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「おりん」とはどんなもの?おりんの選び方や正しい使い方をご紹介

公開日2021/07/09|最終更新日2021/07/09

お仏壇に手を合わせる際に欠かせない仏具の1つである「おりん」。一般家庭にも多く置かれているため、目にしたことがある方は多いと思います。しかし、このおりんですが、おりんの選び方や正しい使い方などはどうすればよいのでしょうか。

そこで今回は、おりんの意味から、どのようなおりんを選んで、どのようにおりんを使用すればいいのかなどについてご紹介します。

おりんとは?

おりんは、木魚と同じく梵音具(ぼんおんぐ)という音を出す仏具の1つで、浄土真宗・天台宗では「鏧(きん)」、日蓮宗では「鈴(りん)」、その他の宗派では「鐘(かね)」などと呼ばれ、宗派によって呼び方が異なります。

おりんは金属のお椀のような形が一般的になります。これを「りん棒」と呼ばれる棒でたたくと、澄み切った美しい音で「リーン」や「チーン」といった音が鳴ります。おりんの音は、極楽浄土の仏様にまで届くと言われています。また、人々の邪気を払うとも言われており、仏様やご先祖様、故人様への祈りや供養の心をその音にのせて伝えるともされています。

おりんの種類について

おりんにはその用途や使う場面に合わせた様々なおりんがあります。おりんそのものには宗派によっての決まりはないのですが、りん台やりん布団に決まりがある宗派もあるため、どのような種類があるかを知っておくとよいでしょう。

鉢型

おりんの基本的な形は、鉢や壺のような形をしています。なお、おりんを鳴らすには「りん棒」という専用の棒が必要になるほか、直接お仏壇に置くのではなく「りん台」という土台に置き、鳴らした際の衝撃で傷が付くのを避けるために「りん布団」という中敷きを敷く

印金(いんきん)

おりんはお仏壇に置くものだと考えられがちですが、実は携帯用のおりんも存在します。それが「印金」です。印金は、持ち手の上におりんと小さな座布団が付いており、手で持ってりん棒で音を鳴らします。お墓参りや法事・法要、八十八カ所の巡礼など、通常のおりんを持ち運ぶことが難しい場合に使用されます。

高台りん

高台りんは、ワイングラスのように脚が付いているおりんで、りん台を必要としないのが特徴です。おりん自体に脚が付いているため、衝撃を吸収するりん布団を必要はないのですが、下敷きとして薄いりん敷きを使用することがあります。

モダン仏壇・洋風仏壇用

モダン仏壇や洋風仏壇が普及していく中で、仏具だけでなく、おりんも様々なデザインの物が増えてきました。例えば、鳥や果物の形を模したもの、一部がガラスや木などの異なる素材となっているもの、クリスマスのオーメンとのようにキラキラしたものなどがあります。お仏壇に合わせて好みのおりんのデザインを選ぶのものよいでしょう。

おりんを選ぶ際の注意点

おりんは比較的自由に選べる仏具ですので、基本的に選び方に決まりはないのですが、いくつか気を付けたい点があります。以下におりんを選ぶ際に気を付けたい点をまとめましたので、ご参照ください。

宗派での注意点

先にも述べましたように、おりんは比較的自由に選べますが、浄土真宗を信仰されている場合は指定があるため、注意が必要です。

まず、浄土真宗本願寺派では、丸型または六角形型のりん台を用います。丸または六角形のりん台の上に、りん布団を敷き、その上におりんをおきましょう。また、浄土真宗大谷派では、四角形のりん台を用います。本願寺派とは異なり、りん布団を敷かずに「金襴輪(きんらんわ)」という輪をりん台の上に置いてその上におりんを置きます。

音色での注意点

おりんはなんといってもその美しく澄んだ音色が特徴ですので、おりんを選ぶ際には音色の良し悪しも重要です。おりんの音色は大きさ・形状・厚み・製法によって異なるため、音を鳴らしてみて音割れがなく、余韻が長くて静かに音が消えていくものを選ぶとよいでしょう。また、おりんの音色は聞く方の好みもありますので、あまり耳障りにならないものを選ぶとよいでしょう。

お仏壇のサイズやデザインでの注意点

おりんの大きさは7~15cm程度が主流ですが、最近では近代的でスタイリッシュなものや小型のお仏壇用のおりんがあります。寺院で見かける一般的なものから、場所をあまりとらないものまで様々なサイズがありますので、ご家庭のお仏壇のサイズやデザインに合ったものを選ぶとよいでしょう。

おりんの正しい使い方とは?

せっかくいいおりんを選んだとしても、使い方を間違ってしまっては台無しになります。また、無理な使い方をしてしまうとおりんの寿命を縮めてしまう恐れがあります。おりんの使い方については宗派によって異なりますが、以下では一般的な使い方についてまとめましたので、ご参照ください。

おりんの叩き方について

りん棒をはずませるように、おりんの横を優しく叩きましょう。おりんの縁を叩く方もいらっしゃいますが、おりんが壊れる原因となってしまうので注意しましょう。なお、先にも取り上げたようにおりんは外側を叩いて鳴らすのが基本ですが、宗派や地域によっては内側から叩くこともあります。そのため、ご心配な方は事前寺院や地域のご年配の方に確認してみるとよいでしょう。

おりんを鳴らす回数について

読経の際におりんを叩くタイミングとしては、最初・途中・最後になり、鳴らす回数は宗派によって異なります。

なお、おりんをお参りの場合、お線香をあげて合掌をする前におりんを鳴らします。回数については1~3回叩くのが一般的ですが、宗派によって異なりますので注意しましょう。例えば、真言宗では1回目を強く鳴らし、2回目については弱く鳴らすようにします。他にも、曹洞宗では内側を2回鳴らす寺院や3回鳴らす寺院もあります。

ただし、浄土宗や浄土真宗の場合、読経を伴わない時にお線香をあげたり、合掌をするだけであればおりんを鳴らさないのが正しいしきたりになります。

まとめ

おりんの美しい澄んだ音は、私たちの心を清らかにし、極楽浄土にいらっしゃる仏様やご先祖様、故人様に供養の想いや祈りを届けてくれる重要な役割があります。仏具の中では目にする機会が多いもの1つですので、その役割や意味、正しい使い方を理解しておきましょう。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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