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一周忌のお返し「引き出物」に関するマナーまとめ|費用相場や選び方も解説

公開日2023/01/13|最終更新日2023/01/13

一周忌とは、故人様がお亡くなりになった命日から1年後に行われる法要を指します。1年の節目にもあたり、年忌法要の中でも非常に重要な法要のひとつとされています。

また一周忌では、参列者に感謝の意を込めてお返しを渡すのが一般的です。しかし、選べる品物の種類が多く、具体的に何を準備すれば良いか分からず悩んでしまう方も少なくありません。今回は、お返しの品物を選ぶときのポイントや、基本的なマナーなどについて解説しますので、お悩みの方は参考にしてみてください。

一周忌でお返しは必要?

一周忌では、喪主が参列者に感謝の意を込めてお返しをするのが一般的です。参列者は金銭を包み、喪主からは引き出物とお膳でお返しをします。一周忌のお返しでは、いただいた品物・金銭の5~7割の予算で準備を行います。

一周忌のお返しは「引き出物」と呼ばれる

結婚式などの慶事でよく耳にする「引き出物」ですが、近年では法事などの粗供養で使用されるお返しも「引き出物」と呼ばれています。一昔前までは、お膳として振る舞われる料理の一部を包み、持ち帰っていただくのが常とされていました。しかし現在では、衛生面を考慮し料理とは別に引き出物をお渡しするのが主流です。

また引き出物は、法要に参列していただいた方々に対する「感謝の気持ち」を表したものです。訪れてくださった方々へ、お礼とおもてなしの気持ちを込めて用意しましょう。

香典返しとの違い

香典とは、故人様がお亡くなりになってから四十九日(忌中)までにいただいた金品を指し、そのお返しが「香典返し」です。一方で、四十九日を過ぎた仏様へお供えされたものに対するお返しは、「引き出物」としてお渡しするのがマナーとされています。

一周忌のお返しの選び方

一周忌の引き出物では、香典返しと同じように「消え物」を選ぶ方が多いでしょう。消え物とは、使うことで消えてなくなる食べ物や洗剤などの消耗品のことです。不祝儀を残してはいけないという考え方から、消え物のような消耗品が最適との声も多いのですが、それは香典返しのマナーです。

実は、引き出物に「後に残るものを選んではいけない」という決まりごとはありません。そのため、地域によっては食器などをお渡しするケースも珍しくありません。

しかし引き出物は、食器や石鹸・ボトル入りの洗剤などかさ張ったり重かったりするものより、軽くて持ち運びやすい品物の方が、参列者に親切な印象を与えます。近年では、受け取った方が欲しいものを自由に選択できるカタログギフトや、タオル・お茶・お菓子などがよく選ばれています。また、故人様が好きだったものを記念品としてお渡しすることも多いです。

ただし、殺生を連想させる魚や肉のほか、語呂合わせとして「よろこぶ」と読み取れてしまう昆布は避けるのが無難です。しかし、これらが掲載されているカタログに関しては、その場でお渡しするものとは違い、後から参列者に選んでもらうものなので特に問題ないとされています。

引き出物の定番としては、和菓子・洋菓子・調味料です。そのほかにも、長期保存が可能な乾麺や海苔も喜ばれることが多いのでおすすめです。

一周忌のお返しにかける費用相場

お返しにかける費用は、15,000円程度が相場です。参列者がお持ちいただくお供えの相場は10,000~20,000円程度なので、その5~7割程度の金額と考えるのが良いでしょう。

ただし、故人様とご縁の深い親族や、思い入れの強い知人などがいらっしゃる場合、多くのお供え物をいただくこともあるはずです。その場合には、いただいた金額に見合った引き出物をお渡しします。また、お膳を出さない予定の場合は、お持ち帰り用の酒と折り詰めを用意し、引き出物とともにお渡ししましょう。

一周忌のお返しに関するマナー

一周忌の引き出物には、渡し方や表書きなどにもマナーが存在します。一周忌という大切な区切りだからこそ、参列者へ失礼のないよう、正しいマナーを覚えておきましょう。

渡し方のマナー

参列者の負担を減らすためにも、引き出物は持ち帰りやすいようにまとめておきましょう。たとえば、手提げ袋などに入れておくなどの準備を済ませておくとスムーズです。また悪天候の場合は、袋の上からビニールなどの雨よけカバーをかけると喜ばれます。

お渡しするタイミングは、会食が終わり、参列者がお帰りになるときです。挨拶の際に渡すことで、スマートなお渡しが叶うでしょう。また会場によっては、会食の場へすでに引き出物がセッティングされていることがあるので、その場合は各会場の指示に従ってください。

掛け紙のマナー

引き出物を包む掛け紙(包装紙)は、グレーや黒・白など落ち着いた色合いのものがおすすめです。多少の個性を出すとすれば、シンプルに菊などの柄が入っているものを選ぶと良いでしょう。

のしのマナー

一周忌の引き出物で使用するのし紙は、黒白の結び切りを使います。筆または筆ペンで記入していきますが、薄墨ではなく濃墨(黒墨)を使いましょう。

次に、水引の上に「志」または「粗供養」と記入します。志は、主に東日本・粗供養は西日本で使用される言葉です。

さらに、下段には施主の「姓」と「家名」を記入します。たとえば「鈴木太郎」の場合、「鈴木家」と書きます。またご遺族の意向によって、「姓」のみの表記もできるので、どのような表書きにするか一度話し合ってみると良いでしょう。

お礼状のマナー

お礼状は、必ずつけなければいけないものではありませんが、参列者への感謝を伝えるため添えるのがマナーです。注意点として、重ね言葉や句読点は使わないことを頭に入れておきましょう。法事を無事に終えたことやお供えのお礼などを、縦書きで記入するのが一般的です。

一周忌法要に欠席された方からお供えをいただいた場合のお返し

欠席された方からお供えや供花をいただいた場合は、引き出物にお礼状を添えたうえで、1ヶ月以内を目安に送ります。その場合、参列者と同じものにするか、あるいはお膳の分を追加して包むかが悩ましいところです。地域差もありますので、ご遺族の中で相談して決めると良いでしょう。

まとめ

一周忌は、故人様や残されたご遺族にとって大切な法要です。引き出物のマナーをしっかりと把握することで、参列者の方々へ心からの感謝をお伝えできるようになりますが、なかには細かいルールも含まれています。実際に準備する際に困らないよう、今回ご紹介した内容をおさらいし、滞りなく進めていけるようにしてください。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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