2024-08-09
夏本番を迎えてお盆が過ぎると、次にやってくるのは秋のお彼岸です。お彼岸といえばあの世とこの世が最も近づく時期とされており、ご先祖様に対するご供養でお墓参りへ向かう方も多いです。
そのような中で、もしも彼岸会(ひがんえ)へ参列したり、自宅に僧侶を招き読経をお願いしたりする場合、お布施の総額はどのくらいになるのかと悩む方もいらっしゃるでしょう。当記事では、さまざまなお彼岸の迎え方やお布施のマナーを詳しく解説していきます。
お彼岸のお布施は、迎え方によって必要になる場合と、必要でない場合があります。まず菩提寺ではなく霊園へお墓参りに行く場合、事務所への挨拶や手土産、お布施も用意する必要はありません。
また、何回かに分けて行われる年忌法要込みで永代供養をお願いしている場合は、すでにお布施をまとめてお渡ししている状態になりますので、お彼岸だからといってお布施をお渡ししなくても問題ありません。手ぶらの挨拶のみで気が引ける場合は、3,000円程度の菓子折りを持ってご挨拶へ伺うのも良いでしょう。
お彼岸に故人様を弔うための読経を受けたい、彼岸会へ参列してしっかりとご供養したい、合同法要に参列したいといったご希望がある場合は、僧侶に対するお布施が必要です。ここからは、お彼岸でお布施が必要になる場合の相場を詳しく解説していきます。
お彼岸で自宅へ僧侶を招き、読経をお願いする場合のお布施の相場は、30,000~50,000円程度です。併せて、こちらへお越しいただく際の交通費も考えます。交通費は距離によりますが、お車代としては5,000~10,000円程度が相場です。
寺院で開かれる彼岸会、またはお施餓鬼(おせがき)に参列される場合、お布施の相場は3,000~10,000円程度です。しかしながら、金額には地域差があるため、不安な場合は同席する方に相談してみても良いでしょう。
寺院や霊園によっては、お彼岸の際に合同供養が開かれる場合があります。特にお布施を示唆する掲示や金額は表示されていませんが、参列するのであればお布施を用意するのが一般的です。相場は3,000~10,000円程度ですが、5,000円を包む方が多いようです。
菩提寺との関係性が深い場合は、お墓参りへ出向く前に、本堂まで出向いてご本尊にお参りした後、僧侶へご挨拶に伺うことになるでしょう。挨拶時には、お布施をお渡しするとより丁寧な印象になります。ご挨拶時におけるお布施の相場は、3,000~10,000円程度です。
なお、関係性が浅い場合は本堂の外からご本尊にお参りし、そのままお墓参りへ向かっても構いません。僧侶にお墓の継承問題や法要に関することなどの相談をしたい場合は、電話で時間を確認して、伺う際には3,000~10,000円程度のお布施を用意するのが一般的です 。
ここからは、お布施を入れる袋やお渡しする際のマナーをご紹介していきます。
お布施は、ご葬儀などの香典とは別物です。亡くなった方を偲ぶのではなく、あくまで僧侶へのお礼なので、白と黒の不祝儀袋は用いません。最適なのは、伝統的な奉書紙(ほうしょし/ほうしょがみ)で包むことです。奉書紙にお布施を包むことで、僧侶に敬意と感謝を伝えることができます。
奉書紙の代わりに厚手の白封筒や、印刷済みの封筒をお使いいただいても問題はありません。お布施用の奉書紙や白封筒、印刷済み封筒は、100円ショップの不祝儀袋コーナーや大型の文房具店、ネット通販などで購入できます。
お布施は僧侶へのお礼なので、薄墨は使いません。表書きに黒墨の筆ペンで、「お布施」もしくは「御布施」と記載します。印刷してある場合は、そのまま使用しましょう。
表面の余白には、施主の氏名か家名(○○家)のいずれかを記載します。裏面の左下には、住所、氏名、電話番号、金額を記入します。お金は新札を使い、肖像画を上向きに入れましょう。その際、金額は旧字体で記載します。
3,000円 金参阡圓也
5,000円 金伍阡圓也
10,000円 金壱萬圓也
30,000円 金参萬圓也
僧侶に対してお布施をお渡しする際、手渡しは失礼にあたってしまいます。お布施は切手盆に乗せるか、袱紗(ふくさ)の上に置いてから差し出しましょう。
お布施やお車代などをお渡しするタイミングは、読経が終わった後で「お念仏をあげていただきありがとうございました」などのお礼を伝えながらお渡しするのが一般的です。また、最初のご挨拶で「本日はどうぞよろしくお願いいたします」と伝えてお渡ししても問題ありません。
お布施とは、僧侶の読経や鎮魂の儀式、ご供養に対するお礼です。お渡しする際には、相手の方 に失礼のないよう、常識的なタイミングと金額を考える必要があります。
お布施は、地域により相場やお渡しする機会も異なるため、どうすればマナー違反にあたらないか苦慮することもあるでしょう。そういった場合には周りの方々のご意見を参考にしながら、ご供養の準備をしていただければ幸いです。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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