
公開日2021/06/18|最終更新日2021/06/18
日本では、人生で3回、厄災が降りかかりやすいといわれている「厄年」があるとされています。「厄落とし」は、厄年の厄を祓う行為ですが、その他にも「厄払い」や「厄除け」などもあり、それらは同様の意味があるように思われますが、厳密には違いがあることをご存知でしょうか。
そこで今回は、厄年の意味やその由来、「厄落とし」「厄払い」「厄除け」のそれぞれの意味などについてご紹介します。
厄年は、数え年で男性が25歳・42歳・61歳、女性が19歳・33歳・37歳になる1年のことを言い、その前年を前厄、後年を後厄と呼びます。厄年の中でも特に男性は42歳、女性は33歳を「大厄」と呼ばれ、特に注意が必要とされています。
厄年は平安時代の文学である『源氏物語』や『宇津保物語』に登場するなど、古くから日本では厄年に関して意識して生活をしてきました。
厄落としは、自ら災厄を作ることでそれ以降ご自身によくないことが起こらないようにすることを指します。ご自身がこれまで大切にしていたものやご自身がいつも身に着けているものを意図的に落とすことによって厄を落とすことになると考えられています。
例えば、豊臣秀吉は嫡男である秀頼が生まれた際に、兄が生まれてすぐに亡くなってしまったために、健康を祈願して秀頼が生まれてすぐに一旦捨てたという話もあります。
厄落としをどれくらい行えばよいのかに関しては、特に決まりはありません。厄年を迎える年の初詣の際に行われる方やご自身の都合のよい日に行う方、1回しか行わなかったり、何度も行っている方もいるなど、様々な場合があります。
なお、厄落としは神社やお寺で祈祷を受けることが一般的ですが、地域によっては違いがありますので、注意しましょう。ご自身が生まれ育った地域の習慣に倣いたいという方も少なくないと思います。気になる方は近隣の神社やお寺に確認するとよいでしょう。
厄落としの方法の1つとして挙げられるのが「断捨離」になります。普段使っていないものや不要になったものをまとめて片付けることで、よくないものを一緒に祓えると考えられています。
先にも取り上げたように、ご自身がこれまで大切にしていたものやご自身がいつも身に着けているものを意図的に落とすことによって厄を落とすことになると考えられています。アクセサリーや小銭など、普段身に着けているものを落とすことで厄と縁を切ることができるそうです。
また、食事を振る舞うことで厄を祓うことができるとされています。ご家族やご親族、近隣の方に食事を振る舞うことで厄落としとする地域もあります。その他にも地域によっては、高いところからお餅やお菓子をまいたり、赤飯を配ったり、宴会を開いて他の方に厄を分担してもらうといった方法もあります。
厄落としに似た言葉として「厄払い」があります。厄払いは、ご自身にとってよくないことをもたらすものを祓うために、祈願・祈祷を受けることを言います。厄払いについては、神社で受けるのが一般的です。神道の教えに則ったお祓いを行うことで、ご自身についている穢れや邪気を祓っていただき、状況の改善を図ります。
厄払いは厄年でなくとも行っていただくことは少なくありません。例えば、新車を購入した際に安全を祈願して厄払いをしてもらうこともありますし、反対にご自身やご家族に悪いことが連続して起こっている際などに厄払いをしてもらうこともあります。
厄除けとは、災厄や邪気が寄ってこないように祈願・祈祷を行ってもらうことを言います。悪いことや災いが寄ってこないように予防的に行うという意味を持っているのが特長です。なお、厄除けは神社で行っていただくこともありますが、密教系のお寺で行ってもらうのが一般的です。
厄除けも厄払いと同様に、厄年でなくとも行っていただくことも少なくありません。最近ご自身やご家族によくないことばかり起こっている・災難が続いて起こるなどの場合、その都度祈願・祈祷を行っていただくということもあります。
たとえ厄年であったとしても、人それぞれの考え方や事情が異なるため、必ずしも気を付けなくていけないわけではありません。しかし、厄年が今も守られている風習ということから、用心しても損はないではないでしょうか。気にしすぎることはよくありませんが、ご自身を大切にするということから気を付けてみるのもよいのではないでしょうか。
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