2022-08-26
ご葬儀やお通夜に参列する際、多くの方が気にするポイントが服装です。特に寒い時期であれば、「どのようなコートを着れば良いのか」「そもそもコートを着ても良いのか」と悩む方は少なくありません。
今回は、寒い時期にご葬儀やお通夜へ呼ばれた際の防寒具の選び方について解説します。メンズ・レディース別に、デザインや色を踏まえたマナーなども紹介していきますので、お悩みの方は参考にしてみてください。
ご葬儀やお通夜に参列する場合、「喪服」を着用するのが一般的なマナーですが、「弔事専用のコート」は存在しません。そのため、基本的には自分の持っているコートの中から弔事の場に適しているものを選ぶか、適しているコートがなければ用意が必要です。
弔事の場に適しているものとして、「礼装用コート」が挙げられます。もし礼装用コートがなく、なおかつ弔事の場に適したコートも持っていない場合、何か一着用意しておいた方が良いといえるでしょう。
なお、どのようなコートを用意するべきなのかについては『お葬式に参列する際のコートのマナー』の項目で解説していきます。
礼装用コートとは、礼服を着用した際に合わせる専用のコートです。慶事・弔事のどちらでも着用できるため、ご葬儀の際のコートとしては適切といえます。
しかし、ご葬儀の案内に「平服(略喪服)」と記載されている場合は礼装用コートの着用を控えましょう。この礼装用コートは、「正喪服」「準喪服」といった格式の高い喪服を着る際に用いるものだからです。略喪服はビジネススーツに近い服装のため、かえって礼装用コートが浮いた印象になってしまいます。
いくら喪服用のコートに決まりはないとはいえ、防寒着は喪服と同じように気を遣わなければならないポイントです。次の項目では、「色」「素材」「コートの長さ」「コートの種類(デザイン)」の4つの点からご葬儀にふさわしいコートについて解説していきます。
色に関しては喪服と同様、基本的に男性も女性も「黒色」のコートを着ていきましょう。しかし、必ず黒色でなければならないというわけでもありません。
もし持っているコートに黒色のものがなければ黒に近い「紺色」や「グレー」のコートでも問題はありません。また、色の印象は見る方によって変わってくるため、「ベージュ」などの判断がつきにくい色は避けるようにしましょう。もちろん、「白」「パステルカラー」などの見るからに明るい色のコートは弔事の場にふさわしくないため、着用を控えるのが望ましいです。
素材に関しても、男女で配慮するべき点は変わりません。コートの素材は、衣ずれの音の心配がない「カシミア」や「ウール」などが理想です。
反対に避けた方が良い素材は、「ムートン・レザー・毛皮などの殺生を連想させる素材」「ビニール・ナイロン・サテンなどの衣ずれ音が気になる素材」などが挙げられます。
女性の場合、コートから喪服のスカートが見えているのはあまり印象が良くないため、身丈が長いコートを選ぶのがマナーです。男性も、できれば膝まで隠れる長さのコートを着用する方が望ましいとされています。
コートの種類(デザイン)はフォーマルを意識し、カジュアルなデザインは避けましょう。望ましいのはチェスターコートや、ロングタイプのステンカラーコートです。反対に、以下のようなデザインは避けた方が無難といえます。
・トレンチコート
・ダッフルコート
・モッズコート
・レースなどの装飾が多いコート
・光沢がある素材のコート
・原色や明るい色のボタンがついているコート
・金具が金・銀などの派手なコート
上記のほかにも、フード付きのコートはカジュアルな印象になってしまうため、弔事の場には適していません。仮にフードが取り外し可能なデザインだったとしても、そのようなコートはデザイン自体がカジュアルである場合が多いので、着用するのは控えた方が無難といえます。
寒い時期に欠かせない防寒着として、ダウンコートがあります。近年では、ご葬儀に黒のダウンコートを着てくる方が増えてきたため特に気にする必要はありませんが、このダウンコートも基本的にカジュアルな印象を与えるのであまり望ましくありません。チェスターコートなどダウンコート以外に何かふさわしいコートがあれば、そちらを着て参列するようにしてください。
冬場のご葬儀に参列する際、コートは喪服と同じように気を配らなければならないポイントです。特に決まったルールはありませんが、基本的には黒色で光沢のないコートを選ぶと良いでしょう。一番無難なのは礼装用のコートですが、略喪服の場合はかえって浮いた印象になってしまうため、コーディネートを間違えないよう注意しましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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