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2023-10-13

南無釈迦牟尼仏とは|意味合いや唱える宗派について解説いたします

仏教においては欠かせないお経の一つである南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ)ですが、この言葉に含まれている根拠や主旨などは、理解できていない方も多いのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、南無釈迦牟尼仏にはどういった意味が込められているのか、またどの宗派で用いられているのかを解説していきます。さらにご葬儀のマナーについても触れていきますので、ぜひ知識の一つとしてお役立てください。

南無釈迦牟尼仏とは

仏教には、様々な宗派が存在します。その中でも禅宗(ぜんしゅう)の一派になぞらえられている宗派で唱えるのが「南無釈迦牟尼仏」です。この念仏は、読経の最初に唱えられます。

南無釈迦牟尼仏の意味合い

南無釈迦牟尼仏の「南無」とは、古代インドのアーリア語に属するサンスクリット語のnamo(ナーモ)、もしくはnamas(ナマス)から日本へ伝わった言葉です。したがって、漢字自体に深い意味は込められていません。内容は帰依、あるいは帰命を意味しており、「対象を心の支えにして全てを任せます」「尊敬します」といった解釈になります。

また、「釈迦牟尼仏」とは、お釈迦様(釈迦如来)の尊称です。したがって、「南無」と「釈迦牟尼仏」が合わさると、「お釈迦様を敬い、御心のままに帰依します」との意味になるのです。

「南無釈迦牟尼仏」の念仏はあまり繰り返さない

主に南無釈迦牟尼仏を唱える禅宗では、坐禅による悟りに重きを置いています。そのため、お経を繰り返す日蓮宗のお題目などとは異なり、「南無釈迦牟尼仏」の言葉を繰り返すようなことはしません。

南無阿弥陀仏との違い

念仏といえば、一番知られているのが「南無阿弥陀仏(なみあみだぶつ)」ではないでしょうか。では、本記事で取り上げている「南無釈迦牟尼仏」との違いはどこにあるのでしょうか。それは、念仏を唱える宗派、そして崇める対象の仏様です。

南無釈迦牟尼仏と唱えるのは、禅宗一派の宗派である一方で、南無阿弥陀仏を唱えるのは、浄土真宗や浄土宗です。なお、浄土宗では南無阿弥陀仏を10回唱える十念(じゅうねん)と呼ばれる作法が存在します。

また、禅宗一派が帰依するのは釈迦牟尼仏(釈迦如来)でしたが、浄土真宗や浄土宗では、阿弥陀仏、いわゆる阿弥陀如来(あみだにょらい)を崇め、帰依しているのです。

南無釈迦牟尼仏を唱える宗派

南無釈迦牟尼仏を唱える禅宗は、臨済宗・曹洞宗・黄檗宗と大きく3つに分けられており、この宗派は日本三大禅宗と呼ばれています。

禅宗は、達磨大師(だるまだいし)が鎌倉時代に中国から日本へ伝えたものであるといわれており、お経を唱えるよりも主に坐禅(禅)での修行が行われます。この禅は禅定(ぜんじょう)とも呼ばれ、一切の雑念を払い、心を一点にのみ集中させて悟りを開く瞑想を示しているのです。

また、禅宗には不立文字(ふりゅうもんじ)という、「文字に頼らず悟りを開く」といった意味合いを持った教えもあります。不立文字に並ぶ教えとして、以心伝心(いしんでんしん)も存在します。言葉では語らずとも、人から人へ心を通わせることで教えを伝えていくという意味です。以心伝心で師匠から弟子に心で伝え、不立文字で言葉に縋らず修行を行うといった教えです。

禅宗には、その宗派ごとに様々な特徴があります。同じ禅宗同士とはいえ、それぞれ考え方や教えに違いがあることも覚えておきましょう。

臨済宗(りんざいしゅう)

臨済宗の開祖は、明菴栄西(みょうあんえいさい)という僧侶です。臨済宗が伝える教えの基本は、坐禅で開眼を果たすことですが、この修行には一風変わった特徴があります。それは、師匠が弟子に対して悟りを開くための課題を出し、弟子はそれに応えていくというものです。この禅問答を、公案(こうあん)といいます。

さらに、臨済宗のもう一つの特徴として、特定のご本尊を定めていない点が挙げられます。そこで、一般的に禅宗で拝まれる迦牟尼仏(釈迦如来)を崇め、南無釈迦牟尼仏を唱えるのです。

また、あくまで坐禅の修行がメインと考える臨済宗では、根本になる経典は存在しません。よく唱えられるお経は、観音経(かんのんぎょう)や般若心経(はんにゃしんぎょう)、開経偈(かいきょうげ)、坐禅和讃(ざぜんわさん)、大悲咒(だいひしゅう)などです。お経は、時と場合によって使い分けられます。

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曹洞宗(そうとうしゅう)

曹洞宗の開祖は、唐の時代の禅僧・洞山良价(とうざんりょうかい)という僧侶です。曹洞宗が伝える教えの基本は、ただ一途に坐禅によって開眼を目指すものであり、坐禅を行う姿は仏の姿そのものであると解釈されています。

この坐禅は、只管打坐(しかんたざ)と呼ばれ、雑念を全て打ち払って悟りを開くまで坐禅を組むことに集中するといった意味が込められています。この修行法は、「実践とその結果は一つで等しい」という修証一如(しゅしょういちにょ)の教えに基づいたものです。すなわち「実践はそのまま結果に結びつくものだ」といった意味が込められています。

また、曹洞宗も特定のご本尊を定めていません。臨済宗と同様、釈迦如来を祀るのが一般的ですが、観世音菩薩と地蔵菩薩の二菩薩像を、放光菩薩としてご本尊とする寺院もあるようです。同じく南無釈迦牟尼仏を唱えます。

よく唱えられるお経は般若心経や法華経(ほけきょう)、正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)、伝光録(でんこうろく)、坐禅用心記(ざぜんようじんき)、修証義(しゅしょうぎ)、普勧坐禅義(ふかんざぜんぎ)、大悲心陀羅尼(だいひしんだらに)です。お経は、時と場合によって使い分けられます。

黄檗宗(おうばくしゅう)

黄檗宗は、江戸時代に伝来した比較的新しい宗派であり、開祖は隠元隆琦(いんげんりゅうき)禅師です。隠元禅師は様々な食材や煎茶、音楽、建築などの文化を日本へもたらしました。

黄檗宗が伝える教えの基本は、やはり坐禅にあります。その基盤になっている考えが、正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)です。誰もが元々持っていると信じられている悟りに辿り着くため、坐禅を組みます。なお、悟りとは心の中に宿る阿弥陀仏を指しています。

また、黄檗宗でも南無釈迦牟尼仏を唱えますが、基本のお経は般若心経です。ただし、読経は日本語ではなく唐音(とういん)を踏みますので、般若心経とはいえ「まかはんにゃはらみたしんぎょう」とは唱えません。中国の読み方になりますので、発音は「ポゼポロミトシンキン」となります。

臨済宗のご葬儀の特徴

同じ禅宗でも宗派によってそれぞれの特徴にあるように、ご葬儀の方式においても様々な違いがあります。ここからは、臨済宗でのご葬儀について解説していきます。

臨済宗のご葬儀のマナー

臨済宗のご葬儀に参列する際に、服装については他の宗派と変わらないもので構いません。香典袋の表書きには、四十九日まで「御霊前」、それ以降は「御仏前」を記載するのも同様です。では、それ以外のマナーと、ご葬儀の流れを確認していきましょう。

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臨済宗のご葬儀の流れ

では、臨済宗で執り行われるご葬儀の一般的な流れをご説明いたします。なお、臨済宗では、僧侶を導師と呼ぶのが一般的です。

①導師が入場し、授戒(じゅかい)と呼ばれる儀式が行われます。内容は、故人様の髪を剃る剃髪(ていはつ)、罪の許しを請う懺悔文(ざんげもん)、仏に帰依する三帰戒文(さんきかいもん)、次にお清めの儀式である三聚浄戒(さんじゅうじょうかい)や十重禁戒(じゅうじゅうきんかい)です。

②次に行われるのが、念誦(ねんじゅ)と呼ばれる儀式です。入龕諷経(にゅうがんふぎん)、龕前念誦(がんぜんねんじゅ)、起龕諷経(きがんふぎん)の順に、導師がお経を唱えていきます。最後の山頭念誦(さんとうねんじゅ)では、導師が往生咒(おうじょうしゅ)というお経を唱えながら、太鼓を打ち鳴らし、故人様のご冥福をお祈りします。

③最後に行う儀式は、引導(いんどう)です。導師が引導法語を唱え、その間に焼香が行われます。全ての方の焼香が終了すると、故人様にお別れをして出棺となります。

なお、会場や寺院、お住まいの地域によって順番や内容に違いが出る場合もあるかもしれません。不安な場合は、事前に葬儀社のスタッフに確認すると良いでしょう。

臨済宗のお焼香のマナー

臨済宗のご葬儀では、右手3本の指(親指、人差し指、中指)で抹香をつまみ、額へ押しいただかずに、そのまま香炉へくべます。なお焼香の回数は、会場や菩提寺によって異なります。

臨済宗の数珠のマナー

臨済宗で行われるご葬儀の数珠は、看経念珠(かんきんねんじゅ)を用いるのが正式なスタイルです。看経念珠には108個の石が組まれているので、一般的な数珠よりも長さがあります。したがって、二重に巻いてから左手へ掛けるようにします。

ただし、臨済宗を信仰している方々は、その多くが略式の数珠を使用しているため、もしお持ちでない場合、無理に購入する必要はありません。

まとめ

人生のどこかで南無釈迦牟尼仏を唱える機会があれば、この念仏に込められた意味を理解していることで、より感慨深い気持ちを持てるようになります。念仏への知識が深まれば、心はますます豊かになることでしょう。心の豊かさは、人生の豊かさにも繋がります。そのために、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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