2025-03-07
海外旅行中や留学などの遠方、または離島でご家族が急死した場合でも、故人様を火葬場や葬儀場までご移送しなくてはなりません。ご遺体を搬送する際に、広く利用されているのが寝台車です。しかし、距離が遠く陸路での移送が難しい場合は、飛行機を利用するケースもあります。
当記事では、ご遺体を飛行機で移送できるのか、またご遺族は同じ飛行機に乗れるのかといった疑問とともに、空路を選択した場合の手続き手順、費用相場も解説いたします。
海外などの遠い場所や離島などで亡くなった方をご移送するにあたり、飛行機を使用することがあります。飛行機でのご移送は、車やフェリーでのご移送より人件費が少なく済むことも多いため、遠方からのご移送手段として広く用いられています。
ご遺体を飛行機でご移送するにあたっては、いくつかの手続きが必要です。まずは遺体搬送専門業者(空輸専門業者)に連絡し、必要な書類や手続き方法、費用などといった必要事項を問い合わせます。
ご遺体の空輸は国内だけではなく、海外からの場合もあります。手続きの方法は国ごとに異なるため、外務省や現地の大使館、領事館と話し合わなくてはならないケースもあるかもしれません。トラブルなくご移送を済ませるためには、信頼できる業者を選ぶことが重要です。
ご遺体は貨物扱いとなり、搬送時は防腐処理が行われ棺に納められた後で、飛行機の貨物室でご移送されます。棺は他の荷物と区別され、貸し切ったコンテナに収められるなど、ご遺体は特に丁重な扱いを受けるので安心してお任せできるでしょう。
ご遺族の方は、現地へ故人様をお迎えして、帰りは同じ飛行機に搭乗するのが一般的です。また、ご遺体が海外にあって手元にパスポートがない場合は、数時間で発行してもらえる特例措置が受けられます。
ここからは、国内の空路でご遺体をご移送する手順を解説していきます。
まずは、故人様が亡くなられた場所の葬儀社かご遺体の搬送専門業者に相談してみましょう。何社か話をすることで、さまざまなアドバイスを受けることができるほか、費用の打ち合わせなども行えます。
次に、医師から死亡診断書を発行してもらいましょう。自然死や病死でない場合は、警察の指定医師から死体検案書が発行されます。この書類があれば、葬儀社を決めてご遺体を搬送することができます。
葬儀社にもよりますが、運賃などの関係で先に費用を支払うケースが多いです。現金のみなのか、カード決済できるかなどは葬儀社によりますので、あらかじめ確認しておきましょう。
空輸するためには、 納棺を済ませておかなくてはなりません。
死亡診断書・死体検案書を葬儀社のスタッフに預け、空輸の手配と着陸後の手続きを依頼します。その後は、専用車両で葬儀会場などへご移送してもらいましょう。以上の詳しい流れは、葬儀社から詳しい説明が受けられます。
海外でご家族が亡くなると、現地の病院もしくは警察から、日本大使館または日本領事館へ連絡が入ります。次に外務省へ連絡が入った後、外務省からご遺族に通知されるのが一般的です。
搬送が決定したら、必要書類をそろえなくてはなりません。遺体搬送専門業者もしくは葬儀社と相談しながら、書類をそろえていきましょう。
・死亡診断書または死体検案書
・故人様とご遺族のパスポート
・遺体証明書
・埋葬許可証または火葬証明書
・防腐処理証明書、納棺証明書
・非感染症証明書
遺体搬送専門業者や葬儀社を手配した後は、大使館や領事館、葬儀社に防腐処理 (エンバーミング)と納棺を任せましょう。専用車両で空港まで搬送された後、飛行機に丁寧に積み込んでご移送されます。
※エンバーミングとは、ご遺体に防腐処理・殺菌・消毒を行い、腐敗や感染症から守る技術です。
日本に到着したら、引き続き葬儀社が専用車両(寝台車)に棺を納め、葬儀場や遺体安置所、ご自宅など必要な場所へ搬送します。空輸専門の搬送業者と別に葬儀社をお願いしている場合は、到着するターミナル(航空会社)や便名、到着時間をあらかじめ連絡しておきましょう。
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続きを読むここからは、ご遺体の搬送にかかる一般的な費用について解説していきます。空輸費用だけではなく、人件費や飛行場までの移動費、納棺料・ 棺代、ドライアイス(またはエンバーミング)代などの雑費も含まれていますので、依頼する会社によって金額が異なります。
国内の場合、搬送にかかる費用は約150,000~300,000円です。業者により基本料金が異なるほか、ご遺体が100kgを超えていたり、安置する日数が多くなったりなどの要因でも費用が変動する可能性があります。
海外から空輸する場合、費用は全体で1,000,000~1,500,000円程度になると考えておきましょう。海外からご移送する場合、手続きが国によって異なったり、エンバーミング(防腐処理)を行ったりするため、費用が国内よりも高額になりやすいです。加えて、燃油サーチャージ代、ご遺族の渡航費もかかります。
ご遺体を飛行機でご移送するケースはあまり多くはないため、手続きをご自身で行うのは非常に困難です。突然の知らせによって正常な判断ができなくなってしまう可能性もありますので、まずは葬儀社に金額や時期、方法などを問い合わせ、ご家族と相談しながら準備を進めていきましょう。
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