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2023-03-24

香典袋の正しい書き方|外袋の表書き・名前や旧漢数字で金額の書き方も解説!

ご葬儀の際、事前に用意するもののひとつに「香典」が挙げられます。しかし、いざ香典を用意しようと思っても、香典袋の書き方が曖昧で「どうすればいいの?」と悩んでしまう方も少なくありません。今回は、急なご葬儀に慌てないために香典袋の正しい書き方をご紹介しますので、興味をお持ちの方は参考にしてみてください。

そもそも香典袋とは?

香典とは、お悔やみの気持ちを込めて霊前にお供えする金銭を指します。「香典袋」は、金銭を包む際の封筒です。近年は、どの宗教においても「香典袋」という場合がありますが、元々は仏教でのみ使用されていた言葉でした。そのため、広義では「不祝儀袋」といいます。

元々、香典は金銭ではなく、線香・抹香・ロウソクなどの現物を渡していました。昔の線香などは、そこまで性能が良くなかったため、不幸があった際は大量に用意しなければなりませんでした。そのため、付き合いのあった方々が、ご遺族の金銭的負担を軽減する意味で用意した線香などが、香典の始まりといわれています。

香典袋は、外袋と中袋に分かれているタイプが多く、それぞれで書く内容が異なります。また、宗教・宗派によってマナーもさまざまですが、基本的にどの宗教・宗派においても以下の内容を香典袋に書くため、事前に覚えておくようにしましょう。

・外袋

 表書きと名前

・中袋(内袋)

 表面:金額

 裏面:郵便番号、住所、名前

ただし、地域によっては「袋が二重になっている」=「不幸が重なる」として、弔事には用いないところも存在します。香典袋を用意する際には、親族や地域の方に相談しておくと安心です。

香典袋は原則、薄墨で書く

香典袋に表書きなどを書く際は、薄墨を使用します。薄墨とは、通常よりも水分の多い墨のことであり、そのため書いた際に文字の色が薄くなります。薄墨を用いる理由は「悲しみの涙で墨が薄まってしまった」「急な訃報で、墨を十分に磨る時間がなかった」といった意味を表現するためです。

もし墨を磨る時間がなかった場合は、筆ペンで書いても構いません。最近は、弔事用の薄墨の筆ペンも販売されています。筆ペンを用意できなければ、市販のマジックなどを用いましょう。

万が一マジックがない場合、ボールペンを使用することになりますが、あまり推奨はしません。また鉛筆やシャープペンは簡易的な文具である印象が強いため、使用しないようにしましょう。

【外袋】表書きの正しい書き方

香典袋の外袋には、表書きと名前を書きます。表書きとは「御霊前」「御香典」など、金額の名目を表すものです。表面の上に表書き、下に名前を記載します。

表書きの名目は、参列するご葬儀や法要の宗教・宗派によってさまざまです。一般的には、以下のように分けられています。

宗教 表書き 封筒 水引
仏教 ・御霊前(四十九日の前)
・御仏前(四十九日の後)
・白無地
・蓮の花が描かれているもの
・白黒の結び切り
(金額に応じて双銀が用いられる)
神道 ・御玉串料
・御榊料
・白無地 ・双銀
・双白
キリスト教 ・御花料 ・白無地
・百合や十字架が描かれいるもの
必要なし

もし故人様の宗教が分からなければ、「御霊前」と記載するのが無難です。また、宗教だけでなく宗派によってもそれぞれ細かなマナーがありますので、以下の項目で具体的な特徴を把握しておきましょう。

真宗(浄土真宗、真宗大谷派など)

真宗(浄土真宗、真宗大谷派など)では、霊の概念がないため、御霊前と書くことはマナー違反になってしまいます。真宗のご葬儀に参列する際は、「御仏前」と書きましょう。

曹洞宗

曹洞宗では、浄土に関する教えがなく、成仏以前という考え方もないため、「御霊前」は使用しません。そのため、「御香典」もしくは「御仏前」と書きましょう。

神式(神道)

神式(神道)では、「御玉串料」や「御榊料」、または「御神饌料」と書くのが一般的です。神社にお渡しする金銭のくくりで「玉串料(たまぐしりょう)」といった名目もあります。

キリスト教式(カトリック・プロテスタント)

キリスト教式の中でも、カトリックとプロテスタントで表書きの違いがあるので注意が必要です。カトリックの場合は、表書きには「御花料」や「御ミサ料」と書きます。また、「御霊前」と書いても問題ありません。

一方、プロテスタントの場合は、「御花料」や「献花料」、「忌慰料」と書きます。プロテスタントでは、「御霊前」はマナー違反となりますので注意しましょう。なお、「御霊前」と「御仏前」については以下の記事で詳しく解説していますので、こちらも併せて読んでみてください。

【関連記事】不祝儀袋の「御霊前」と「御仏前」って何が違うの?

【外袋】名前の正しい書き方

外袋の下段には、金銭を包んだ方の名前を書きます。名前の書き方にも細かなマナーがあり、金銭を包んだ人数や団体によってさまざまです。

差出人 書き方
個人 フルネームを書く
3名以内の複数名 真ん中から左に向かうよう、全員のフルネームを記載する
4名以上の複数名 代表者のフルネーム+左下に「外一同」と記す
夫婦 夫のフルネーム+左下に妻の名を書く
会社規模 真ん中に代表者の役職+フルネーム、右上に会社名を記す
所属部署 真ん中に部署名+一同、右上に会社名を書く

そのほかのマナーについては、以下の項目にて詳しく解説していきます。

個人で香典を出す場合

香典袋の水引の下に、自分の名前を書きます。その際、香典を誰が出したかがご遺族に分かっていただけるように、フルネームで書きましょう。

夫婦連名で香典を出す場合

故人様に夫婦共々お世話になった場合は、中央に夫の氏名を書き、左側に妻の名を書きましょう。なお、故人様に結婚の報告をしていなかった場合は、中袋の名前の左に旧姓を記入しておくと良いでしょう。

複数人の連名で香典を出す場合

2,3名の場合は、一番目上の方が真ん中になるように、左へ順に名前を書いていきましょう。立場の上下が関係ない場合は、五十音順で右から順に書くケースもあります。

4名以上になる場合は、代表者の名前とその左下に「外一同」と書き、別紙に全員の名前を書いて香典袋の中に入れておきましょう。なお、代表者名を中央に書き、「他3名」などと左下に書き添えても問題ありません。

会社で香典を出す場合

会社として香典を出す場合には、社名ではなく代表者の氏名を書くことになります。中央に社長の氏名を、その右側に会社名を書きましょう。

会社の同僚などと複数名の連名で香典を出す場合は、社名ではなく代表者の氏名を書きます。部署で香典を出す場合は右側に会社名、その左に「○○部一同」と書きます。中に別紙を入れ、香典を出した方の氏名・金額・住所・連絡先を書き添えると、ご遺族側でもお礼状やお返しの手配の際に困りません。

【中袋】金額の旧漢数字での正しい書き方

中袋とはお金を直接入れる封筒のことで、金額は表面に書きます。中袋がない封筒であれば、裏面に記載しましょう。

金額を書く際は、漢数字の旧字体(大字)で書くのがマナーです。漢数字の旧字体とは、以下のような字体を指します。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
拾・什 仟・阡

金額の書き方は、以下のとおりです。

・3,000円…「金参仟圓他」

・10,000円…「金壱萬圓他」

金額には、頭に「金」、最後に「他」を書きます。これは、改ざんを避けるための工夫です。また、書く際は基本的に縦書きです。

ただし、中袋によっては、金額を書く欄がすでに横書き用で用意されているものもあります。この場合は、横書きで書いても問題はありません。横書きの場合は、「1」「2」などのアラビア数字を用いましょう。

また、香典の金額相場を以下の表にまとめましたので、それぞれ参考にしてみてください。

本人から見た故人様との関係 金額
両親 30,000〜100,000円
兄妹姉妹 30,000〜100,000円
祖父母 10,000〜50,000円
叔父・叔母 5,000〜30,000円
友人・知人 3,000〜10,000円
会社関係 5,000〜10,000円

香典の金額は、割り切れない数字にするのが原則です。「割り切れない」の定義は、数学上の割り切れる数ではなく、基本的にはお札の枚数が奇数になるように包めば問題ありません。また、香典の金額については以下の記事でも紹介していますので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。

【関連記事】【年齢・関係別】香典の相場金額まとめ|香典袋の書き方や渡し方のマナーも解説

【中袋】住所・名前の正しい書き方

中袋の裏面には、住所と氏名を書きます。通常の手紙と同じように、裏面の左下に書きます。その際、住所の上に「住所」、氏名の上に「氏名」と書くと丁寧です。

また、複数名で包んだ場合は、全員分の住所と氏名を書きます。封筒に書ききれない人数の場合は、別紙に書きましょう。なお、住所はご遺族が香典返しを送る際に必要になる大事な情報なので、迷惑をかけないよう、抜け漏れなく書くように心がけてください。

まとめ

ご葬儀に参列する際に必ず持参する香典だけでも細かいマナーが多数あり、不安を覚える方は少なくないと思います。しかし、故人様の考えを尊重し素敵な最後のお別れをするためにも、ご遺族に必要以上に負担をかけないためにも、最低限のマナーは知っておきたいものです。

香典にはお悔やみの気持ちを表現する意味もありますので、故人様やご遺族に対して失礼にならないよう、香典のマナーをきちんと把握しておきましょう。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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