2023-07-21
日常が多忙であったり、お墓が遠方にあったりすることから、長期連休のひとつのお盆休みにお墓参りをする方も多いでしょう。しかし、具体的にいつ行けば良いのか、実際にどんな準備をすれば良いのか分からない方も少なくありません。
本記事では、お盆期間中のお墓参りについて解説します。また、お供え物などお墓参りに必要な持ち物についても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
地域により日程の違いは存在するものの、お盆の期間については8月13日~8月16日の4日間が一般的とされています。2023年(令和5年)も特に変わりありません。
しかし、この日程の中で、本来はどの日にお墓参りへ行くのが正解なのか迷う方も多いでしょう。結論を述べると、お盆期間中はどの日にお墓参りに行っても問題はありません。ただし、最適だと考えられているタイミングは存在しますので、次項で詳しくご説明します。
お盆とは、ご先祖様をはじめ、亡くなった方々があの世からこの世に帰ってくる期間を指します。年間の中では最も死者供養が盛んになる時期です。
8月13日はお盆の初日で「迎え盆」と呼ばれています。一般的には、迎え盆の日にご先祖様をお迎えし、お盆期間中は御霊とともに過ごすことが良いといわれています。
お墓参りの時間帯については、ほかの用事よりも御霊への参拝を優先させるという古くからの習わしに沿って、可能な限り午前中に行くのがマナーです。迎え盆の日も、午前中にお参りを済ませるのが最適といえるでしょう。
お盆のお墓参りは、最終日である16日に行う方も少なくありません。夕方に送り火を焚き「どうぞご無事にお帰りください」との気持ちを込めて、ご先祖様をあの世へ送ります。
ここで気をつけるべき点は、日が暮れる前にお参りを済ませることです。日が沈むと、お墓の清掃が難しくなるほか、足元が見えづらくなるなど事故の危険性も高まります。夜間のお墓参りは避け、明るい時間帯にお送りするようにしましょう。
お墓参りをする際の持ち物は、お供え物のほか、お墓を手入れする掃除用具などがあります。
<お供え物>
・生花(一対)
・お線香
・ロウソク
・お供え用のお菓子や飲み物(水やお茶)
・供物を置くための半紙
<その他必要な持ち物>
・数珠
・ライターなど
・タオルや雑巾(2~3枚)
・お墓の掃除用品(タオル、柔らかいスポンジ(柄付きだと便利)、毛の柔らかいブラシ)
・持ち帰り用のゴミ袋
また、寺院や霊園にある墓地は、柄杓(ひしゃく)や手桶を備えていることがほとんどです。もし見当たらない場合、管理者の方に相談して用意してもらうようにしましょう。
生花を霊園など現地で購入した場合、茎の長さを切ってもらえます。持参した場合は、「花ばさみ」があると自身で長さを調節できて便利です。また、「軍手」もあれば手を汚すことなく掃除できます。
結論を述べると、特に服装に関する決まりはなく、通常のお墓参りであれば、普段着で問題ありません。お墓の掃除もすることも踏まえて、汚れても問題ない服で行くのが良いでしょう。
なお、場所的なことを考慮しますと、過度に柄が派手な服や派手なアクセサリー、香りの強い香水などは避けるのが無難です。また、足場の悪いところもあるかもしれませんので、転倒を防止する意味でもハイヒールなどかかとの高い靴は避けましょう。
仏教では、お墓参りをすることで故人様やご先祖様の冥福を祈ります。また、一人ひとりがご先祖様より与えられた命に感謝しつつ、ご家族の幸せも祈願するのが一般的です。トラブルなく済ませられるよう、正しいお墓参りの手順を押さえておくようにしましょう。
霊園(菩提寺)に到着したら、まずは手をきれいに洗います。寺院墓地の場合は、本堂へ参拝した後にお墓へ向かいましょう。なお、寺院墓地内に永代供養墓や共同墓などの合祀墓がある場合は、そちらへのお参りも忘れずに行います。
また、故人様やご先祖様のお墓に向かう前には、手桶や柄杓をお借りして、お墓掃除や墓石にかけるための水を汲んでおきましょう。
故人様やご先祖様のお墓の隣にお墓があれば、そちらにもお参りしたくなるのが心情です。しかし、地域や菩提寺によっては他人のお墓へ入ることをマナー違反と捉える場合もあるので注意が必要です。隣のお墓にもお参りを行いたい場合は、一度お墓を管理する方へ確認してみるのが良いでしょう。
故人様やご先祖様のお墓に到着したら、お墓参りよりも先にお墓掃除を行います。まず敷地内の雑草や枯れ葉などのゴミを取り除き、次に墓石の汚れを落とします。
もし汚れがひどく苔も生えているような場合、水をかけてスポンジなどで擦りましょう。墓石周りにある水鉢や花立てなども丁寧に洗い、最後にタオルなどで水気を拭き取ります。
墓石以外では、花立てや線香受けを洗い、落ち葉や雑草を取り除くようにしましょう。このとき、隣の植栽がはみ出していたとしても、勝手に切ってはいけません。隣の墓地の所有者に許可を取る必要がありますので、気になるときは寺院に相談しましょう。
半紙を敷いて、その上にお供え物を置きます。生花の茎の長さをそろえ、新しい水を入れた花立てに供えます。お供え物は、季節の果物や故人様がお好きだったお菓子・お花を供えると喜ばれることでしょう。
ロウソクなどを使ってお線香に火をつけたら、故人様と縁が深い人から順に、お線香を線香受けに寝かせ(立てる場合もある)、合掌礼拝を行います。このとき墓石の前にしゃがみ、数珠があれば手にかけて拝みましょう。合掌中、唱えられる方は、お経をあげると良いでしょう。
カラスに荒らされないように、お供えした飲食物は持ち帰ります。掃除などで出たゴミも持参したゴミ袋に入れて持ち帰りましょう。
お墓参りをする際に注意しなければならないことがいくつかあります。以下に気をつける点をまとめましたので、ご参照ください。
・掃除ができるように動きやすく、落ち着いた服装でお参りする
・お墓を磨く際、金属製のタワシなど傷がつくもので磨いてはいけない
・お墓が傷む場合があるので、墓石に水をかけたままにしない(地域や宗教により異なる)
・お酒を墓石にかけてはいけない
・お線香の炎が強く事故につながるおそれがある場合、手であおいで消す
・お供え物を置いて帰らないこと
お盆の時期とはいえ「必ずしもお墓参りへ向かわなければいけない」ということはありません。外せない用事があったり猛暑が続いていたりする場合は、「お墓参りを前倒しにする」「涼しい気候の日に行く」など、無理のないタイミングでお墓参りをすると良いでしょう。
お盆に限らず、お墓参りには守るべきマナーが多々存在します。お盆の意味やお墓参りの正しい作法をしっかりと理解したうえでお盆を迎えることは、ご先祖様のよりよい供養につながります。大事なご先祖様のためにも、事前に正しい知識を身につけておくようにしましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
お彼岸の時期になると、お墓参りへ向かう方が多くなります。これは日本における古くからの習わしで、主な目的はご先祖様や故人様のご供養です。ただし、お彼岸での鎮魂方法はお墓参りだけに留まらず、僧侶を招いた法要が執り行われることもあります。 そこで当記事では、お彼岸の意味や法要に関する香典のマナーについてご紹介いたします。
日本には、ご先祖様や故人様の御霊を慰めるためのお彼岸という慣習があります。あの世とこの世が最も近づくと伝えられている日に、お仏壇を清めてお供えし、お墓参りに出向いて法要を執り行うことによって、御霊のご供養をする期間です。 ここでは、お彼岸に行われる法要の意味や種類、僧侶に対するお布施の相場とお渡しする際のマナー、参列時の服装についてお伝えいたします。
夏本番を迎えてお盆が過ぎると、次にやってくるのは秋のお彼岸です。お彼岸といえばあの世とこの世が最も近づく時期とされており、ご先祖様に対するご供養でお墓参りへ向かう方も多いです。 そのような中で、もしも彼岸会(ひがんえ)へ参列したり、自宅に僧侶を招き読経をお願いしたりする場合、お布施の総額はどのくらいになるのかと悩む方もいらっしゃるでしょう。当記事では、さまざまなお彼岸の迎え方やお布施のマナーを詳しく解説していきます。