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お墓の無い人の遺骨はどうする?納骨・供養方法について費用も含めて解説

公開日2025/07/18|最終更新日2025/07/18

昨今の日本では、さまざまな理由でお墓を持たない方が増えつつあります。お墓には故人様のご遺骨が埋葬され、ご遺族やご親族がご供養のため手を合わせに来る場所として浸透してきました。しかしながら、お墓を持たない事を選択したご遺族は、ご遺骨をどのように埋葬しご供養なさっているのでしょうか。

そこでこの記事では、お墓を持たない人のご遺骨の扱い方やご供養の方法について解説いたします。

お墓の無い人の遺骨はどうする?

ご遺骨は骨壺に収めてお墓に埋葬するのが一般的です。しかしながら、そもそもお墓がないご家庭では、まずご遺骨をどのような方法で埋葬するのか決めなければなりません。次にどのような形でご供養するのかも考える必要があるでしょう。

自宅の庭などに埋めるのは違法

日本には「墓地埋葬法」という法律があり、第2章では以下の様な項目があります。(一部抜粋)

第4条 埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない

つまり、ご遺骨はどこでも埋葬して良いわけではありません。第4条で記載されている「墓地」とは、法律でご遺骨を納める場所として許可された区域なのです。それ以外の場所でご遺骨を許可無く埋葬すると、たとえご自身が所有する土地であっても「死体遺棄罪」という罪に問われます。

手元に置いておいても法律上の問題はない

中にはご遺骨を手元に置いてご供養し続けるという形を選択する方がいます。この場合、ご遺骨はご自宅内での保管とみなされるため、法律上の問題はありません。なお、ご自宅にご遺骨を置いて供養し続ける行為は「手元供養」と呼ばれています。詳しい内容は後ほど、他のご供養法と合わせて解説いたします。

管理・費用コストが低い供養方法を検討されることが多い

お墓でのご供養が選ばれなくなってきた理由の一つとしてあげられるのは、お墓にかかる費用です。なお、お墓の費用相場は立地や墓石のグレードにも寄りますが、約800,000~2,500,000円です。また、墓石を建てることで年間の管理料(約5,000~20,000円)も発生します。

また突然のお別れでお金が用意できなければ、お墓に入れたくとも諦めざるを得ず、他の方法を選択されるという事情をお持ちの方もいらっしゃいます。

しかし昨今では、令和の時代に合わせ新しくリーズナブルなご供養方法もどんどん生まれてきています。そこで、むしろお墓を建てるよりも新しいご供養方法を気に入り、選択する方も増えてきています。

お墓が無い人の納骨・供養方法は?

ここからは、お墓を持たない方々が故人様をどのように埋葬するのか、どのようにご供養していくのか、その方法をピックアップしていきます。後悔しないように考え、ご親族と話し合った上で最善の方法を選択しましょう。

永代供養墓

お墓の管理が難しい場合は、寺院や霊園に永代供養をお願いします。永代供養とは、寺院や霊園が故人様のご遺骨を管理しながら永続的にご供養される代行サービスのことです。

永代供養は、お墓の子孫継承を前提としていません。ゆえに、子どものいない方、独り身の方などの供養手段で選ばれることが多いです。また、費用が高く建墓できないご家庭の選択肢にもなります。一方、お金を子どもに残したい、墓守の役割を押しつけたくないと考え永代供養を選択される方も増えているようです。

なお、永代供養はご遺族が寺院や霊園に永代供養料を支払って依頼しますが、個別供養や集合供養、合祀など種類が豊富なため、費用相場も100,000~1,500,000円程度と大きな幅があります。

永代供養を依頼されたお墓は総じて「永代供養墓」と呼ばれています。なお、永代供養つきの合祀墓、納骨堂、樹木葬などの自然葬も永代供養墓の一種です。

しかしながら、永代は永遠ではありません。多くのご遺骨は三十三回忌で合祀されるのが一般的です。理由は諸説ありますが、仏教において「三十三回忌を過ぎると故人様の魂は極楽浄土へ行ける」との考えが有力だといわれています。

納骨堂

寺院や霊園には、屋内にご遺骨を安置するスペースが設けられているところがあります。これは「納骨堂」と呼ばれており、室内で参拝できるシステムです。なお、納骨堂にはさまざまな種類が挙げられますが、それぞれに特徴があり、一般的なお墓よりも費用が抑えめにできる所が多いです。

【納骨堂詳細】

・ロッカー式

コインロッカーのような扉式で、中にはそれぞれ同じ大きさのお壇が並んでいます。扉を開き参拝しますが、限られたスペースであるため費用相場も抑えめです。なお、200,000~800,000円程度となります。

・仏壇式

一つ一つ仏壇が並べられた納骨堂です。上段には仏壇、下段にはご遺骨が安置されています。仏壇前には供花やお供え物、遺影も置くことが可能で、家族単位で使用できるのも魅力です。費用相場は500,000~1,500,000円程度になります。

・自動搬送式

参拝スペースに立ち、ICカードをかざせば自動でご遺骨が搬送されます。室内なので天候の心配もなく、セキュリティ面も安心です。費用相場は700,000~1,500,000円程度となります。

・墓石式

外にある一般的なお墓と同じような墓石が屋内に並べられ、そこへご遺骨を納めます。室内なので雨風がしのげ汚れにくくお掃除は簡単です。お花やお線香もあげられるので、一般的なお墓参りができます。費用相場は500,000~1,500,000円程度です。

・位牌式

故人様のお位牌が一つ一つ並べられ、お位牌に参拝する形の納骨堂です。なお、ご遺骨の安置場所は納骨堂によって違います。スペースは最小に抑えられるため、相場もリーズナブルです。なお、100,000~300,000円程度となります。

合祀墓

最も費用を抑えたやすいお墓が「合祀墓」です。合祀墓は、故人様のご遺骨が他人の方々のご遺骨と混ぜられ、一緒に埋葬されます。なお合祀墓は、寺院や霊園側で定期的に合同供養されることが多いようです。合同供養の有無が気になる場合は、事前に確認されても良いでしょう。費用相場は、30,000~120,000 円程度です。

散骨

近年注目されているのは「自然葬」です。自然葬とは、その名の通りご遺骨を自然に還す埋葬法となります。自然葬にもさまざまな方法がありますが、中でも「散骨」は代表的な埋葬法になります。

散骨とは、パウダー状に粉砕したご遺骨を山、川、海などの自然環境へ撒き、故人様の魂を自然へ還す試みを儀式と共に行います。環境への影響も少なく自然に優しい散骨は、他の埋葬方法に比べるとコストも抑えることが出来ますし管理することも殆どありません。

ただし、近くに民家、リゾート海岸、養殖場、人々がよく利用する施設そのものや施設近くでの散骨は禁じられている場合が多く、撒くのが許される場所は限られています。ゆえに、自治体の許可無く散骨することはできません。

遺骨は粉骨しなくてはいけなく、 骨の粒が2mm以上と粗く「人の骨」と気付かれた 場合「死体遺棄」の罪に問われるので注意が必要です。したがって、散骨をお考えの場合はノウハウを熟知している、散骨の専門業者へお任せするのが一番といえるでしょう。

かつ、散骨した骨は当然取り戻すことができませんので、散骨後に「祈る対象がいなくなった…」と後悔する方もいるようです。全てのご遺骨を撒く前に一部取り分けることも出来る場合があるため、業者に相談してみるのも良いでしょう。

なお、以下の記事では海への散骨について詳しく説明されています。

【関連ページ】海洋散骨

樹木葬

「樹木葬」も、自然葬の一つです。既に植えてある樹木をシンボルとして、その周りに散骨したり、逆に散骨した後でシンボルとなる樹木を植えたりします。

日本で最初に樹木葬を始めたのは岩手県のある寺院でした。1999年に始められた試みは、やがて多くの方からの注目を集め、全国に広がってゆくこととなります。墓石を建てない分、価格がリーズナブルに済みますし、その後の管理もお墓ほど手間が掛かりません。

さらにご遺族は、お墓に行くと言うよりもっとお気軽な気持ちで、いつでもお参り出来る、逢いに行けると考えられるようになるのも大きなメリットです。ただ、稀にですがシンボルの樹木が枯れてしまうといったトラブルも起こるようです。その件に関してもどのような対処をして貰えるのか確認した方が良いでしょう。

費用相場は家族単位で多くの場所を確保すれば200,000~800,000円前後、場所を他のご遺骨と別にしたい場合は150,000~600,000円前後、他の方のご遺骨と混ぜて埋葬する場合は50,000~200,000円前後となります。

場所や土地の眺め、交通の便など良い条件が揃っていたり、樹木のお値段によっても金額は前後しますので、見学に行って雰囲気を確認したり、数カ所で見積もりを取ったりすると良いでしょう。

なお、骨壺に入れたままのご遺骨を樹木の周りに納めるところや、粉砕したご遺骨をそのまま撒くパターンもあります。ゆえに契約前はご希望の埋葬法と合っているか確認すると良いでしょう。

また、基本自然葬は埋葬後に、 後日ご親族から分骨をお願いされても叶えてあげることが不可能になります。お墓に納めない自然葬を選択する場合は、ご親族の間で良く話し合って決定することが大切です。

手元供養

手元供養とは、ご遺骨の一部を小さな容器へ詰め、ご自宅の仏壇などへ安置してご供養する方法です。また、骨壺に納めたご遺骨を、白木の箱に入れて風呂敷に包み、そのまま自宅で保管しながらご供養する方もいます。

手元供養は、大切な方をご遺骨という形で側に置き、身近に感じられるとの利点があります。一方で、ご遺骨を自宅へ安置することに抵抗を感じる方も少なくないため、家族間での話し合いが必要となるでしょう。また、将来においてご遺骨の安置方法の方針を決めなければ、ご家族に負担を掛ける事にもなりかねません。

そもそもお墓の意味とは?

お墓とは、故人様のご遺骨やご遺体を埋葬するための場所です。ただし近年の日本では火葬が主流となりましたため、埋葬される殆どのご遺体は「荼毘に付されたご遺骨」の状態となります。

また、お墓は埋葬するだけではなく、お墓の下で眠る故人様の御霊をご供養するなどの宗教的な意味合いを含んでいます。墓石や墓標には故人様の氏名や戒名、亡くなった日などが刻まれるなど、故人様の生きた証が残されており、故人様へ逢いにくる尊い場としても親しまれています。

お墓参りに出向き、故人様と心での会話を交わしながら生前を思い起こし懐かしむことで、それが何よりの供養となるのがお墓の大きな意味合いといっても過言ではありません。

まとめ

お墓を持つか持たないかは個々の自由であり、さまざまな事情によりどちらかを選択することができます。近年ではさまざまなご供養法が増えていますので、ご遺族がご納得さえしていれば、どのような埋葬法が選択されたとしてもご供養において不自由することはないでしょう。

最も大切なことは、残された方々がご供養のあり方や選択について後悔しないことでしょう。故人様の御霊に敬意を持ち心からご冥福を願うことができれば、その方法が一番の最善策なのです。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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