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【例文あり】キリスト教式のご葬儀では「お悔やみの言葉」がない|メールでかける言葉も

公開日2025/06/27|最終更新日2025/06/27

知人が亡くなった際は、お電話やメールなどさまざまな方法で連絡が来ます。その際には、まず「お悔やみの言葉」という形で弔意を示すことが重要です。ただし、そこで気をつけなければならないのは、故人様の信仰されている宗教に合わせて、適切に弔意を示すことが重要です。

この記事では、ご遺族がキリスト教を信仰されている場合にお伝えすべき言葉を解説していきます。

キリスト教式のご葬儀では「お悔やみの言葉」がない

キリスト教では「お悔やみの言葉」をかける習慣がありません。なぜならキリスト教の教えには人の死に「悔やむ」という概念がないためです。ただし、死という形で大切なご家族と離ればなれになる事実は変わりませんので、深く悲しむ気持ちは仏教や神道の信仰者と変わることはありません。

キリスト教にお悔やみの言葉がない理由を詳しく説明していきます。

「お悔やみの言葉」が無い理由

キリスト教では人の死を前向きに考える教えが浸透しています。つまり、死は人生の終わりではなく、天へ召される祝福の時と捉えるのです。

いずれ人はみな天へ召されるので、いつか天国で再会できるという希望を持っています。また、魂は必ず復活すると信じられているので、キリスト教の方へお悔やみの言葉は必要ないとされているのです。

一方、日本で一番浸透しているのは仏式のご葬儀と、お悔やみの言葉を掛けることです。仏教は人の死を悼むべき出来事として捉えるため「お悔やみ申し上げます」とお伝えしたり、心の傷によりそうために「ご愁傷さまです」という言葉を用いたりします。しかし、この一般的な言葉掛けはキリスト教の場合には、適切ではありません。

キリスト教の方へ掛ける言葉は「お悔やみ」ではなく、大切な方との別れを悲しんでいる方々に対する「慰め」の言葉であることを心得ると良いでしょう。

カトリックとプロテスタントの違い

キリスト教には二種類の宗派があります。それはカトリックとプロテスタントです。同じキリスト教ではあっても、死生観に違いがあるため、マナーや言葉がけにも配慮が必要です。

ただし、どちらの宗派でも「命が神の元へ還る」といった考えが基盤となっている点は同じです。つまり、死は新たな始まりであり、復活するための祝福すべき旅立ちという点では一致しています。

【カトリックの死生観】

カトリックには死後の世界があり、生きている時の行いにより、その行き先が決められると信じられています。行き先を決定するのは神であり、死者の魂は神の前でこれまでの行いを懺悔することで、永遠の命を再び授かるのです。なお、ご遺族はご葬儀の場で魂を救うための祈りを捧げます。

【プロテスタントの死生観】

プロテスタントにも死後の世界はありますが、神の前で懺悔をする必要はないとされています。天国や地獄の概念は曖昧で、プロテスタントを信じる全ての信者が神の救いによって安らかな時を過ごせるのです。よって、ご葬儀の祈りは救いの意味ではなく、あくまで残されたご遺族の悲しみを慰める意味合いが強いです。

【文例】キリスト教式のご葬儀でかける「慰めの言葉」

ここからは、キリスト教でご遺族に掛ける「慰めの言葉」について解説していきます。カトリックとプロテスタントに違いがありますので、お声がけの際には言葉選びを誤らないようにしましょう。

カトリックのご葬儀での慰めの言葉

カトリックでは、悲しみを表す言葉を発せず、あくまで故人様が天へ召されたことに対する祈りの気持ちを表現しましょう。

【慰めの言葉例】

・「〇〇様が安らかにお眠りいただけるよう、心よりお祈りいたします。」※プロテスタントでも使用できます。

・「〇〇様の安らかな旅立ちを、お祈り申し上げます。」

・「天に召された○○様が安らかに憩われますよう、心よりお祈りいたします。」

プロテスタントのご葬儀での慰めの言葉

プロテスタントの場合は、神の元へ旅立つ魂を前向きな言葉でお伝えするとご遺族に感謝されるでしょう。イエスの言葉を交ぜると、より印象が良くなります。

【慰めの言葉例】

・「〇〇様に主イエス様のお慰めがありますよう、心よりお祈りいたします。」

・「〇〇様が神の御許で安らかに眠られますよう、お祈りいたします。」

・「ご家族皆様の上に、主イエス様の慰めと励ましが注がれますようお祈りします。」

「メール」で送る場合の慰めの言葉

慰めの言葉をメールでお送りする場合は、カトリックでもプロテスタントでも通用する「安らかな眠り」を用いると良いでしょう。

なお、お亡くなりになることを、カトリックでは「帰天(きてん)」。プロテスタントでは「召天(しょうてん)」と表現とされます。しかし、地域や教会によって言葉に違いがある場合もあります。もし言葉の表現について迷いが生じた場合は、教会の方へ事前に確認すると良いでしょう。

【メールで送る慰めの言葉例】

「○○様に出会えたことを 心より神に感謝いたします
安らかな眠りにつかれますよう お祈り申し上げます」

「ご生前のご厚情に深く感謝するとともに
○○様の安らかなるご永眠を 心よりお祈りいたします」

「御帰天(召天)の報に接し 謹んで哀悼の意を捧げます
主イエス様のお慰めがありますよう お祈り申し上げます」

キリスト教式のご葬儀でかける言葉のマナー

ここからは、言葉がけの注意点について解説いたします。

忌み言葉は用いない

忌み言葉は、他の宗教でも避けるべき言葉といわれています。以下の言葉は避けるよう留意しましょう。

・重ね言葉…いろいろ、じゅうじゅう、また、かさねがさね、次々、度々など

・不吉とされる言葉…数字の4(死)と9(苦)、数字の13(裏切りのユダ)、浮かばれない、苦しい、消える、大変

・生死を連想させる直接的な言葉…死んだ、生きていた頃、亡くなった

仏教用語は使わない

キリスト教の方に声掛けする際には、仏教用語は用いない方が良いとされています。仏教用語として認識していない言葉もあるかもしれませんが、くれぐれも気をつけましょう。

【避けるべき代表的な仏教用語】

・成仏、ご冥福、ご供養、往生、ご愁傷様、お悔やみ

まとめ

日本では大部分のご葬儀が仏式のため、いざキリスト教のご葬儀へ参列する機会があると、さまざまなマナーの違いに戸惑うこともあるでしょう。まずはご遺族の信仰する宗教を確認してから、参列することが大切です。キリスト教でのご葬儀は多くはないかもしれませんが、もし参列の機会が訪れた場合は当記事をご参考いただければ幸いです。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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