
公開日2020/04/24|最終更新日2020/04/24
ご葬儀の日に降る雨を「涙雨」と言うように、お通夜式やご葬儀・告別式の執り行われる日が雨であることは珍しくありません。ご葬儀が梅雨の季節に行われるならば、尚更です。そんな雨の日のご葬儀に出向く時、喪服や香典などはきちんと用意をしたものの、レインブーツ、レインコートを着用しても問題ないのか、傘の色味はこれでいいのかとご心配になる方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、雨のご葬儀にレインコートやレインブーツの着用は可能なのか、ご葬儀に適した傘の色やビニール傘についてご紹介します。
ご不幸はいつでも急にやって来ます。その上、天気はご葬儀に配慮してくれませんから、お通夜式やご葬儀・告別式の日が雨であることも珍しくありません。悪天候だからとご葬儀が中止になることはよほどのことがない限りあり得ませんから、雨風の強い日にご葬儀に会葬する際に、レインコートやレインブーツを着用して会葬したいこともあるでしょう。
しかし、ご葬儀にレインコートやレインブーツを履いて会葬してもよいのでしょうか。結論から先に述べますと、きちんと雨除けをしないまま、ずぶ濡れの姿でご葬儀に会葬することが失礼に当たるため、ご葬儀にレインコートやレインブーツを履いてすること自体に問題はありません。
ご葬儀にレインコートやレインブーツを着用することは問題ありませんが、では、どのような物を選べばよいのでしょうか。
まず色ですが、黒や紺、グレーなどの地味な色味のものを選び、派手な色味や柄物は避けます。デザインはスタンダードなもので、金具や華美な装飾のないものを選びましょう。
ご葬儀の会場前に到着したら、レインコートとレインブーツはすぐに脱いで、持参したご葬儀用の靴に履き替えます。雨水で濡れたままのコートやブーツから雫を落として会場の床を濡らさないように、すぐに持参した袋などにしまってください。この時、タオルがあるとさっと拭き取れるので便利です。
脱いだブーツやコートを入れた袋は大荷物になります。そのまま手持ちでご葬儀会場を移動するのは大変ですから、受付でお願いして預かってもらうのがスマートです。
預けることで荷物に気を取られることなく身軽になりますし、席に座る時も他の方に迷惑を掛けることがありません。ただし、貴重品だけは手元に持つようにしてください。
ご葬儀に使用する傘は、喪服やバッグなどの弔事の装いが黒で統一されていることから分かるように、最も相応しいのは黒色のシンプルな傘になります。しかし、手持ちの傘に黒色のものがないこともあるでしょうから、紺や暗いグレーなどの落ち着いた色味のもので、控え目な刺繍や目立たないストライプ程度であれば柄があっても問題ありません。反対に派手な色使いや目立った柄物などの傘は、弔事ではマナー違反になります。
また、近年ではご葬儀会場でビニール傘が貸し出されている所もあり、透明や白色でシンプルなビニール傘であればご葬儀に使用しても問題ありません。手持ちの傘に黒や落ち着いた色味のシンプルな傘がない時は、ビニール傘を持っていきましょう。
なお、折り畳み傘でご葬儀に会葬しても問題ありません。その際は通常の傘と同じように、落ち着いた色や柄のものを使用しましょう。黒い折り畳み傘であれば、小さくてかさばらないため、1つ用意しておいても良いでしょう。
実際にご葬儀が始まると、自分の傘を使う場面はほとんどないのが実情です。使用するとすれば、ご葬儀会場の行き帰り、出棺の時の最後のお見送り、火葬場に到着してから移動するタイミングになります。出棺時の最後のお見送りは、ご葬儀会場によっては雨に濡れずに見送れる場所まで誘導されることもあり、昨今ではビニール傘の貸し出しのある葬儀会場も増えています。
こうしたことから、ご葬儀の最中に自身の傘を使う機会はあまりないと言えますが、それでも弔事の場において適切な服装や小物選びをすることはマナーでありご葬家に敬意を表すことですので、留意しましょう。
生前故人様と良いお付き合いをさせていただいたのに、その方のご葬儀で場に相応しくない格好をしてしまうと、例えそれがレインコートや傘などでも目立ち過ぎてマナー違反と捉えられ、ご遺族に弔意が十分に伝わらないといったことになりかねません。
その場に相応しい装いを整えることは相手を思いやり、敬意を表すことです。ご葬儀には故人様とご遺族への礼儀と大人のマナーとして、相応しい姿で臨みましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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