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神饌(神饌物)とは?読み方や並べ方など分かりやすく解説

公開日2025/05/02|最終更新日2025/05/02

神社では、普段はもとよりお祭りや縁日などの特別な日にも、神様へ食事を献上します。これを神饌(しんせん)といいますが、詳しい内容を知っている方はあまり多くありません。古くから、神饌は神様と人とのつながりにおいて、特別な意味を持つ供物だと伝えられているのです。

そこで今回は神饌の由来や意味、並べ方やタブーについても詳しく解説していきます。

神饌(神饌物)とは

神饌(しんせん)とは、神祇と呼ばれる天地の神々に献上するお供え物の総称です。主に神様が召し上がるとされる食事は、神饌物(しんせんもの・しんせんぶつ)と呼ばれています。

また、地域や神社により、神饌の呼ばれ方はそれぞれ異なります。御食・御饌(みけ)と呼ばれる地域もあるほか、古代では大御食(おおみけ)と呼ばれていました。また、御膳(ごぜん)、御物(おもの)、御贄(みにえ)、神膳(しんぜん)と表現されこともあります。

神撰は、神様に捧げる衣食住の「食」を示しており、最も重点を置くべきお供えです。神撰は、毎日の「日供祭(にっくさい)」によって捧げられます。内容としては、主食の穀物や米を原料とするお酒、餅、海・川の魚、鳥類、野菜、海菜、果物、塩、水などが一般的です。ご自宅に神棚がある場合、神撰はお米にお酒、塩、水を基本にして供えると良いでしょう。

由来

神道では、古くから「神人共食(しんじんきょうしょく)」という思想が伝えられてきました。神人共食とは、人が神様と同じものを食すことで、神力と神様の加護を受けられるという概念です。その考えから、神祇に献上する食事として神撰が定着していきました。

神撰として供えられた食事は、ある一定の時間で下げ、参拝者などでいただきます。この行為は「直会(なおらい)」と呼ばれ、現代にも引き継がれています。

神饌は大きく分けて3種類

天地の神々に献上される神饌は、調理方法などによって生饌(せいせん)、素饌(そせん)、熟饌(じゅくせん)の3種類に分類されます。ここからはその違いを詳しく見ていきましょう。

生饌(せいせん)

生饌とは、何も調理していない状態の食べ物のことです。例えば、丸ごとの野菜や果物、お刺身(非加熱の魚)、ワカメや海苔などの乾物、生米が生饌にあたります。野菜や果物を丸ごと供えることも多いため、「丸物神饌」と呼ばれることもあります。

素饌(そせん)

素饌とは、鳥や魚介類などの生き物を除いたお供え物のことで、精進神饌とも呼ばれています。素饌は、殺生を嫌う仏教の影響を受けて生まれたものです。生き物以外のお供え物は、調理の有無にかかわらず、同じように素饌と呼ばれます。

熟饌(じゅくせん)

熟饌とは、人の手で火を加え、調理された食事のことで、調理神饌とも呼ばれています。熟饌は神祇へ捧げる神饌の中でも特別な食事であることから、特殊神饌と呼ばれるとケースもあります。

かつての神饌は、基本的に熟饌が献上されていましたが、現代においては日供祭に生饌を用いるのが一般的です。熟饌をお供えするのは、特別な祭りなどの日のみに限定する神社が増えています。

神饌の並べ方

神饌で捧げる食べ物には、序列があります。神社によって少しずつの違いはありますが、 最も大切な位置づけとなっている食品は穀物です。一般的には米・酒・餅・魚介類・野菜・果物・塩・水の順で重要とされており、地域や神社によっては鶏肉・菓子・嗜好品が 用いられることもあります。

神饌は、丸い穴の開いた木造りの「三方(さんぽう)」に乗せてお供えします。三方の数によって、神饌の並べ方もさまざまです。以下は、三方を横一列に配置する場合の並べ方です。

①三方が5つの場合

一番中央には序列一番の品、中央から向かって右側には序列二番の品、中央から向かって左側には序列三番の品を置きます。次に右端に序列四番の品、左端には序列五番の品を置きます。

②三方が6つの場合

中央に置かれた2つの三方のうち、右側に序列一番の品、左側に序列二番の品を置きます。次に、向かって右側へ序列三番の品、左側に序列四番の品、右端には序列五番の品、左端には序列六番の品を置くのが通例です。

なお、神社によって、三方を2~3段に分けて並べるところもあります。神様に近い奥側が上位、手前側が下位にあたります。並べ方は一列のときと同じで、中央が一番上位、向かって右側がその次、さらに左側がその次の序列のものと考えれば間違いがありません。

神饌で供えてはいけないもの

神饌としてお供えしていけないものは、香りの強い野菜(ネギ・ニラ・にんにくなど)、四つ足の獣の肉(牛・豚)です。ただし、鹿の首は例外としてお供えしている神社もあります。

まとめ

神饌は、人々の心のよりどころである神様へ捧げられるものであり、神様の大切な食事です。ご家庭に神棚がお祀りされているのであれば、並べ方や作法を守ってお供えすることが大切です。

なお、地域によって、神饌の概念や並べ方に違いがあります。疑問がある場合は、周囲の詳しい方や神社の方などに伺ってみると良いでしょう。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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