
公開日2021/10/01|最終更新日2021/10/01
ご葬儀におけるご遺族の代表者のことを指す言葉に、「喪主」と「施主」があります。喪主も施主も一度は耳にしたことがある言葉だとは思いますが、その違いをうまく説明できる方はあまり多くないのではないのでしょうか。
そこで今回は、ご葬儀における喪主と施主の違いやそれぞれの決め方などについてご紹介します。
ご葬儀で中心的な存在となるのが、「喪主」と「施主」になります。それぞれの役割から見た喪主と施主の違いを以下にまとめましたので、それぞれ見ていきましょう。
・寺院とのやりとりをする
喪主は、ご葬儀やその後の供養などを中心になって取り仕切ることとなりますので、喪主は菩提寺などの寺院とのやり取りは不可欠になります。日程の調整や戒名の依頼、お布施の用意など、ご葬儀やその後の供養をそのように進めていくのかなどを決めていきます。
・ご遺族の代表として挨拶などを行う
喪主は、ご遺族の代表という立場ですので、閉式や出棺の場面で挨拶をするほか、司式者の出迎えや見送り、ご弔問客・ご会葬者の対応なども務めることになります。
・年忌法要を営む
ご葬儀後に執り行われる、四十九日や一周忌などの年忌法要についても喪主が中心となって営むことになります。
・ご葬儀に関する費用を負担する
施主は、「葬儀費用を負担する方」になります。葬儀費用を負担するということは、葬儀社とのやりとりも行うことになります。そのため、ご葬儀の進行や内容の打ち合わせ、見積りや契約などを、喪主と葬儀社の間に入って取り仕切ることになります。
喪主は故人様と血縁が深い順番で決めるのが一般的ですが、遺言で指名されていた場合にはその限りではありません。かつては「家父長制」のしきたりに従って決めていましたが、現在ではそのようなことは薄れており、故人様の配偶者やご子息・ご息女などが喪主を務められることがほとんどです。
一方の施主は、血縁関係に左右されず、どなたが務めても問題ありません。そのため、葬儀費用を負担して、ご葬儀の進行も取り仕切るようであれば喪主と施主を兼任することになりますし、葬儀費用をご遺族でそれぞれご負担される場合には、敢えて施主をたてないで喪主のみをたてるということもあります。
喪主も施主もご葬儀において中心となる役割ですので、それにふさわしい服装や振る舞いをしなくてはいけません。以下では、男性と女性の場合の服装のほか、施主の香典や供花に関するマナーなどについても見ていきましょう。
喪主や施主の服装に関しては、三回忌法要までは喪服を着用します。
洋装であれば「シングルかダブルのブラックスーツ」または「モーニングジャケット」を着用して、白無地のワイシャツと黒無地のネクタイにしましょう。靴下や靴についても黒で統一し、時計やベルトなどの小物類は金属があまり目立たないものにしましょう。
和装であれば「羽織と黒無地染め抜き五つ紋付きの着物」と「仙台平の袴」にします。足袋は白もしくは黒で、草履は黒の鼻緒となっているものを選びましょう。
喪主や施主が女性の場合も同様に、三回忌法要までは喪服を着用します。
洋装であれば「黒のシンプルなフォーマルドレス」を着用し、ストッキング・靴・バッグに関しても黒で統一してシンプルで光沢のないものにしましょう。
和装であれば「黒無地染め抜き五つ紋付、黒無地の丸帯」が正式な服装になります。ただし、夏の暑い時期などは「絽(ろ)」という薄く透き通った絹織物にし、羽織は着なくても問題ありません。着物の生地については羽二重もしくは一越ちりめんで、足袋や襦袢は白、草履や帯揚げの小物については黒にします。
ご葬儀で掛かる費用に関しては、ご弔問客・ご会葬者からいただいた香典を差し引き、足りない金額を施主が負担することになります。そのため、喪主と施主が別の場合、施主は香典を包まないのが一般的です。ただし、個人的に喪主やご遺族の支援をされたいということであれば、香典を渡しても問題ありません。
喪主や施主の供花に関しては、用意しなくてはいけないという決まりはありませんが、地域による慣習や後のトラブルを避けるためにも、事前にご親族や葬儀社に確認しておくとよいでしょう。
喪主や施主はなすべきことがたくさんあります。そのため、事前に役割やマナーをある程度理解しておけば、心に多少ではありますがゆとりができると思います。ご不明な点やご不安な点がございましたら、ぜひ一度、お近くのセレモニー直営葬儀式場にお問い合わせください。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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