
公開日2022/04/28|最終更新日2025/09/19
法事に招かれたときのお供え物として、「どんなお菓子を選べばよいのか」「そもそもお菓子を持参して良いのか」と悩む方も多いのではないでしょうか。法事でお菓子を持参すること自体は一般的です。しかし、お菓子の種類には、ふさわしいものとそうでないものが存在するため、注意しなくてはいけません。
本記事では、法事に参列するときに用意するべきお供え物のお菓子の選び方や、のしの種類、渡す際のマナーについて解説していきますので、参考にしてみてください。
法事のお供え物でお菓子を用意する場合に、「必ずこれを用意しなければならない」という決まりはありません。しかしながら、仏壇へ供えるにあたりふさわしいものとそうでないものがあります。
お供え物のお菓子は法要が終わったあとに参列者で分ける場合もあるので、参列者や故人様、ご遺族に配慮して品物を選ぶのがおすすめです。
次の項目ではお供え物としてお菓子を用意する際の条件について解説していきます。お菓子を購入するときは、以下で紹介する内容に注意しながら選ぶようにしましょう。
地方によっては、お供え物のお菓子を参列者で分ける習慣があります。そのため、喪主やご遺族の手をわずらわせることのないよう、お供え物のお菓子は小分けに包装されているものを選ぶようにすると良いでしょう。
参列者でお供え物を分けたあとは各自で持ち帰ります。遠方から参列している方がいらっしゃる場合もあるので、お菓子は日持ちのするものを用意するようにしましょう。当日中に消費しなければならないものは望ましくありません。
参列者の年齢層は幅広く、小さな子どもからお年寄りまでさまざまです。お菓子を選ぶときには年齢層を考慮し、味にクセのあるものや、香りが強いものは避けた方が無難です。
お菓子はあくまでも「お供え物」です。包装紙が極端に派手なものはお供え物としては不向きです。お祝いでよく使用される赤や金の色はなるべく避けるようにしましょう。
生前、故人様が好んで食べていたお菓子をお供えするのもおすすめです。お供え物としてはあまり向かないものでも、好物だったのであれば許される場合があります。
お供え物のお菓子の定番は、「和菓子」と「洋菓子」です。それぞれ具体的にどのようなものが好ましいのか、リストアップしました。
【お供えに適した和菓子】
羊羹やゼリーは密封されているもの、そして個包装されているものを選ぶのがおすすめです。念のため購入時は「常温保存の有無」「消費期限」を確認しましょう。
・密封されている羊羹
・密封されているゼリー
・おせんべい
・もなか
・落雁(らくがん)
・団子
・まんじゅう
【お供えに適した洋菓子】
特に個包装かつ常温で日持ちする焼き菓子が喜ばれるでしょう。
・クッキー
・マドレーヌ
・フィナンシェ
【地域の特産品】
遠方から参列する場合は、地域の銘菓を持参するのも良いでしょう。この場合も、お供え物を選ぶ基準は同じで、個包装されており日持ちするものを用意しましょう。
和菓子であっても、上生菓子(じょうなまがし)のように、「当日中に食べ切る必要があるもの」はお供えには不向きです。
上生菓子とは、生菓子の中でも特に上質なものを指します。見た目は凛とした気品があり、仏壇に相応しく感じられるため、お供え物に選びたくなる方も多いでしょう。しかし、日持ちしない点が大きなデメリットとなるため、やはり避けるのが無難です。代表的な上生菓子には以下のようなものがあります。
【お供えに不向きな上生菓子】
・練り切り
・薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)
・求肥(ぎゅうひ)
・密封されていない羊羹
上生菓子は茶道の主菓子として用いられるほか、贈答品としても喜ばれるお菓子です。そのため、お供え物以外の場面で和菓子好きの方へ贈れば、きっと喜ばれるでしょう。
一方、洋菓子では生クリームを使ったケーキやシュークリームなど、冷蔵保存が必要で日持ちしないものはお供えには適しません。同様に、冷凍保存が必要なアイスクリームも避けた方が無難です。
お供え物は、敬意を持って故人様の仏前に捧げる食べ物のことです。そのため、ただ購入して持参すればよいというものではなく、決められた形式の「のし」を掛けることが大切です。次の項目では、お供え物を渡すときのマナーや、のしの書き方について解説していきます。当日、ご遺族に失礼のないよう、参考にしてみてください。
ご遺族にお供え物を渡すタイミングは、玄関先でお出迎えされたときです。渡すときはお供え物を入れてきた紙袋や風呂敷から出し、お供え物のみを渡します。
直接ご仏前にお供えするのはマナー違反となりますので気をつけましょう。また、お供え物を渡すときは、ひと言「ご仏前にお供えください」などの言葉をそえると、より丁寧です。
ただし、地方によっては持参した本人がご仏前にお供えする風習もあります。他の参列者がどのように渡しているか確認するか、もしくは長くその地域に住んでいる方に確認してみると安心です。
お供え物は、スーパーや和菓子店、またはインターネット通販などで購入するのが一般的です。その際は、選んだ品の箱に香典と同じ「結び切り」ののしを掛けてもらいましょう。なお、水引の色は地域によって異なり、関東では黒白、関西では黄白が広く用いられています。
お供え物のお菓子には、誰からの供え物か分かるように必ず「のし」を付けます。表書きは水引の上に記し、以下のいずれかの文字が入ったものを選びましょう。
・御供
・御供物
また、四十九日前の法事では薄墨を、四十九日以降の法要では濃墨を使うのが基本です。そのため、プリントされたのしを利用する場合は文字の濃さにも注意しましょう。もし時期に合わない色のものしかない場合は、水引のみが印刷されたのしを受け取り、自分で筆や筆ペンを使って書き入れると安心です。
さらに、水引の下にはお供え物を持参した方のフルネームを縦書きで記します。墨の色は、表書きと同じ濃さで統一してください。
お供え物をお菓子以外で用意したい場合は、基本的に「消え物」と呼ばれるものを選ぶようにしましょう。消え物とは使用したらなくなるものを指し、不祝儀を残さないようにという意味が込められています。具体的な品物は以下のとおりです。
線香やろうそくの煙には、故人様を極楽浄土まで導くという役割があります。極端に香りが強い線香でなければお供え物として用意しても問題ありません。
お花もお供え物の定番です。菊・ユリ・トルコキキョウなどを使用した供花が一般的です。最近では手入れの簡単なブリザードフラワーなども人気があります。
お供え物で果物を選ぶときには、リンゴやメロンなど丸いカタチのものが良いとされています。また、お供え物として故人様が好きだったお酒を用意するのも良いでしょう。ただし、地域によってはお酒が好まれない場合もあるので、こちらは事前確認が必要です。
お供え物でお菓子を持参するときには、なるべく個包装されており、日持ちする物を選ぶようにしましょう。参列者の年齢層やご遺族に配慮したお菓子を用意するのが大切です。お供え物を渡す際は、基本的にご遺族へ渡すのがマナーとなります。しかし、地方によっては若干違いがあるため、事前に確認するのが一番良いでしょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
家族葬といえば、身内や親しい方がごくごく少数で行うご葬儀というイメージがあるでしょう。そこで「親しい人だけの集まりなら服装は自由でいい?」「身内だけでもご葬儀なのだから服はフォーマルにすべき?」などの疑問で当日のお召し物に迷う方も多いでしょう。 そこで今回は、家族葬での服装マナーや、男女別、子どもの服装でふさわしい装いをご紹介します。
最終更新日2025/12/05
近年、ご葬儀の形式は多様化しており、従来の一般葬だけでなく、一日葬や直葬、家族葬など、小規模なスタイルを選ぶ方も増えてきました。家族葬はその中でも、ご家族や近しい親族を中心に見送る方法として広く知られるようになっています。 とはいえ、家族葬を選ぶにあたり、参列者をどこまで呼ぶべきか、親戚への連絡をどうするかなど、悩みや迷いが生じやすいのも事実です。 本記事では、家族葬を検討する際に知っておきたいポイントとして、家族葬が選ばれる背景や注意点、参列者の範囲を決める際の考え方などを、できるだけ分かりやすく解説します。
最終更新日2025/11/28
お亡くなりになった際、お通夜やご葬儀の前にご遺体を別のスペースへ一時的に安置します。この場所を安置所といいます。故人様と面会するため入れる方は限定されるため、一生のうちでも入る機会は少なく、準備や対応に戸惑う方が多いのではないでしょうか。 そこで当記事では、安置所で故人様と対面する際の流れ、マナーや服装について徹底解説します。
最終更新日2025/11/14