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2022-05-20

陰膳とは?意味合いや気をつけたいマナーについても解説いたします

ご葬儀の際、陰膳を目にしたことはないでしょうか。陰膳は、日本に古くから伝わる風習のひとつであり、現代でも故人様の無事を願って用意する方が多くいらっしゃいます。

この陰膳は仏教的な意味合いを持っており、基本的なマナーを知ってから食事を用意しなければなりません。今回は、陰膳を用意する意味や用いる仏具、置き方などの基礎知識をご紹介します。

陰膳とは?

陰膳とは、その場にはいない大切な方を想って食事を用意することです。読み方は「かげぜん」で、漢字では「影膳」と書く場合もあります。陰膳には仏教的な考えが深く関わっており、各宗派によって配置方法などのマナーのほか、必要・不要の考え方がそれぞれ異なります。

陰膳の意味合い

陰膳には、2つの意味合い があります。1つは「離れて暮らしている、もしくは長期の旅行に出かけているご家族が事故に遭ったり飢えてしまったりしないよう無事を祈るため」というものです。

今は電話やインターネットを使って簡単に連絡を取り合えますが、昔は離れた場所にいるご家族の無事を知るためのツールはありませんでした。特に戦時中は、多くの家庭で戦地に赴いたご家族の無事、安全を願い 、陰膳を準備していたそうです。

もう1つは「故人様が極楽への道中に食に困らないようにするため」という仏教的な考えによるものです。仏教では、人がお亡くなりになると49日間の旅 をしてあの世にたどり着くと考えられており、現代でも極楽浄土を願って陰膳が準備されています。陰膳を用意するのは49日までであり、それ以降は「お供え」に変わります。

陰膳は四十九日まで毎日準備するのが好ましいですが、遠く離れたご家族に向けて用意する場合には月や年に1度の頻度でも構いません。なお、四十九日法要はこの考えに則って行われており、49日目はちょうど三途の川のほとりに到着する日と考えられています。

陰膳で用いる仏具

陰膳では、仏膳椀という専門の仏具を用います。茶湯器や仏飯器は仏様へのお供えに用いる食器のため、区別して考えましょう。

基本的には下記5つの食器、台、箸を用意します。

<食器とお供えするもの>

・親碗(おやわん):ご飯

・汁椀(しるわん):お味噌汁やお吸い物

・高坏(たかつき):漬物などの香の物

・平椀(ひらわん):煮物や和え物

・壷椀(つぼわん):煮豆や和え物

基本的な置き方については、のちほど詳しく解説します。

陰膳に関するマナー

お通夜や法要などで陰膳を準備する際には、基本的なマナーを身につけておく必要があります。

<陰膳に関するマナー>

・料理は精進料理

・「おさがり」として完食する

・陰膳の置き方は宗派によって異なる

陰膳を用意する際には、上記の注意点を押さえておきましょう。

料理は精進料理

仏教の教えに倣い、一汁三菜の精進料理を準備します。この場合、古くから日本人になじみがある煮物や漬物などが好ましいでしょう。

定められた料理はないものの、殺生を避けるために動物を使った食材は使用しません。そのほかにも煩悩を呼び起こし修行の妨げになると考えられているニラやニンニクなどにおいがきつい食材も避けられています。作るのが難しい場合には、陰膳に対応した仕出し・料理店を活用すれば、ご家族の負担を軽減できるでしょう。

「おさがり 」として完食する

故人様に用意した陰膳は、会食後におさがりとして完食するのがマナーです。食べるという行為が供養につながると考えられているため、完食が難しい場合には一口だけでも口をつけるようにしましょう。

陰膳の置き方は宗派によって異なる

陰膳の置き方には決まりがあり、それに沿って準備しなければなりません。宗派によって配置場所は異なりますが、以下に基本的な置き方をご紹介します。

まずは専用の台に5つの食器と箸を並べていきます。箸は、故人様の一番近くにくるよう手前に置きましょう。並べた後は、写真や仏壇、位牌など故人様を表現するものに向けてお供えします。

食器の配置場所 は以下のとおりです。

・親碗:左前

・汁椀:右前

・高坏:中央

・平椀:左奥

・壷椀:右奥

どの食器も故人様を表現するものに向けて置きます。なかには「陰膳」と「お供え」を混合している方もいますが、お供えは仏様への捧げもののことであり、主に果物やお菓子、ろうそくや線香などを供えるため陰膳とは区別して考えましょう。

浄土真宗では陰膳は行わない

多くの仏教宗派では、故人様の極楽浄土を願って陰膳が準備されます。ただし浄土真宗では「即得往生」といって、お亡くなりになった後はすぐに極楽浄土へ行けると考えられているため、陰膳を用意することはありません。

まとめ

今回は、陰膳の基本的なマナーや意味合いについて解説しました。陰膳には「離れて暮らす大切な方の無事や安全を祈るため」「故人様が極楽へ向かう際に食に困らないようにするため」の2つの意味合いがありますが、現代では後者の考えの方が浸透しています。

配置場所や陰膳を準備するべきなのかは宗派によって異なりますので、事前にご年配の親族の方などに確認しておくようにしましょう。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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