
公開日2023/03/13|最終更新日2023/03/13
御花料とは、キリスト教のご葬儀などに参列する際、香典の代わりとしてお渡しするお金のことを指す言葉です。キリスト教のご葬儀へ持参する御花料には、仏式や神式の香典と異なる点が多いため、事前の確認が必要です。今回は、御花料に関する渡し方や相場、表書きのマナーなどについて詳しく説明していきますので、いざというときのために押さえておきましょう。
「御花料」とは、キリスト教における通夜や告別式、法要の際、ご遺族に対してお渡しするお金です。本来、キリスト教では供物を捧げる習慣はなく、代わりに「献花」が行われます。そのため、日本の「香典を包む」という慣習と、キリスト教の「お花に重点を置く」という考え方を掛け合わせ、「御花料」と表現されるようになったと言われています。
キリスト教のご葬儀においてお渡しする「御花料」の一方で、「御花代」という金銭も存在します。御花代は、献花に関わった費用(お花にかかった代金)を指します。そのほかに、香典の意味合いを含めて御花代と表現される場合も多いです。
しかし、御花代はあくまで仏式の際に用いられる言葉です。そのため、キリスト教のご葬儀で「御花代」という言葉を用いるのはマナー違反になります。「御花料」と「御花代」の違いについて、事前にしっかりと把握しておきましょう。
キリスト教における御花料の相場は、仏式や神式の場合と大きく変わりません。しかしながら、どの程度の金額を包めば良いのか迷う方も多いでしょう。御花料には、立場や故人様との関係などに適した相場がありますので、以下のリストで一般的な金額を把握しておきましょう。
①両親もしくは義両親…50,000~100,000円
②兄弟姉妹…30,000~50,000円
③祖父母…10,000~50,000円
④その他親族…10,000~30,000円
⑤勤務先の上司、同僚など…3,000~10,000円
⑥友人、知人など……3,000~10,000円
キリスト教のご葬儀へ持参する御花料には、お渡しの際にも仏式や神式とは異なるマナーが存在します。ご遺族に対して失礼にあたることのないよう、表記の仕方や封筒の種類などに注意が必要です。
御花料を包む不祝儀袋には、白無地の封筒、もしくはキリストを表す十字架や、聖母マリアを象徴する百合の花が描かれたキリスト教用の封筒を使いましょう。キリスト教用の封筒には、香典袋のような水引はついておらず、キリスト教をイメージさせるシンボルが描かれています。
また、蓮の花は仏式のモチーフですので、蓮が描かれている封筒をキリスト教式に使用することは避けましょう。もしキリスト教にふさわしい不祝儀袋が見つからない場合は、真っ白なのし袋を用意してください。
不祝儀袋に表書きをする場合は、仏式と同じように「薄墨」を用いるのがマナーです。カトリックもプロテスタントも「御花料」または「お花料」と記載するのが一般的です。また、中袋には通常のペンで住所と氏名、金額を記入します。
表書きの氏名は、封筒の半分より下の真ん中へ縦書きで記載します。御花料の文字と同様に、薄墨を使いましょう。社名を入れる際には、右側に社名及び部署名、そして左側に名前を書き、全体で中央に見えるようバランスを整えて書きます。
キリスト教のご葬儀やミサの多くは、教会で執り行われます。その際、ほかの宗教と同様に入口へ受付が用意されていますので、そこで記帳をする際に御花料をお渡ししましょう。もしご自宅などでのご葬儀で受付がない場合は、喪主かご遺族に直接手渡します。
渡す際には、お悔やみの言葉は必要ありません。その代わり、「ご連絡いただきありがとうございます」と、ご一報をいただいたお礼を伝えるのがマナーです。
キリスト教のご葬儀における「献金」とは、ご遺族が教会に対して渡す謝礼金のことで、仏式では「お布施」に該当します。相場は、教会宛で50,000~200,000円、神父や牧師宛で50,000~150,000円です。ただし、金額に関しては、教会によって基準が提示されている場合もあります。
また、教会への表書きは、「献金」または「感謝献金」と記載します。また、神父や牧師宛は「御礼」や「お車代」などと書くのが一般的です。
神父や牧師に、ご自宅など教会以外の場所まで足を運んでいただいた際には、その御礼として献金とは別に「御車代」を渡します。キリスト教も仏式も、一般的には5,000~10,000円ほどかかりますが、特に決まっているものではないので、不安な方は事前に確認しておくと良いでしょう。
キリスト教のご葬儀には、香典ではなく御花料を渡します。包む金額は、故人様との関係性、自分の年齢・立場などによって変わるため、一般的な相場を理解しておくようにしましょう。また、直前になって慌てることのないよう、表書きの書き方や渡すときの言葉など、あらかじめ基本的なマナーについても覚えておくようにしてください。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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