
公開日2025/12/12|最終更新日2025/12/12
家族葬とは、ご家族や故人様とご縁が深かったご友人などの少人数で行うご葬儀です。ただし、お呼びする方の基準がはっきりと定められていないため、ご親族の中でも故人様と血縁関係のない義両親については、お呼びするかどうか決める際に悩む方も多いでしょう。
そこで当記事では、義両親を家族葬に呼ぶ判断基準や、招待しない場合の断り方について解説します。
家族葬は少人数で行うご葬儀であり、参列者の範囲はご遺族の判断に委ねられています。「○○を呼ばないのは非常識」といった明確な規範はないため、一緒に暮らしていた家族だけに限定することも、親交の深い親族やゆかりのある方まで範囲を広げることも可能です。
そのため、10人以下の身内のみで執り行う家族葬では、義両親を招かないケースも珍しくありません。参列者の線引きに決まりはありませんが、実際には人数調整に悩むご遺族も多いでしょう。
義両親を呼ぶか迷う場合は、判断の基準を設けることが大切です。たとえば「義両親が遠方で移動が難しい状況かどうか」「故人様が生前に参列者の範囲を希望していたか」などを踏まえて検討すると、後々のトラブルにつながりにくい円滑な対応ができるでしょう。
ここからは、家族葬に義両親を呼ぶか否かの基準について掘り下げていきます。義両親のご招待に迷った場合の判断材料としてご参照下さい。
10人程度の参列者で家族葬を執り行う場合は、故人様の配偶者、故人様の兄弟姉妹、子ども、孫程度で行うのが一般的です。そのため、配偶者の親、つまり義両親までは呼ばないケースが多いとされています。
ただし、家族葬であっても参列者が20名を超える規模になる場合があります。この程度の人数になると、ご親族の範囲も自然と広がるため、義両親にもご案内しておいたほうが、今後のお付き合いのうえでも円満に進められます。
家族葬に義両親を招くかどうかは、故人様の遺志や喪主の意向を優先して判断して差し支えありません。故人様が生前どのように望んでいたかを基準にして決めることも一つの方法です。また、ご家族以外の参列者へ十分に対応できない状況であれば、参列をご遠慮いただく理由として適切です。
ご遺族が、義両親と住まいがご近所であったり、普段から懇意なお付き合いがあったりする場合は、将来の関係性を考えた方が良いでしょう。家族葬に呼ばれなかったことで、両家の間に亀裂が入る可能性があるなら、義両親もお呼びするのが無難です。
ご葬儀に呼ばないとなると、トラブルを回避するためにも義両親が納得できるような説明や理由が必要となるでしょう。ここからは、家族葬に呼ばない義両親への通知方法を、例文と共に解説します。
ご葬儀に義両親を呼ばない場合は、ご葬儀の後に手紙やハガキで連絡するケースが増えています。ご葬儀後の二週間以内をめどに、死亡通知を送るようにしましょう。文章には以下の内容を入れるよう意識します。
・故人様の死去
・家族葬で執り行った旨
・家族葬の理由(故人様の遺志など)
・お詫びの言葉
・香典、供花、弔問事態の旨(必要な場合)
・生前に受けた感謝
・気遣いの言葉
・差出人(喪主)の情報
また、死亡通知では最初の文字を下げず、時候の挨拶も入れません。ここでは横書きになりますが、基本は縦書きで句読点を付けず、薄墨で記載します。
去る ○○月○○日 母 ○○○○儀
かねてより入院加療中でありましたが
去る20○○年○○月○○日 82歳にて他界いたしました
ここに生前の厚誼を深謝し 謹んでご通知申し上げます
葬儀につきましては 故人の遺志により○○月○○日 近親者のみで滞りなく相済ませました
本来であればご一報申し上げるところ 事後のご通知になりましたこと 何卒ご容赦ください
弔問 香典 供花のご厚意につきましては 誠に勝手ながら母の希望を尊重し ご辞退申し上げます
○○家の皆様におかれましても くれぐれもご自愛くださいませ
令和○○年○月
〒○○○ー○○○○
東京都○○区○○ 1丁目2番
電話 ○○(○○○○)○○○○
喪主 ○○○○(フルネーム)
死亡通知は早めの方が良いという考えの方は、ご葬儀前に通知する方もいます。なお、書き方のマナーはご葬儀のお手紙と同じです。
去る ○○月○○日 父 ○○○○儀
去る20○○年○○月○○日 天寿を全うし92歳の生涯を閉じましたこと謹んでご通知申し上げます
葬儀につきましては 父の希望により家族のみで執り行う予定です
参列 弔問 香典 供花のご厚意につきましては
誠に勝手ながら 故人の遺志によりご辞退申し上げます
ほかの皆様には葬儀後にお知らせいたしますので どうぞご内聞にお願い申し上げます
ここに生前のご厚誼に心より感謝し 謹んでお礼申し上げます
令和○○年○月
〒○○○ー○○○○
東京都○○区○○ 1丁目2番
電話 ○○(○○○○)○○○○
喪主 ○○○○(フルネーム)
家族葬は、基本的に近親者のみで執り行う形式であり、多くの参列者に対応する余裕がない場合や、故人様の遺志に基づいて選ばれることが一般的です。そのため、義両親をお招きしなくてもマナーに反するものではありません。
一方で、義両親から強い参列の希望がある場合や、家族葬の規模が当初の想定より大きくなる場合には、参列をお願いしたほうが、後々の誤解や不調和を防ぐうえで適切です。
ご遺族にとって、逝去直後は平静を保ちにくい時期です。しかし、故人様の意向を事前に確認しておくことや、参列範囲をあらかじめ整理しておくことで、突然の事態においても落ち着いて対応しやすくなります。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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