛けましょう。ここからは男女別の服装について詳しく解説します。

男性の服装

基本的には、黒いスーツ、黒いネクタイ、白いYシャツ、黒無地の靴下、ストレートチップの黒い革靴を着用します。いずれも無地で光沢のないものを選びます。腕時計はしても構いませんが、光沢のないシンプルなデザインに留めましょう。

女性の服装

女性も基本はブラックフォーマルです。黒のワンピース、アンサンブル、パンツスーツでも構いません。なお、スカート裾は、着席しても膝が隠れる位の長さに整え、30デニール以下の薄い黒のストッキングを着用します。

アクセサリーは基本的になくても問題ありませんが、結婚指輪や真珠の一連ネックレス(直径8mm以内・長さ40~45cm程度)であれば差し支えありません。小物は無地で光沢のない黒を選びましょう。靴は黒の無地パンプスが基本で、ヒールの高さは3~5cm程度が望ましいとされています。

またお化粧は色味を抑えた控えめなものに整えます。

社葬に参列する際に慎むべき行動

ここからは、社葬で慎むべきマナーをご紹介いたします。

名刺交換は避ける

社葬では受付で名刺を提出するのが一般的ですが、参列者同士で名刺を交換するのは不適切です。社葬は取引や人脈づくりの場ではなく、故人様に弔意を示す場であることを意識しましょう。

商談・打ち合わせはしない

社葬の場は、故人様を偲び、ご遺族や関係者に弔意を伝えるためのものです。商談、業務に関する打ち合わせなど、ビジネス上の話題を持ち込むのは不適切とされています。たとえ取引先の関係者と顔を合わせる機会であっても、仕事の話は避け、弔意を表すことに専念しましょう。

まとめ

社葬は故人様を偲ぶためだけではなく、企業経営上の「広報活動」としての意味を持つ場ともいえます。よって、参列者は社内の現役役員や一般社員だけではなく、深い関係のある取引先の役員や担当者など多くの方々が集まるため、服装やマナー、そしてふるまいには十分に気を配ることが大切です。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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