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【例文】法事・法要での喪主の挨拶まとめ|挨拶のタイミングや注意点も解説

公開日2025/07/11|最終更新日2025/07/11

日本では、故人様のご葬儀を終えた後も、法事や法要という形で追善供養を行う慣習があります。追善供養とは、故人様の冥福を祈り、その御霊を慰めるため定期的に行われる仏式のご供養です。

追善供養では、喪主(施主)と呼ばれる方が挨拶を行う場面が多く見られます。本記事では、大切な仏事の場で行う喪主の挨拶について、例文を交えながらタイミングや注意点などを解説いたします。

法事・法要で喪主が挨拶をするタイミング

仏教では、故人様の御霊をご供養することで徳を積むといった教えがあります。法事は仏事全般で執り行われる仏教行事のことで、法要は法事の中の一つです。内容としては、僧侶の読経や法話で御霊をご供養するのが一般的です。

ご葬儀を仕切った喪主は、施主として法事を仕切り参列者や僧侶をお迎えします。ここでは、どのタイミングでどういった挨拶をすれば良いのかを解説いたします。

法要の前

最初に行う挨拶は、これから法要が始まる合図の意味です。皆様へお越しいただいたお礼と法要を執り行う旨を伝え、僧侶を紹介します。この挨拶で喪主は僧侶に軽く一礼すると法要が始まり、僧侶の読経や焼香が始まります。

法要の後

次の挨拶は、法要で全ての儀式を済ませた後、その最後に締めくくりとして行われます。参列していただいた方々に感謝と敬意を込め、法要を締める挨拶を行います。法要後に会食の予定がある場合は、ここで忘れずにお伝えしましょう。

会食の前

法事が終わり、参列者を会食の場にご案内したら、皆さんに着席いただいてから軽く挨拶をします。法要後の会食である「お斎(おとき)」は、故人様を偲び、参列くださった方々に改めて感謝を述べる場です。参列者への感謝や故人様への思いを簡潔に伝え、最後に「献杯(けんぱい)」の唱和を行います。

会食の締め

会食が落ち着いたら、最後に会食を締めるための挨拶を行います。落ち着いた雰囲気を崩さず、適切な言葉で故人様を偲ぶ気持ちを伝え、改めて法要に参列くださった感謝とお礼、今後のご支援を願う言葉を述べ、会食の場を締めましょう。

【例文】法事・法要での喪主の挨拶

参列者の方々に対する感謝の意、故人様への思いなどを伝える挨拶は、長くなりすぎると相手の方の負担になってしまいます。ここでは、伝えるべき点を押さえ、端的にまとめた例文をご紹介いたします。

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「法要の前」の挨拶の例文

法要の前に行う挨拶の例文は、以下の通りです。

本日は、皆様ご多忙の中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

これより、父◯◯の◯◯法要を執り行いたく存じます。

本日は ◯◯寺僧侶 ◯◯様にお願いいたしました。

どうぞよろしくお願いいたします。

法要の時期や宗派・地域によって、故人様を生前の名前で呼ぶ場合、戒名で呼ぶ場合に分かれます。本来なら一周忌法要の挨拶では、故人様を戒名で呼ぶのがマナーです。しかし、戒名は長くなってしまうため、生前の名前を使用しても構わないといった考え方も浸透しています。

また、例文中の「ご多忙の中」の部分は、その日の天気や季節に応じて表現を変えると、労いの気持ちが伝わりやすくなります。夏の暑い日なら「猛暑の中」、雨の日なら「お足元の悪い中」、さらに遠くから駆けつけた方が多い場合は「遠方より」の一言を付け加えると良いでしょう。

「法要の後」の挨拶の例文

法要の後に行う挨拶の例文は、以下の通りです。

基本文 本日はお忙しい中お集まりいただきまして、本当にありがとうございました。
おかげさまで、父○○の○○法要を無事に終えることができまして、父も安心していることと存じます。
改めまして、心よりお礼申し上げます。
今後とも変わらぬご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。
会食あり (基本文に以下の内容を加える)
この後、ささやかではございますが、別室にて心ばかりの会食の席をご用意しております。
多忙とは存じますが、お時間の許される限り、父の思い出など話しながらごゆっくりお過ごしいただければ幸いです。
本日は誠にありがとうございました。
会食なし (基本文に以下の内容を加える)
この後、本来であれば皆様と一緒に粗宴を囲み、父を偲びたいところではありますが、本日はこれにてお開きとさせていただきます。
お荷物とは思いますが、返礼品と折詰(おりづめ)をご用意しております。
お忘れなきようお持ち帰りくださいませ。
本日は誠にありがとうございました。

法事の後には、お斎(おとき)と呼ばれる食事を用意しておくのが基本です。ただし、さまざまな事情から会食の場を設ける時間が取れない場合は、返礼品とともにお弁当を用意すると良いでしょう。

「会食の前」の挨拶の例文

初七日、一周忌、三回忌と時間が経過していくごとに、ご遺族の心持ちにも少しずつ変化が訪れます。そういったお気持ちの移り変わりなどを盛り込んだり、ご遺族ならではのエピソードを加えたりしても良いでしょう。会食の前に行う挨拶の例文は、以下の通りです。

初七日 本日は、父○○のためにお気遣いをいただき、誠にありがとうございました。
おかげさまで滞りなく初七日を済ませることができ、父も安心していることと思います。
皆様とともに、父を偲びながら過ごせることが何よりの供養です。
それでは、献杯のご唱和をお願いいたします。
一周忌 本日は父○○を偲ぶためにご足労いただきまして、誠にありがとうございます。
おかげさまで、一周忌の法要を無事に済ませることができました。
皆様には父を偲ぶ席にもお付き合いいただきまして、心より感謝しております。
この場で、父との思い出を語らい合いながら過ごせることが、何よりの供養です。
それでは、献杯のご唱和をお願いいたします。
三回忌 本日は父○○を偲ぶため、お忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。
おかげさまで三回忌の法要を無事に済ませることができ、感謝しております。
父も、皆様とお目にかかることができて、喜んでいることでしょう。
今回はお酒好きだった父の思い出とともに、皆様とお酒を楽しめたらと思っています。
それでは、献杯の音頭を取らせていただきます。

「会食の締め」の挨拶の例文

会食の締めとして行う挨拶の例文は、以下の通りです。

皆様、本日は最後までお付き合いいただきまして、本当にありがとうございました。

父の生前のお話をお伺いでき、私たちにとってかけがえのない時間となりました。

名残はつきませんが、このあたりでお開きにさせていただきたいと存じます。

これからも、家族皆で力を合わせてやっていきたいと思います。

今後とも変わらぬご支援をよろしくお願い申し上げます。
本日は、誠にありがとうございました。

法事・法要での挨拶での注意点

法事での挨拶は、喪主として参列者に感謝を伝える大切なものです。ただし、挨拶の言葉を選ぶ際は、集まった方々に対して失礼のないように注意しなくてはなりません。ここからは、何に注意して挨拶をすれば良いのかをご紹介していきます。

忌み言葉に注意する

弔事全てにおいて使用を避けた方が良い「忌み言葉」は、日常で使っている言葉も該当してしまうことがあります。なお、忌み言葉とは冠婚葬祭において、不幸や縁起の悪さを連想させる言葉のことです。挨拶の際は、忌み言葉を使わないように注意しましょう。

弔事に関する忌み言葉は、不幸の重なりを連想させる重ね言葉(くれぐれも・相次いで・じゅうじゅう・かさねがさね)、生死に関する直接的な言葉(死ぬ・亡くなる・死去)、死を表す数字の4、苦しみを表す数字の9、縁起の悪さを連想させる言葉(落ちる・去る・切れる・離れる)などが代表的です。

端的にまとめる

故人様のために集まってくださった方々に、丁寧なお礼の言葉を述べるのは重要です。しかしながら、感謝や敬意の念で感極まるあまり、挨拶が長くなりすぎないように注意しなくてはなりません。挨拶は、できる限り端的にまとめることを心がけましょう。

「乾杯」ではなく「献杯」を用いる

弔事での食事は、祝いの意味で用いられる乾杯ではなく、「献杯(けんぱい)」を用います。献杯とは、故人様に敬意と哀悼の意を表し、集まった方々で静かに杯を捧げることです。乾杯のように器を当てて音を鳴らすことはせず、胸よりも低い位置に捧げて弔意を示します。

まとめ

故人様をご供養するための法事や法要を行う際、喪主は故人様の弔いをつつがなく進めるとともに、僧侶や参列者の方々にも敬意を表する必要があります。仏事は、古くより続けられているご供養の場であるため、さまざまなルールが存在します。参列者の方々に安心していただくためにも、しきたりを守りながら、心を込めた言葉選びを心がけましょう。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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