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安置所で面会する際のマナー|服装などの最低限の知っておくべきポイントを解説

公開日2025/11/14|最終更新日2025/11/14

お亡くなりになった際、お通夜やご葬儀の前にご遺体を別のスペースへ一時的に安置します。この場所を安置所といいます。故人様と面会するため入れる方は限定されるため、一生のうちでも入る機会は少なく、準備や対応に戸惑う方が多いのではないでしょうか。

そこで当記事では、安置所で故人様と対面する際の流れ、マナーや服装について徹底解説します。

安置所(安置室)とは?

安置所とは、お通夜やご葬儀、火葬までの間、故人様のご遺体を一時的に保管する場所のことです。遺体安置所、遺体ホテル、死体保管所、死体公示場とも表現されることがあります。

施設によっては冷却装置が用いられており、数時間~数日間安置する場合は腐敗を遅らせるため2~4℃の間で保管されます。また、司法解剖が必要なご遺体を安置する場合は、状態を維持させるため-15~-25℃ほどの低温で管理されることになるでしょう。

安置所での面会を許される方は?

安置所で面会できるのは、以下の方のみに限定されるのが一般的です。

・喪主

・ご遺族

・ご親族

面会できるのは、喪主や配偶者を含むご家族や、血縁関係のある方が基本です。ただし、故人様と特別な関係にあった方(内縁の配偶者、恋人、親しい友人など)も、ご遺族の許可があれば面会できる場合があります。

面会人数は一般的に2~5名までとされていますが、施設によっては10名まで入室可能な場合もあります。

安置所で面会する際のマナー

近年では、葬儀社の安置所を利用する方が多い一方で、自宅にドライアイスを使って安置するケースも見られます。いずれにしても、ご遺体が安置されている場所は、故人様が静かに眠る厳粛な空間です。そのため、面会時には配慮ある行動が求められます。

ここからは、安置所で面会する際に知っておくべきマナーについてご紹介します。なお、会場の規定やご遺族の意向によって異なる場合もあるため、不明な点があれば事前に確認し、ご遺族への配慮を忘れないようにしましょう。

喪主・ご遺族に事前連絡する

故人様と安置所で面会したい場合、ご自身が血縁者でない、あるいは遠い親戚である場合は、必ず事前に喪主やご遺族へ連絡を入れましょう。なぜなら、安置所では管理者や葬儀社を通じて面会時間の予約が必要になることが多いためです。

また、ご自宅に安置されている場合でも、ご遺族の都合がありますので、突然の訪問はマナー違反となります。血縁の深い方や、故人様と特別な関係にあった方以外は、できるだけお通夜やご葬儀の場で対面するのが望ましいでしょう。

喪服での面会はNG

喪服での面会は、「亡くなることを予期して準備していた」と受け取られる恐れがあるため、マナー違反とされています。服装はお通夜と同様、「突然の訃報を受け、急いで駆けつけた」と受け取れる服装で伺いましょう。

ただし、華美な服装はNGです。暗めのグレー・黒・濃紺などの無地の普段着を選びましょう。

男性は暗色のビジネススーツ、女性はワンピース・ツーピース・パンツスーツなどで構いません。いずれも光沢のない生地が望ましく、スカートは膝が出ない丈にします。

メイクは控えめにし、アイシャドウはブラウンやベージュ程度に。チークのツヤ感は避け、口紅は薄いベージュや肌色、もしくは無色のリップクリームを使い、上品で落ち着いた印象を心がけましょう。

逆にノーメイクはカジュアルでだらしない印象をあたえてしまいます。故人様やご遺族へ敬意を表すためにもベースメイクは整えていくのがマナーです。

以下に避けるべき服装や小物をまとめましたので、面会時の参考になれば幸いです。

■服装に関する注意点

・派手な色の服(明るすぎる赤やピンクなど)

・露出度の高い服(ノースリーブ、ミニスカートなど)

・デニムやTシャツなどカジュアルすぎる装い

・光沢のある生地(ラメ、ラインストーン付きなど)

・喪服

■小物・アクセサリーに関する注意点

・エナメル素材などツヤ感の強い靴・バッグ

・結婚指輪以外のアクセサリー

・殺生を連想させるファーや動物柄のアイテム

服装に迷う場合は、お通夜に参列する際と同程度の慎ましさを意識すると安心です。なお、施設ごとに服装の規定が異なる場合もあるため、事前にご遺族へ確認しておくことも大切です。

香典を持参する必要はない

安置室に香典を持参するのは、喪服と同様に「亡くなることを予期していた」と受け取られる可能性があるため、マナー違反とされています。

何かを手渡したいと感じた場合は、故人様が好まれていたお菓子やお花など、形式ばらないものを選ぶのが良いでしょう。ただし、持参の可否は必ず事前にご遺族へ確認してください。

なお、お通夜やご葬儀に参列できない場合は、香典をお渡ししても良いでしょう。

長居はしない

故人様とできるだけ長く過ごしたい気持ちは当然ですが、ご遺族の心身の負担を考慮し、長居は避けましょう。施設によっては面会時間が決められていることもありますので、事前に確認し、滞在は短時間にとどめます。

また、場の雰囲気によっては、故人様にまつわる思い出話を軽く交わすことで、ご遺族の気持ちが少し和らぐこともあります。ただし、死因についてはご遺族から話がない限り、こちらから尋ねるのは避けましょう。

故人様の顔・身体に触れない

故人様との対面時、顔に白い布が掛かっていることがありますが、それに手を触れるのはマナー違反です。白布は、ご遺族または会場スタッフが外すまで待ちましょう。

また、故人様の顔や身体に触れることも控えてください。感染症のリスクや、整えられたお顔が崩れてしまう恐れがあるためです。

安置所で面会する際の手順

ここからは安置所に到着してから故人様に面会するまでの手順をご案内します。なお、スタッフやご遺族から指示があるまでは、勝手に行動するのを控えましょう。

①ご遺族にお悔やみの言葉を伝える

まずはご遺族にお悔やみの言葉を伝えます。どの宗教でも失礼にならないお悔やみ言葉を用意しておくと良いでしょう。

【お悔やみの例文】

・心よりお悔やみ申し上げます。

・謹んでお悔やみ申し上げます。

供物を持参した場合は、ご遺族へ言葉を掛けた後に手渡しします。

②ご遺族に勧められたら焼香をする

ご遺族への挨拶が済んだあと、焼香を勧められましたらご焼香します。ご焼香の方法は宗派によって違いますので、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。また、当日会場スタッフが教えてくれる場合もありますし、不明ならば葬儀社や会場スタッフに伺いましょう。

③故人様と対面する

焼香の後は、ゆっくり故人様の方へ進み一礼します。会場によっては立ったままだったり正座できる環境であったりとさまざまです。次は、ご遺族か会場スタッフに故人様のお顔に掛かった白い布をとってもらいます。

白い布が外されたら、故人様に向かって静かに合掌し、心の中で故人様の安らかな眠りを祈ります。合掌を解いたら故人様に一礼しましょう。その後は一歩下がり、ご遺族の方へ向き直って一礼します。

まとめ

安置所は、葬儀社が厳重に管理していることが多く、自由に出入りできる場所ではありません。故人様と面会したい場合は、まず葬儀社やご遺族の了承を得ることが大切です。特にご遺族以外の方は、必ず事前に連絡を取りましょう。

また、施設ごとに面会の時間やルールが異なるため、指示に従って行動することが求められます。故人様との最後の時間を大切に過ごすためにも、礼儀と周囲への配慮を忘れず、落ち着いた対応を心がけましょう。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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