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忌引き休暇で「休みすぎ」と思われるのは何日以上?配慮のマナーも紹介

公開日2025/08/15|最終更新日2025/08/15

大切なご家族との別れは、深い悲しみに包まれるものです。心が追いつかない中でも、ご葬儀の準備や手続きといった対応に追われることになり、多くの方が「忌引き休暇」を取得することになります。

忌引き休暇は、その性質上、急に必要となることがほとんどです。とはいえ、突然の休暇によって職場の同僚に負担がかかることを気にされる方も少なくありません。

そこで本記事では、忌引き休暇の一般的な取得日数や、職場で円滑な人間関係を保つための配慮の仕方について、分かりやすくご紹介いたします。

忌引き休暇で「休みすぎ」と思われるのは何日以上?

忌引き休暇は法律によって決まっているわけではなく、その日数や制度は会社や組織によって異なります。一般的には、親等によって「〇日間」といった目安が就業規則に定められています。

たとえば、「実父・実母の場合は5日間」などと明文化されていることが多いですが、この「定められた日数」に加えてさらに3日以上休むと、「少し休みすぎでは?」と思われる可能性があるかもしれません。

とはいえ、大切な人を失った直後に「周りの目」を気にする必要はありません。人によって心の整理に必要な時間は異なりますし、喪失感の大きさも違います。もし心や体がつらいと感じているなら、無理に出勤するよりも、自分を大事にする選択をして良いのです。「休みすぎ」と思われないか不安なときは、上司や人事に状況を丁寧に相談すれば、多くの場合理解を得られるでしょう。

故人様との関係忌引き休暇日数
配偶者10日
子ども5日
両親7日
配偶者の両親3日
3日
孫の配偶者1日
祖父母3日
配偶者の祖父母1日
兄弟姉妹3日
配偶者の兄弟姉妹1日
伯叔父母1日
配偶者の伯叔父母1日
甥、姪、それぞれの配偶者1日

そもそも忌引き休暇とは

本来、忌引きとは、もともとご家族が亡くなった際に、死の穢れ(けがれ)を他者に及ぼさないよう、外出を控え、静かに故人様を偲ぶための期間を意味していました。

現代では「穢れ」という考え方を意識する人は少なくなりましたが、大切な人の死を悼み、ご葬儀に参列するための時間を確保するという意味合いは今も変わらず残っています。これが「忌引き休暇」として、企業や学校などで制度として取り入れられています。

忌引きの期間は、ご葬儀の準備や参列だけでなく、さまざまな手続きの対応にも追われる時期です。それと同時に、かけがえのない人との思い出を振り返り、心を整えて日常に戻るための時間でもあります。このような大切な過程を経ることは、「休みすぎ」などという一言では決して片づけられるものではありません。

忌引き休暇の日数が足りない場合

定められた忌引き休暇の期間では、地元への移動時間や斎場までの距離、火葬場の混雑など、致し方ない事情で付与された日数では足りない場合もあります。そのような時には上司とご相談の上、有給休暇を合わせて取得すると良いでしょう。

「休みすぎ」と少しでも思われないためのマナー

「休みすぎたかも…」と職場で思われてしまうことで、人間関係にわずかな軋轢が生じるケースもゼロではありません。特に引き継ぎが不十分で、業務に支障が出たり取引先に迷惑がかかったりすると、他の社員の業務負担を増やし、信頼関係が損なわれる恐れもあります。

職場での人間関係は、今後の仕事を円滑に進めるうえで欠かせない要素です。そのため、忌引き休暇を取る際には、事前の引き継ぎや誠実な説明など、周囲への配慮をしっかり行うことが大切です。上司や関係部署への連絡は丁寧に、そして状況をしっかりと伝える姿勢を持つことで、信頼関係が保たれ、気持ちよく職場に復帰できるでしょう。

以下の見出しでは、忌引き休暇後にスムーズに復帰するための具体的なコツをご紹介します。

忌引きの連絡をしておく

ご家族の訃報を受けた際、最初にすべきことは、職場の上司への忌引きの報告です。その後、業務に関係する同僚にも状況と予定を共有し、忌引き休暇中の業務をスムーズに引き継げるよう調整を行いましょう。

急ぎの業務がある場合は、同僚に優先して依頼するか、初日だけ半休にして最低限の対応を行い、その後お通夜に向かうなど、柔軟な対応が求められることもあります。

また、上司から「取引先への連絡をお願いしたい」「周囲への引き継ぎを明確にしてほしい」などの指示がある場合は、無理のない範囲で誠意をもって対応しましょう。大切なご葬儀への参列を第一に考えつつも、職場への配慮も忘れずに行動することが、信頼関係を保つカギになります。

以下に、訃報直後に上司へ伝える際の例文をご紹介しますので、参考にしてください。

【口頭・電話】

お疲れ様です。

私事ですが、本日の早朝、父の○○が他界しました。

そこで大変恐縮なのですが、本日から○日間、忌引き休暇を取得させて頂けませんでしょうか。

業務の引き継ぎについても、可能な限り調整を行います。

あと、私が休暇中の緊急連絡先は090-○○○○-○○○○にお願いします。

お急ぎの際にはご一報下さい。

お手数をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。


【メール】

件名 忌引き休暇の申請のお願い

○○課長お疲れ様です。○○(自分の名前)です。

私事ですが、本日の早朝、父の鈴木○○が他界しました。

そこで大変恐縮なのですが、○月○日から○日間、忌引き休暇を取得させて頂けませんでしょうか。

業務の引き継ぎについても、可能な限り調整を行います。

私が休暇中の緊急連絡先は090-○○○○-○○○○になります。

このたびは、メールでのご連絡となり申し訳ございません。

私の休暇中、お困りの案件が発生した際には、緊急連絡先までご連絡いただけますと幸いです。

ご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。

鈴木○○(ご本人署名)

口頭や電話で伝える場合は、相手が多忙な時間帯は避け、落ち着いた声で端的に伝えるのがポイントです。状況が整理できていない場合は、必要最低限の内容だけを伝え、後ほど詳細を共有しても構いません。

引継ぎ資料などで業務への影響を抑える

忌引き休暇中に特に注意すべき点は、職場の業務に支障をきたさないよう配慮することです。可能であれば、日ごろから簡潔にまとめた業務マニュアルを作成しておくと、万が一の際に非常に役立ちます。

もしマニュアルの用意が難しい場合でも、「仕事の進行に必要なポイントをまとめたメモ」を作っておき、それを引き継ぐ方に渡して丁寧に説明することで、スムーズな対応が可能になります。受け取る側が困らないよう、できる限りの準備を整えておくことが大切です。

また、忌引き中の業務を引き受けてくれた方には、感謝の気持ちをしっかり伝えるようにしましょう。言葉ひとつで、信頼関係がより深まることもあります。

急ぎの連絡先を伝えておく

上司に忌引きの報告を行う際、緊急連絡先を伝えるのは基本的な配慮です。また重要なプロジェクトや締切が迫っている業務を引き継ぐ場合は、引き継ぎ先の同僚にも連絡先を共有しておくと良いでしょう。

引き継ぎを受ける側にとって、「どうしても分からない」「判断に迷う」といった場面で、すぐに相談できる相手がいるだけで大きな心の支えになります。その安心感が、引き継ぎ業務の負担をぐっと軽くしてくれるのです。

とはいえ、あまり頻繁に連絡が入ってしまうと、自分自身の時間がとれず忌引き休暇の意味合いが亡くなってしまいます。連絡先を伝える際には、必ず「緊急時のみ」と明記することが大切です。たとえば、メモやメールに以下のような一言を添えると良いでしょう。

「※緊急時のみご連絡ください」

「お急ぎの場合はご遠慮なくご連絡ください」

このような一文を添えることで、相手への配慮も伝わりつつ、自身の時間も確保しやすくなります。

復帰時にお礼の連絡をする

忌引き休暇を終えて職場に復帰する際は、まずは上司をはじめ、業務を支えてくれた同僚や部署のメンバーに感謝の気持ちを伝えることが大切です。

お礼の挨拶は、形式ばらずとも丁寧に行うことで、職場内の信頼関係をより良いものに保てます。また、ご葬儀の詳細については、相手から聞かれない限り自ら話しすぎないのがマナーです。できるだけ早く業務に戻る姿勢を見せることで、周囲にも安心感を与えられるでしょう。

【対面】

・上司

このたびは、忌引き休暇をいただき心配とご迷惑をおかけしました。

お陰様で、父を無事に見送ることができました。

また、皆様から暖かなご配慮も頂きありがとうございます。

お仕事のフォローでもお世話になり、心から感謝しております。

本日から復帰となりますが、より一層頑張ります。

どうぞよろしくお願いします。


・同僚

長い忌引き休暇をいただき、心配とご迷惑をおかけしました。

仕事を引き継いで下さって、心から感謝してます。

本日から復帰ですが、ふたたびよろしくお願いします。

本当にありがとうございました。


【メール(社内に向けて)】

各位

ご無沙汰しております。○○課の鈴木○○です。

このたびは忌引き休暇をいただき、心配とご迷惑をおかけしまして大変申し訳ございません。

お陰様で、父を無事に見送ることができました。

心より御礼を申し上げます。

なお、皆さまの温かいお心遣いとご配慮のおかげで、本日より復職となりました。

より一層仕事に邁進し、皆さまへ恩返しができるよう取り組みたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

メールでのご連絡となり大変恐縮ですが、取り急ぎ復職のご挨拶とお礼を申し上げます。

○○部 ○○課 鈴木○○(ご本人署名)

休暇明けに菓子折りを持参する

忌引き休暇明けの初出勤日には、お世話になった職場の方々への感謝の気持ちとして、菓子折りを持参するのもひとつの方法です。ただし、これは会社の雰囲気や慣習によります。普段からそういった風習がない職場では、かえって気を遣わせてしまうこともあるため、事前に社内・部署内の空気を確認して判断することが大切です。

また、香典やお供え、供花などをいただいた方には、必ずお返しの品を用意しましょう。菓子折りは郵送も可能ですが、出勤時に上司へ挨拶するタイミングで「皆様でお召し上がりください」と一言添えて手渡すと、より丁寧な印象を与えます。なお、持参するお菓子は、常温保存が可能で個包装されており、日持ちするものを選ぶのがポイントです。

一方で、福利厚生として会社から支給された慶弔金については、お返しの必要はありません。

まとめ

忌引き休暇は大切なご家族と最期の別れを悼むための大切な時間です。しかしながら、その後に長くお世話になる職場の方々にも気を配ることを忘れないよう対応しなければなりません。よって、休暇中に必要な引き継ぎやフォローはしっかりと行い、職場の方々にも敬意を払った行動を心掛けましょう。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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