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埋葬とは何か簡単に解説|火葬・土葬や新しい供養方法も

公開日2025/10/17|最終更新日2025/10/17

従来の日本では、お墓にご遺骨を納めることを「埋葬(まいそう)」といい、一般的な弔いとして認識されてきました。一方、近年ではさまざまな埋葬方法が誕生していることもあり、埋葬の意味を的確に説明できる方は減っているでしょう。

そこで、当記事では「埋葬」の原点に戻り、その意味や種類、埋葬にかかる費用相場なども含めて解説します。

埋葬とは?

埋葬とは、故人様を土中に納めて葬ることです。ご遺骨でもご遺体のままでも意味は変わらず、その根本は故人様を敬いながら、土に還す行為といえます。

戦後の昭和23年(1948年)に、衛生面と国民の宗教的な感情に寄り添った「墓地埋葬法」が施行され、火葬を経たご遺骨がお墓に安置されるようになりました。現代でも、ご遺骨を埋葬するにあたっては、法のルールに従うことが義務づけられています。

埋蔵とは?

埋葬と似た表現で「埋蔵(まいぞう)」という言葉があります。どちらも同じような意味に解釈されやすいですが、近年主に行われているのは埋葬ではなく、埋蔵のほうです。

現代では、ほとんどの地域で土葬を禁じる条例が設定されているため、火葬後のご遺骨は骨壺に納められ、お墓の下の納骨スペース(カロート)に安置されます。これが埋蔵であり、地中に納める点は埋葬と同じでも、土に還す行為ではありません。

そのため、骨壺をお墓の下に納める場合は「お墓に埋蔵する」という表現が適しているでしょう。ただし、昔から使われていた埋葬という言葉は、現代にも根付いています。本来の土に還すという意味だけでなく、骨壺をお墓や納骨堂に納める行為についても、埋葬と呼ばれることがあります。

納骨とは?

土葬予定のご遺体や、火葬後のご遺骨を地中に納めることを埋葬と呼ぶ一方、火葬後のご遺骨を骨壺に納め、霊園や寺院に預けてからお墓や納骨堂に安置することを「納骨(のうこつ)」といいます。

樹木をシンボルとした樹木葬で、根元近くの土中のスペースに骨壺を安置する場合も、納骨という言葉を用います。しかし、管理形態によっては骨壺を使わずに、ご遺骨を直接土へ還す方法もあり、その場合は埋葬となります。

ご遺骨を墓石の下のスペースに安置する場合は、埋葬とも納骨とも呼ばれます。なお、ご遺骨を納骨堂に安置する場合、地中に納めるわけではないため、厳密には埋葬とはいわず、納骨と区別されることがあります。

埋葬の種類

埋葬の種類としては、日本で国民の約99.9%が行っている「火葬」と、国内の限られた地域や世界各国で今も行われている「土葬」の二つがあります。それでは、それぞれの詳細を見ていきましょう。

火葬

現代の日本における葬送方法は、ほとんどが火葬です。火葬とは、ご遺体を焼いて、ご遺骨の状態にしてから埋葬する方法です。

現代では火葬が一般的ですが、明治時代初期までは土葬が主流でした。衛生面から火葬を支持する声があり、一部では実施されていました。しかし、技術が未熟でご遺体の燃焼に一晩かかる、火の番人や多くの燃料が必要などの理由から、一時的に火葬禁止令が出されたのです。

その後、土地不足や伝染病の深刻化により、火葬炉の見直しが行われた結果、火葬の技術が向上しました。火葬による燃料、煙、時間の問題が解消され、明治政府は新たに火葬を義務づける措置を講じたのです。

戦後になると、火葬場の管理や運営、埋葬のルールを定めた墓地埋葬法が正式に制定されました。さらに、火葬で人々を浄土へ送るという仏教の思想が広まったこともあり、火葬は急速に普及していきました。そして現在では、ほとんどの地域で火葬を行うのが一般的となっています。

土葬

土葬とは、決められた場所に2m程の深さまで土を掘り、ご遺体をそのまま納める埋葬法です。実は現代においても、世界的には土葬のほうが主流となっています。土葬の方法はさまざまで、そのまま土を被せる、ご遺体を棺に入れたり布にくるんだりして地中に納めるなど、宗教や土地の風習によって異なります。

日本でも、法的に土葬が禁じられているわけではありません。ただし、一部の認可された場所以外では実施できないため、日本での土葬は非現実的といえるでしょう。

新しい供養の形も広がっている

これまでの日本では、ご遺骨をお墓に納めて供養することが一般的でした。しかし近年では、寺院や霊園に頼らないご供養の形が生まれています。ただし、ご遺体は火葬する義務があり、火葬せずにご遺体を遺棄すれば、死体損壊・遺棄罪に問われることになります。

火葬後であれば、お墓や納骨堂に安置する以外にも、さまざまなご供養方法を選択できます。なぜならば、ご家庭ごとに事情や希望は異なるからです。

【お墓や納骨堂に安置できない事情】

・承継者不在で跡継ぎがいない

・檀家料、お布施などの負担が重い

・病気や加齢でお墓参りが困難になった

・自由なご供養をしたい

ここからは、新しいご供養方法について解説します。

散骨

散骨とは、ご遺骨を一粒2mm以下のパウダー状になるまで砕き、山や海、空などに撒いて、故人様を自然に還す葬送方法です。自然葬とも呼ばれていますが、いずれも私有地や条例で禁止されている場所では撒けないので、事前に許可を取るか、業者にお任せするのが良いでしょう。

なお、散骨は埋葬にはあたらず、埋葬法に触れることはありません。詳細は以下をご覧ください。

【散骨の詳細】

【山林散骨】

自然の豊かな山林に粉状のご遺骨を撒き、感謝を込めて手を合わせます。

【空葬】

バルーン葬とも呼ばれ、粉状のご遺骨を空へ飛ばし、ご冥福を祈ります。

【宇宙葬】

粉状のご遺骨を納めたカプセルを、ロケットで宇宙空間へ打ち上げます。

【海洋散骨】

粉状のご遺骨を自然に還る生花と共に海へ撒きます。

海洋散骨に関して、詳しくは以下のURLもご参照ください。

https://www.kaiyosankotsu.com/

散骨は墓石の費用を抑えられ、お墓の後継者も不要です。しかし、宇宙葬は相場が200,000~1,000,000円前後と高くつきますので、注意が必要です。また、すべてのご遺骨を撒いてしまうと、手元にご遺骨が残らないので、その後のご供養がしにくくなります。

決断前には必ず周囲のご遺族やご親戚とよく話し合い、理解を得ることが大切です。

手元供養

手元供養とは、ご自宅にご遺骨を安置しながらご供養する方法です。ご自宅の中ならば、無期限の安置でも法律的に問題ありません。ただし、骨壺は大きいため、ご自宅のスペースに置けない場合もあるでしょう。その際はゆっくりと時間をかけて、埋葬方法を考えることも可能です。

また、少量の骨だけを手元に置いたり、ご遺骨をアクセサリーなどに加工して持ち歩いたりする方もいます。残りは納骨堂に預ける、自然に還すなどの手もありますが、これは「分骨」することになります。自然葬にも共通しますが、分骨自体に抵抗を示す方もいるため、ご遺族やご親戚の理解を得ることが重要です。

樹木葬

樹木をシンボルとして、決められた区画内にご遺骨を埋葬する方法です。墓石よりも安く、霊園よりも気軽にお参りできるでしょう。骨壺のまま納める方式や、ご遺骨をそのまま土に納める方式、区画を決めずほかの方々のご遺骨と混ぜて自然に還す方法などもあります。

区画の広さや埋葬方法、土地の条件によって、費用は変わります。複数の候補地を比較したうえで、納得する場所を選ぶことが重要です。

納骨堂

以前の納骨堂の役割は、お墓に埋葬するまでご遺骨をお預かりする場所でした。しかし近年では、お墓を必要としない方々が納骨堂にそのままご遺骨を納め続け、お参りにくるケースも増えてきています。

納骨堂は建物の中なので、雨に濡れないことがメリットです。一方で、施設によってはお線香が禁じられている場合もあり、ある程度の年数でほかの方のご遺骨と合祀(ごうし)されることもあります。合祀を避けたい場合は、追加料金がかかる場合がありますので、契約する前に確認しましょう。

埋葬には「埋葬許可証」が必要

ご遺骨を埋葬する際に必要なのは「埋葬許可証」です。埋葬許可証を手にするプロセスは、以下のとおりです。

【埋葬許可証を受け取るまでの流れ】

①故人様が亡くなった際、医師から死亡診断書を受け取ります。

②役場の受付に死亡届を提出します

③死亡届提出後に受付から火葬許可証を受け取ります。

④火葬場へ火葬許可証を提出し、ご遺体をご遺骨にしてもらいます。

⑤ご遺骨と共に埋葬許可証を受け取ります。

書類は葬儀社がすべて代行してくれる場合もあれば、ご自身で行う場合も受付で丁寧な説明が受けられるため、過度に心配する必要はないでしょう。ただし、大体の流れを掴んでおくことは大切です。

なお、書類一つひとつは、一枚でも欠けると火葬できない、埋葬できないなどのトラブルになるので、取り扱いには十分な注意が必要です。

埋葬のタイミングはいつ?

埋葬のタイミングは、特に法で定められているわけではありません。しかし、四十九日法要か、一周忌に埋葬されるのが一般的です。

埋葬にかかる費用相場

埋葬の費用は、埋葬方法によって相場が異なります。ここでは一般的な金額を提示しますが、業者や施設を検討する際は、複数社で比較検討したほうが良いでしょう。

【埋葬方法】 【埋葬時の費用】 【埋葬後の費用】
お墓 ・引き継ぐ場合(名義変更手数料)
5,000~10,000円
・購入する場合
2,000,000~3,000,000円
管理費:年間2,000~50,000円
・墓石のトラブル(ヒビ、割れの修正)
30,000円

・自然災害などによる墓石の大規模な破損
1,000,000円~
納骨堂 100,000~1,500,000円 ・管理費
年間10,000円
樹木葬 50,000~800,000円 管理費
年間5,000~10,000円
散骨 50,000~2,500,000円 0円

まとめ

埋葬は、大切な故人様を見送り、ご供養するための大切な弔いです。その方法は、時代や社会の状況に応じて変化してきましたが、今も昔も共通していることは、故人様を悼み、敬意をもって弔う行為である点です。

埋葬や散骨に関係なく、故人様を思い、心を込めて手を合わせることが、何より大切なご供養となります。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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