
公開日2024/12/06|最終更新日2024/12/06
お盆といえば、日本における夏の風物詩の一つです。日本の伝統文化でもあるお盆は、ご先祖様や故人様の魂をご供養するための期間であると同時に、お祭りや花火大会、大文字焼きなどさまざまなイベントが行われる楽しい時期でもあります。夏休み中といったこともあり、親戚同士が集まる機会も多いことでしょう。
そこで知っておきたいのは、近年定着しつつある「お盆玉」です。当記事ではお盆玉の意味や相場、そしてお盆の過ごし方についても解説していきます。
お盆玉とは、お盆の時期に祖父母や親戚の大人が子どもに渡すお小遣いのことを指します。お正月に用意されるのはお年玉ですが、親戚同士で会うことの多いお盆の時期でも、お盆玉と称して子どもにお小遣いを用意する習慣が根付きつつあるのです。
なお、お盆玉という言葉はもともとあったものではなく、近年に作られた造語です。これに目を付けたのが、文具や祝儀袋などを手がけるメーカーの「株式会社マルアイ」で、2010年4月22日にお盆玉を商標登録しました。
その後、マルアイからお盆玉と書かれたポチ袋が販売されるようになり、言葉や習慣の普及が進んでいったといわれています。
お盆玉は近年生まれた言葉ですが、古くから山形県で行われていた習わしが起源であるといわれています。江戸時代では、栄えている商家へ多くの子どもがご奉公に出されていました。なお、奉公人が自宅へ帰れるのは、お正月とお盆だけです。
そこで帰省の際、商家は奉公人に対してご褒美を渡していました。当初は金銭ではなく、新品の下駄や服が支給されていたそうです。やがて昭和初期になると、お小遣いとして現金が渡されるようになりました。金額にして一日分の働きに相当する価値だったため、当時の子ども達にとっては貴重な収入源だったようです。この慣習が、現代のお盆玉の原型になったと考えられています。
ここでは、お盆玉の金額相場をご紹介いたします。絶対ではないものの、お年玉よりやや小さい金額だと思っておけば間違いはないでしょう。
| 子どもの年齢 | 金額の相場 |
|---|---|
| 5歳未満(未就学児) | 1,000円以下もしくはお金以外のもの |
| 6~12歳(小学生) | 3,000~5,000円 |
| 13~15歳(中学生) | 5,000円程度 |
| 16~18歳(高校生) | 5,000~10,000円 |
大学生(19歳以上)ともなると、すでに成人していますのでお盆玉をあげる必要はありませんが、もしあげるとしても10,000円程度に留める方が多いようです。また、小さい子には現金ではなく、かわいらしいお菓子や文房具などをあげても良いでしょう。また、小学生以上の子にはゲームや図書券、クオカードなどをプレゼントとして渡すのも一案です。
お盆玉のポチ袋が売っているのは、主に大型スーパーの文房具コーナーや郵便局です。また、100円ショップなどでも見かけることがあります。ただし、お年玉袋よりも流通は少ないため、見つけた時に買っておくと良いかもしれません。もし見つからない場合は、ネットショップでも購入できます。
本来のお盆とは、ご先祖様や故人様の魂をご供養するための期間です。お子様にはお盆玉を渡すだけではなく、お盆に行う迎え火や送り火、お墓参り、仏壇のお清めなど、お盆特有の文化も一緒に伝えると良いでしょう。
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お盆玉の普及は、現在でも進んでいます。お盆玉は、運動や勉強をがんばっている子どもへのご褒美、または日頃の感謝を込めてそのご両親へ贈るものです。
しかしながら、親戚同士でお盆玉を渡す習慣がついてしまうと、お返しが面倒だと感じる方もいらっしゃるかもしれません。親戚のお子様にお盆玉を渡したい場合は、事前に大人同士で話し合っておくのがおすすめです。
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