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2022-07-22

お布施のマナーや注意点とは?包む袋や封筒についても解説

ご葬儀や法事・法要などの際に「お布施」を司式者に納める機会は、そう頻繁にあるものではありません。お布施を納める際に失礼がないよう、事前に最低限のマナーは知っておきたいところです。特に初めてご葬儀や法事・法要を執り行う場合は、お布施を渡すタイミングが分からず慌ててしまったり、お布施を用意する際のマナーを知らないために意図せず失礼をしてしまったりするかもしれません。

そこで今回は、お布施の意味といった基本的なことから表書きの書き方やお金の包み方、お布施を納める際のマナーやタイミングなどについて詳しく解説します。

そもそもお布施とは何?

お布施とは、ご葬儀・法事・法要・納骨・戒名をいただく際などに、お経を唱えてくれた僧侶へのお礼としてお渡しするお金を指します。お布施の金額は一律ではなく、場面によってさまざまです。

たとえば戒名の場合、戒名の格式や宗派によって金額が変わってきます。相場は300,000~1,000,000円ほどです。ほかにも、ご葬儀の場合は150,000~500,000円ほど、納骨の場合は30,000~100,000円ほどが平均的な金額です。

お布施の本来の意味

現代では僧侶への謝礼としてお渡しするお布施ですが、本来は僧侶が悟りを開く際に行う修行の一環でした。仏教には「六波羅蜜(ろくはらみつ)」と呼ばれる修行があります。

六波羅蜜とは悟りを開くために必要な修行と考えられており、その中の1つに「貪欲な気持ちを抑えて恵みを施し、物欲を捨てる修行」として「お布施」があります。

六波羅蜜におけるお布施の意味は、「人に施しを与えること」です。さらにこの「施し(お布施)」は、財を施す「財施(ざいせ)」、真理を施す「法施(ほうせ)」、安心を施す「無為施(むいせ)」の3つに分けられます。

<お布施の種類>

1.財施(ざいせ)

金銭、衣服、食料などを施すこと

2.法施(ほうせ)

物質やお金ではなく、お釈迦様の教えを説いたり、他人のために読経をしたりすることなど

3.無為施(むいせ)

さまざまな恐怖や不安などを取り除き、安穏な心を与えること

ご葬儀や法事・法要、戒名授与などで司式者に納めるお布施は、上記3つの中で「財施」にあたります。また、司式者は読経や故人様のご冥福を祈るため、お布施の1つである「法施」を人々に行っていることになります。

お布施を包む袋・封筒は3種類

お布施を包む封筒には、一番格式の高い「奉書紙(ほうしょし・ほうしょがみ)」、最も一般的な「白無地の封筒」、比較的手軽に用意できる「のし袋」の3種類あります。次の項目では、それぞれの包み方によるマナーの違いについて解説していきます。

奉書紙

奉書紙とは、日本で古くから使われてきた伝統的な和紙の一種です。「楮(こうぞ)」と呼ばれる原料から作られており、江戸時代には公文書を残すために使われていました。

現代においても「大切な事柄を伝えるための紙」という立ち位置は変わっていません。お悔やみの場においては、「弔事を書く紙」「香典やお布施を包む紙」 として認識されています。

奉書紙でお布施を包む場合は、包み方の手順を覚えましょう。奉書紙はツルツルした面が表、ざらざらした面が裏となっているため、包む際はざらざらした面を上にして置いてください。お札を置く際は肖像画が描かれている面が上、金額が書いてある方が下に向くように置きます。

【お札の包み方】

1.奉書紙の中央に中袋を置く

2.左端を包むように折る

3.右側を折る

4.下側を折る

5.上側を折る

白無地の封筒

お布施を包む封筒の中で最も一般的なのが白無地の封筒です。ただし、白無地の封筒といっても郵便番号などが記載されている封筒はお布施を包むには不向きなため、使用しないようにしましょう。

また、封筒の中に封筒が入っている二重封筒は「不幸が重なる」といった意味を連想させるため、お布施で使用するのはよろしくありません。お札の入れ方は、肖像画が封筒の表側でなおかつ入り口側に来るように入れます。

封筒でお布施を包む際、封筒の口を閉じた方がいいのか悩む方も少なくありません。お布施の正式な包み方は、奉書紙を使用した方法となるため、本来は口を閉じないのがマナーです。しかし、大きな金額をお布施として包んだ場合は、糊付けして封をしてしまった方が良いでしょう。

のし袋

お布施を包む袋の中で手軽に用意できるのが「のし袋」です。のし袋とは金銭を入れて相手に贈るための袋のことで「お布施」「御布施」と印刷されているのし袋もあり、コンビニなどでも購入できます。お札の入れ方は、白無地の封筒と同様です。

【注意】封筒や袋に水引は必要ない

お布施を包む際の封筒に水引は必要ありません。なぜなら、お布施はあくまでも「僧侶へのお礼」として渡す気持ちだからです。一方、故人様を供養する意味合いのものに関しては、水引のついた封筒を用意する必要があります。

ただし、地方の風習によっては水引を必要としている場合もあるため、事前に地域の方に確認しておくと安心です。

お布施に関する注意すべきマナー

司式者にお布施を納める際にはいくつかマナーがあります。以下では、それらマナーについてまとめましたのでご参照ください。

袋・封筒の表書きのマナー

のし袋以外の封筒でお布施を包んだ場合、表書きは「お布施」または「御布施」と記載します。「読経料」「戒名料」と書くパターンもありますが、お布施は僧侶に対する感謝の気持ちを表したものなので「料」を用いた書き方は避けた方が無難です。

ただし、地域によっては「御廻向料(ごえこうりょう)」や「御礼」と記載する場合もあるため、地域の風習などを事前に確認しておきましょう。

また、「御布施・御布施」の書き方は仏式でご葬儀を執り行う場合に用いるものとなります。神式の場合は「御祭祀料」「御礼」「御神饌料」、キリスト教式の場合は「献金」「御礼」などと記載しましょう。

記載する際は筆や筆ペンを用い、墨の色は黒墨を使用します。お悔やみの際は、悲しみを表現するために薄墨を用いるのが一般的ですが、お布施の場合は黒墨を用います。

封筒(不祝儀袋)の下段にある名前書きには、喪主の氏名もしくは喪家の名前を書きましょう。名前はフルネーム・苗字のみ・「○○家」などさまざまな記載方法があります。

そして、裏面には包んだ金額と住所を記載しますが、金額を書く際は漢数字の旧字体を使用するのがマナーです。たとえば10.000円を包んだ場合は「金壱萬圓他」、5,000円の場合は「金伍千圓他」といったような形です。数字の最後には必ず「他」と記載しましょう。

お布施を納める際のマナー

お布施には渡す際のマナーも存在します。お布施を納める際は、素手で直接納めるのではなく「切手盆」といわれる黒塗りのお盆に載せます。切手盆がご自宅にない場合は、同じくらいの大きさのお盆を代わりに用いても問題ありませんが、葬儀社から借りられる場合もあるため一度相談してみても良いでしょう。

お布施はあらかじめ切手盆に乗せて用意しておきます。置き場所はどこでも構いませんが、床に置く場合は引きずらないように注意しましょう。床に置いてから僧侶の近くまで切手盆を滑らすことは、あまり印象が良いものではないからです。

切手盆をお持ちでない場合には、「袱紗」を使用して納めるのも1つの方法です。司式者にお布施を納めるまで、お布施は袱紗に包んでおきます。

この際、袱紗は紺色や青灰色、深緑色などの落ち着いた色を選ぶようにしましょう。紫色の袱紗は弔事・慶事どちらでも使用できるため、1つ持っておくと便利です。また、実際には袱紗の上にお布施を乗せた状態で渡しますが、このとき「お布施」の文字が僧侶から見て逆さまにならないよう注意しましょう。

ご葬儀でお布施を納めるタイミングと挨拶について

お布施を渡すタイミングと、渡す際にかける感謝の言葉について解説していきます。当日失礼なふるまいがないよう、事前にマナーを把握しておくと安心です。

ご葬儀でお布施を納めるタイミング

ご葬儀の際、お布施を納めるタイミングとして適切とされるのは主に以下のタイミングとされています。

1.お通夜式までに、寺院に打ち合わせや挨拶に伺うとき

2.お通夜式の終了後

3.ご葬儀・告別式当日に司式者がお帰りになる前

4.ご葬儀・告別式当日の翌日以降に改めて寺院に伺って挨拶するとき

どのタイミングでお布施を受け取りたいのかは、寺院によってさまざまな考え方があります。そのため、お通夜式を迎える前に寺院に「いつお布施をお渡しすれば良いですか」と確認しておくと良いでしょう。

なお、お通夜式やご葬儀・告別式の前にお布施を受け取るのは避けたいと考えている寺院も少なくありません。これは、お布施を持ったままですと式中に少々邪魔になってしまいますし、保管しておくというのも少々難しいからだと思われます。

ご葬儀でお布施を納める際の挨拶

ご葬儀の際は、一般的に以下のような挨拶をしてからお布施を集めます。

・この度の葬儀につきまして、どうぞよろしくお願い致します

・昨日、本日とありがとうございました

・先日の葬儀ではありがとうございました

人によって挨拶の言葉が異なるため、気になる方は喪主や僧侶などに確認しておくと良いでしょう。

法事・法要でお布施を納めるタイミングと挨拶について

ご葬儀と同じように、法事や法要においてもお布施を渡すのに最適なタイミングがあります。次の項目では法事・法要でお布施を渡すのに最適なタイミングや挨拶について解説していきます。

法事・法要でお布施を納めるタイミング

法事・法要でお布施を納めるタイミングとして適切とされるのは主に以下のタイミングとされています。

1.法事・法要を迎える前に、寺院に打ち合わせや挨拶に伺うとき

2.法事・法要の終了後

3.法事・法要後の食事の後

法事・法要にお布施を納める場合は、ご葬儀と異なり後日改めて寺院に挨拶に伺ってお布施を納めるということは少ないようです。なお、法事・法要を寺院で執り行う場合は、開式前にお布施を納めても問題ありません。

また、法事・法要を合同で執り行われる場合は、お布施は受付で納めるのが一般的になります。受付がない場合には、法事・法要の前に司式者に挨拶をしてから納めましょう。

いずれの場合にも、ご葬儀と同様に事前に「いつお布施をお渡しすれば良いですか」と確認しておくと良いでしょう。

法事・法要でお布施を納める際の挨拶

法事や法要の際、一般的には以下のような挨拶の後にお布施を納めます。

・この度は、どうぞよろしくお願い致します

・本日はありがとうございました。お布施をお納めください

上記のほかにもいくつかあるので、挨拶を聞きそびれないよう注意してください。

まとめ

お布施とは、僧侶に対するお礼としてお渡しする「気持ち」を包んだものです。本来は悟りを開くために行う修行の一環でしたが、現代ではお礼としての意味合いで捉えられています。

お布施には包み方から渡し方まで細かなマナーが存在し、マナーについて失礼がないよう意識することが重要です。故人様の尊厳を守るためにも、ご心配な方は事前に寺院や葬儀社に確認しておくことをおすすめします。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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