2020-05-08
火葬の後のご収骨が終了し、ご遺骨を自宅に持ち帰る際、大切なご遺骨ですので、自家用車やタクシーを利用して自宅に帰る方が多いと思いますが、どのような点に注意して運ぶとよいのでしょうか。また、新幹線や飛行機などの公共交通機関を利用してご遺骨を運ぶ際に配慮すべきことには、どのようなことがあるのでしょうか。
そこで今回は、故人様の大切なご遺骨を運ぶ際に注意すべきことについてご紹介します。
火葬場でご収骨が終わると、係員の方がご遺骨を納めた骨壺を骨箱に入れ、風呂敷などに包んで渡してくださいます。ご遺骨が収められた骨壺は、成人男性の場合3kgくらいの重さになります。また、陶器で作られている骨壺は、特に壊れやすいので、持ち運びは十分に注意しなければなりません。
自家用車やタクシーに乗りご遺骨を運ぶ際は、喪主もしくはご親族がご遺骨を納めた骨箱を抱くように運びます。骨箱を持つ人がいない場合は座席に安置し、急発進や急ブレーキなどに対応するため、シートベルトなどできちんと固定するようにしましょう。
ご遺骨を離れた場所に持っていきたい場合、自家用車やタクシーなどを利用できるとは限らず、新幹線や飛行機といった公共交通機関を使ってご遺骨を運ぶことも考えられます。そのような場合はどのようにするのがよいのでしょうか。
電車や新幹線には、当然のことながら他の乗客もいらっしゃいます。そのため、骨壺を風呂敷などで包んで、他の乗客に配慮してご遺骨を運ぶようにしましょう。前述のように、骨箱は壊れやすいものなので持ち運びには十分に注意しましょう。最近では、持ち手がついたご遺骨を運ぶ専用のバッグも販売されておりますので、それを利用してもよいでしょう。
ご遺骨を国内線(JAL、ANA)の機内に持ち込むことは可能です。バスや電車、新幹線を利用してご遺骨を運ぶ時と同様に、他の乗客に配慮するようにしましょう。ご遺骨の国際線機内への持ち込みは、各社によって対応が違うので事前に調べてから搭乗することをおすすめします。安全上の都合から手荷物扱いになる場合もあるので、係員の指示に従って運ぶようにしましょう。
なお、国内線・国際線ともに保安検査場で中身が判明しないなど、検査で反応があった際は、詳細な検査が必要になります。念のため、火葬許可証や埋葬許可証などの書類も準備してから搭乗するようにしましょう。
様々な理由で、どうしてもご自身でご遺骨を運ぶことができない方もいらっしゃると思います。そういう時に、宅配便を利用できるのでしょうか。
多くの宅配便を取り扱う会社では、約款などでご遺骨の引き受けをしない(引受拒絶)と決めており、送ることができないケースがほとんどですが、国内であれば郵便局の「ゆうパック」で、ご遺骨を送ることはできます。
ゆうパックを利用する際は、輸送の時に骨壺が壊れないように緩衝材でしっかりと梱包するようにしましょう。ご自分で梱包することが難しい方は、ご遺骨梱包キットというものも販売されていますので、これを利用してもよいでしょう。頑丈に梱包をしたら、送り状に「割れ物」と書いて郵送します。
なお、お寺や霊園にゆうパックを利用してご遺骨を郵送される場合、お寺や霊園によっては郵送でのご遺骨の受け取りをしていないこともありますので、事前にお寺や霊園に確認をしておきましょう。
遠隔地に納骨するためや身体が不自由で動けないなど、様々な理由からご遺骨を運送するケースがあります。また、近年では、ご遺族の高齢化や核家族化といった要因から、お墓の改葬や墓じまいをされる方が増えてきました。それに伴いご遺骨の運搬も増えてきましたが、ご遺骨はとても大切なものですので、運搬方法については事前にしっかりと検討されることをおすすめします。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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