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離婚した相手の親の葬式には参列する?参列する際の香典・服装のマナーについて解説

公開日2025/09/26|最終更新日2025/09/26

離婚した元配偶者の親が亡くなったと知ったとき、ご葬儀に参列すべきかどうか迷う方は少なくありません。戸籍上はすでに他人となっており、「必ず参列しなければならない」という決まりはありませんが、それぞれのご家庭や人間関係によって事情はさまざまです。そのため、状況を踏まえたうえで、最終的にはご自身の判断が求められます。

本記事では、ご葬儀に参列するかどうかを決める際の考え方や、参列する場合の一般的なマナーや注意点について分かりやすく解説いたします。

離婚した相手の親(義両親)の葬式には参列する?

離婚した相手のご両親のご葬儀に「必ず参列しなければならない」という決まりはありません。

かつては親族だったとしても、離婚を経て関係が解消されている以上、参列するかどうかはご自身の気持ち次第です。周囲の目や形式よりも、今の自分が故人様に対して心から弔意を持てるかどうかが、最も大切な判断基準となります。

離婚時の状況やその後の関係性によっては、無理に参列することでかえって気まずい空気を生んでしまう場合もあります。特に、自身に離婚の責任があるとされる場合には、参列を控える選択が賢明なこともあるでしょう。

一方で、生前に温かく接していただいたことへの感謝や、ひと言お礼を伝えたいというお気持ちがある場合には、参列して弔意を表すことも、選択肢のひとつといえるでしょう。後悔の残らないよう、ご自身の心に正直な判断をされることが大切です。

参列すべきか迷うときの判断基準

ここからは、参列すべきかどうか迷った時の判断基準を示していきます。参列するか否かを決断する目安としてご参照いただければ幸いです。

訃報を直接受けたかどうか

参列すべきかどうかを考えるうえで、訃報を「誰から聞いたか」は重要な判断材料の一つです。

もしご遺族から直接、ご葬儀の連絡を受けた場合は「参列してほしい」「共に供養したい」という気持ちが込められていると受け取ることができます。そのようなケースでは、参列を前向きに検討するのが自然でしょう。

一方で、ご遺族から直接の連絡があっても、参列する側に精神的な負担や葛藤がある場合は、無理をせず辞退する選択も問題ありません。その際は、弔電を送るなどして、哀悼の意を別の形で示すのが礼儀です。

また、訃報をご遺族ではなく第三者から人づてに聞いた場合は、故人様やご遺族との関係性をよく考えたうえで判断しましょう。深いご縁や感謝の気持ちがある場合を除き、無理に参列する必要はないと考えるのが一般的です。

元配偶者との関係が良好かどうか

離婚に至る事情はさまざまで、中には不倫やDV、金銭問題など深刻なケースもあります。そうした場合、元配偶者との接触が禁じられていたり、連絡先を知らなかったりすることもあり、訃報自体が届かないこともあるでしょう。

仮に訃報を人づてに知ったとしても、参列することに抵抗があるなら無理をする必要はありません。ご遺族から直接連絡がない場合は、なおさら関わらない判断も自然です。「一度は親族だったから」といった周囲の声より、ご自身の気持ちを優先しましょう。

一方、離婚後も良好な関係を保ち、故人様に感謝や敬意を持っているなら、参列を選ぶのも一つの判断です。ただし、元配偶者や自分に新しいご家族がいる場合は、配慮を欠かさず慎重に考えることが大切です。

義理を重んじる気持ちは大切ですが、今もっとも大事にすべき人や環境を踏まえて判断しましょう。

子どもがいるか

もし、元配偶者との間にお子様がいて、自分が親権者である場合に「訃報と参列の案内」が届いたとしましょう。亡くなったのが元配偶者の親であれば、お子様にとっては血縁関係にある祖父母にあたります。そのため、まずはお子様自身の気持ちを確認したうえで、参列の可否を判断するのが基本です。

もし、まだ高校生にも満たない年齢であっても、「祖父母と最期のお別れがしたい」という意思があるなら、親として一緒に参列することを検討しましょう。お子さまが高校生以上で、一人で参列できるエリアでのご葬儀であれば、一人で参列させても問題ございません。

その際は、あらかじめ最低限のマナー(服装や作法)を伝え、数珠や香典を持たせたうえで、車やタクシーなどで安全に送迎すると安心です。また、お子様のみが参列する場合は、事前にご遺族へその旨をお伝えしておくと丁寧です。

離婚した相手の親(義両親)の葬式に参列する際のマナー

ここからは、元義両親のご葬儀へ参列する際の、さまざまなマナーについて解説いたします。

香典のマナー

ここでは、香典袋の選び方や表書きの書き方、一般的な金額の相場についてご紹介します。ただし、地域の慣習や宗教、そしてご自身の気持ちによって、適切な金額は変わってくることもある点にご留意ください。

【香典袋の選び方】

宗教 袋のデザイン
仏教 水引付き、蓮や菊の絵柄入りの香典袋
神式 白無地で、水引付きの香典袋
キリスト教 十字架や百合の絵柄入り
※または水引なしの白無地でも可
宗派不明 白無地で水引付きの香典袋

【金額の相場】

ご自身が一人で参列するか、お子様連れなのかなど、状況によって包む金額は異なります。

参列者 金額
元配偶者として一人で参列 5,000~10,000円
元配偶者の立場として
小さな子連れで参列
10,000~30,000円
元配偶者の立場として
成人した子どもと一緒に参列
一人5,000~10,000円
※相談のうえ、別々または連名で
成人の子のみで参列 一人5,000~10,000円

【名前の書き方】

■ 一人で参列する場合:香典袋の中央よりやや下にフルネームを記載します。

■ 小さな子どもと一緒に参列する場合:ご自身の名前を中央に書き、その左横に子どもの下の名前を添えます。付き添いとして参列する場合は、中央に子どもの名前、左横に「母○○(ご自身の名前)」などと記載することもあります。

■ 成人した子どもと一緒に参列する場合:

・別々に出す場合はそれぞれの香典袋に氏名を個別に記載。

・連名にする場合は、3名以内なら全員の氏名を横に並べて書きます。4名以上の場合は代表者(長男や長女)の氏名を中央に書き、その左横に「外一同」と添えます。

■ 成人した子どもだけで参列する場合:中央より下に本人の氏名を記載します。

【表書き】

表書きの書き方も、宗教や参列者によって異なります。基本は、全て縦書きです。薄墨の筆ペン、または筆で記載します。

宗教 表書き
仏教 御霊前(浄土真宗ならご仏前)
神式 御玉串料・御榊料
キリスト教 ・カトリック
御花料・お花料・御ミサ料
・プロテスタント
御花料・献花料・弔慰料
宗派不明 御香料・御香資・御霊前

【名前の書き方】

参列者 名前の書き方
一人で参列する場合 香典袋の中央よりやや下にフルネームを記載します。
小さな子どもと一緒に参列する場合 ご自身の名前を中央に書き、その左横に子どもの下の名前を添えます。
付き添いとして参列する場合は、中央に子どもの名前、左横に「母○○(ご自身の名前)」などと記載することもあります。
成人した子どもと一緒に参列する場合 ・別々に出す場合はそれぞれの香典袋に氏名を個別に記載。
・連名にする場合は、3名以内なら全員の氏名を横に並べて書きます。また、4名以上の場合は代表者の氏名を中央に書き、その左横に「外一同」と添えます。
成人した子どもだけで参列する場合 中央より下に本人の氏名を記載します。

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服装のマナー

離婚後の参列の場合、ご遺族としての立場ではなく、知人として一般の参列者と同じ立場となります。そのため、服装も正喪服ではなく、控えめな準喪服を着用するのが基本です。

男性は、光沢のない黒のスーツに、白いワイシャツ、黒のネクタイと靴下、黒の革靴を合わせるのが一般的です。女性は、黒のアンサンブルやスーツ、ワンピース、またはパンツスーツを選び、アクセサリーは控えましょう。

お子様には、落ち着いた印象のダークカラーの服装を選びます。黒・濃紺・ダークグレーなどが適しています。学校の制服がある場合は、制服を着用させるのが基本です。

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挨拶のマナー

ご葬儀の会場に到着したら、まず受付で挨拶をします。お一人で参列する場合は、「心よりお悔やみ申し上げます」と伝え、「ご霊前にお供えください」と言葉を添えて香典をお渡しします。お子様を連れている場合は、「○○の父(または母)です」と自己紹介すると丁寧です。

会場内では、あくまで一般の参列者として静かに振る舞いましょう。ご遺族への挨拶は「この度はご愁傷様でございます」と一言だけに留め、精進落とし(食事)の案内があっても、基本的には丁重に辞退するのが無難です。ただし、ご遺族やご親族が子どもに対して温かく接してくださる場合には、その厚意を受けても差し支えありません。

辞退する際は、ご遺族に敬意を示しつつ、簡潔で丁寧な言葉でお断りの意を伝えましょう。

【例】

「都合がつかず今回は辞退いたします。本日はありがとうございました。失礼させていただきます。」

万が一断り切れなかった場合は、少しだけ席につき、お料理に少しだけ手を付けてから長居せずにそっと席を立ちます。黙って去るのは失礼なので、喪主の方に「本日はありがとうございました。失礼させていただきます。」と一言伝えてから、会場を後にしましょう。

離婚した相手の親(義両親)の葬式に参列しない場合の対応

ここからは、ご遺族から訃報が届いた場合、角の立たない辞退方法について解説していきます。

丁寧な言葉でお悔やみを伝えお断りする

ご遺族から訃報を受け、ご葬儀に招かれたとしても、仕事の都合や距離的な問題、あるいは心情的な理由などにより参列が難しい場合もあります。そのような時は、無理をして出向く必要はありません。

ただし、お声がけくださったご遺族には感謝と敬意が伝わるよう、参列を辞退する旨を簡潔かつ丁寧にお伝えするのが礼儀です。

【例】

このたびは○○様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。

本来であれば通夜・告別式にてご焼香をさせていただくべきところ、やむを得ない事情により伺うことが叶わず、誠に申し訳ございません。


突然のことでご心痛もいかばかりかと拝察いたしますが、どうかお身体を大切にお過ごしください。

○○様のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。

弔電や供花を送る

参列を辞退する際は、お通夜または告別式の前に間に合うよう、弔電や供花を送るのが望ましい対応です。

なお、離婚相手との間にお子様がいる場合、故人様はお子様にとって血縁上の祖父母にあたります。そのため、弔意を示す際には、お子様の名前で送るのが自然な形といえるでしょう。

まとめ

離婚に至る事情は人それぞれです。そのため、たとえ訃報を知っても、ご自身が「参列したくない」と感じるのであれば、無理に出向く必要はありません。離婚とは、法的にも関係が解消され、「他人となる」ことを意味しますので、参列しない選択が非常識とされることはありません。

ただし、離婚相手との間にお子様がいる場合や、離婚後も元ご親族との交流が続いている場合で、お別れを伝えたいという気持ちがあるのであれば、参列を検討してもよいでしょう。また、ご遺族から直接訃報の連絡を受けた場合は、参列の可否について必ず返答することがマナーです。

なお、元配偶者に新たなご家族がいるなど、関係者に配慮が必要な状況では、参列を控えるか、弔電や香典のみで弔意を示すのが無難です。もし参列する場合は、控えめな態度で静かに振る舞うことを心がけましょう。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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