
公開日2025/12/12|最終更新日2025/12/12
現在お付き合いしている方のご家族がご逝去された際、どう寄り添うべきなのか、ご葬儀には参列すべきなのか悩むことになるかもしれません。当記事では、付き合っている恋人が悲しみに暮れている時、どのような言葉を掛けるべきか、またはメッセージを送る際の例文や、ご葬儀に参列すべきか否かも解説します。
まずは恋人が苦しい状況の中で伝えてくれた気持ちを丁寧に受け止め、落ち着いて向き合うことが大切です。あなたが冷静に寄り添うことで、恋人は安心しやすくなります。
人はつらい状況では、特に信頼している相手に気持ちを打ち明け、心の支えを求めることがあります。その思いに応えるためにも、真摯なふるまいが求められます。
ここからは、恋人として訃報を受け取った際に、傷ついている相手へどのような言葉をかければよいのか、気遣いのポイントをご紹介します。
お相手のご家族への弔意を込めて、「お悔やみ申し上げます」などの丁寧なお悔やみの言葉を最初に伝えます。
恋人から訃報を知らされる場面は、電話やメール、あるいは直接会ったときなどさまざまです。どのような形であっても、まずは落ち着いて受け止め、お悔みの言葉を述べ、悲しみに寄り添う姿勢を示すことが大切です。
お悔やみの言葉は丁寧に伝えることが大切ですが、その後に必要以上に距離を置いたり、形式ばった態度になりすぎたりすると、かえって気まずさを生むことがあります。無理に励まそうとする必要はなく、相手の表情や様子を見ながら、そっと寄り添う姿勢を示すだけでも支えになります。
かける言葉も、難しく考える必要はありません。「つらかったね」「良かったら力になるよ」「無理しないでね」など、シンプルな一言で十分です。恋人とご家族との関係性や状況を踏まえつつ、相手が少しだけ気持ちを緩められるような言葉や、体調を気遣うひと言を選ぶよう心がけましょう。
一方で、深い悲しみの中にいる相手に対しては、避けた方がよい言葉もあります。まず、恋人に限らずご遺族へ故人様の亡くなった理由を尋ねることは、一般的にマナー違反とされています。ご家族との別れを受け止めている最中に、経緯を詳細に説明させることは大きな負担になりかねません。
また、「頑張って」「元気出して」「早く忘れた方がいいよ」といった励ましも、この状況では適切とはいえません。大切な方と二度と会えない直後に、そのような気持ちになれないのはごく自然なことです。すでに相手は、つらい状況の中であなたに知らせるという行動自体に心を使っている場合もあります。そこへ「頑張って」という言葉を重ねると、意図せず相手の負担を増やしてしまう可能性があります。
さらに、気遣いのつもりで「大丈夫?」と声をかけることがありますが、この言葉も慎重に使う必要があります。大切な方を失った直後に「大丈夫」と言える人は多くありませんし、返答に困らせてしまうケースもあります。
「その気持ち、よくわかるよ」という言葉も控えめにした方が無難です。相手の気持ちに寄り添いたい意図があっても、受け取る側からすると「気持ちを分かったつもり」と感じられ、余計に心の距離を生んでしまうことがあります。
少し話ができる状態なら、何らかの助けにならないかを伺うのも良いでしょう。「できることがあったら言ってね」「良かったら頼って、力になるから」「手伝いが必要ならいつでも声を掛けて」などが良いでしょう。
ただ、お相手に話ができる余裕がない場合は、そっと側に寄り添うだけでも構いません。厚意の言葉は、しつこくなりすぎないよう心掛けることも大切です。
ここからは、ご家族を失った恋人にかける「言葉の例文」を挙げていきます。決して正解はないので、状況や空気を読みながらお伝えするようにしましょう。また、メールでお悔やみを送る場合は以下の点に注意します。
・句読点を付けない
・忌み言葉(重ね言葉)を使用しない
・スタンプや絵文字を使わない
・言葉は簡潔にまとめる
なお、ご遺族の宗教が不明な場合は、仏教用語を避けて言葉を選びましょう。以下の例文では、宗教問わず使用できるお悔やみ言葉を用いています。
丁寧で格式を崩さない文体のため、恋人に限らずご友人・知人にも使える一般的なお悔やみの言葉です。状況を選ばず送れる、もっとも無難な表現の例としてご紹介します。
突然のことで言葉もありません 心よりお悔やみ申し上げます
つらい時でしょうから どうか無理はしないでください
なお お返事は気にしなくて大丈夫です
このたびは謹んでお悔やみ申し上げます
○○さん(お相手の名前)を思うと言葉になりません
手伝えることがあればお声がけください
メールの返信は不要です どうかご自愛ください
○○様(故人様の名前やお父様、お母様など)のご逝去を悼み 心から哀悼の意を捧げます
大変な時に知らせてくださりありがとうございます 何かできることがあればお声がけ下さい
お返事は不要です お体大切にしてください
男性から女性へ向けた言葉として、恋人同士ならではの親しみや温かさを含めた文体です。丁寧さを保ちながら、そっと支える気持ちが伝わる表現にしています。
大変な時なのに連絡ありがとう
心からお悔やみ申し上げます
無理はしてないかな 体調には気をつけてね
何か力になれることがあれば いつでも連絡ください
返信には気を遣わないでね
女性から男性へ向けたメッセージ例として、相手を気遣いながら落ち着いた優しさが伝わる文体にまとめています。恋人として寄り添う気持ちをさりげなく示す内容です。
思いがけないことで言葉が見つかりません
心より哀悼の意を表します
もし何か手伝えることがあれば いつでも声をかけてね
どうか無理はしないで 体に気をつけてください
落ち着くまで返信は気にしないでね
恋人のご家族のご葬儀に参列するかどうかは、恋人やご家族との関係性によって判断が分かれます。長く付き合っている、日頃からご家族と交流がある、同棲に際して許可を得ているなど、一定の関わりがある場合には、参列を検討する方が多いようです。
また、ご葬儀の形式によっても対応は異なります。一般葬であれば、参列者として参加できることが一般的ですが、家族葬の場合はご招待がない限り参列を控えることが望ましいとされています。
とはいえ、最も重視したいのは恋人自身の意思です。参列してほしいという希望があれば、検討するとよいでしょう。ただし、家族葬の場合は喪主の了承の有無を確認しておくと安心です。許可がある場合には、これまでに面識があったかどうかにかかわらず、参列して問題ありません。
一方で、「ご葬儀に来なくても大丈夫」だと伝えられた場合は、その意向を尊重して参列を控えるのが良いでしょう。ご葬儀は非常に繊細な場であり、恋人だけでなくご家族の状況やお気持ちが影響していることもあります。たとえば、ご家族に心の余裕がない、遠方から来てもらうことに負担を感じている、故人様の遺志として家族だけで見送りたいといった事情があるのかもしれません。
そのため、参列を断られたとしても、必要以上に気に病まないことが大切です。また、ご葬儀に関する案内が特にない場合は、参列してよいかどうか、あるいは参列できない場合に弔電を送っても差し支えないかなど、恋人にさりげなく確認してみると安心です。
ご家族の死で深い悲しみに沈む恋人にとって、ご葬儀の前後は非常にセンシティブな時期となります。掛ける言葉一つでも傷が深くなる場合があるので、相手の立場に立ってつらい感情を共有し、お声がけは思いやりを持って慎重に行います。ご葬儀の参列についても、恋人やご遺族の意思に従って出欠を決めましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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