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お釈迦様の誕生日はいつ?花まつり(灌仏会)について分かりやすく解説

公開日2025/11/07|最終更新日2025/11/07

仏教の中でも特に大切な祝い事とされている「花まつり」はご存じでしょうか。花まつりはお釈迦様に由来する仏事として毎年開催されており、寺院によっては一般の方も参加できる縁起の良い行事です。そこで当記事では、花まつりの意味や内容、参列する際のマナーについても解説します。

お釈迦様の誕生日は4月8日

花まつりとは、お釈迦様のお誕生日とされる4月8日をお祝いする仏教の行事です。開催時期は、旧暦(4月8日)を重んじたり、新暦(5月8日)に習ったりとさまざまで、寺院の考えや土地の風習によって異なります。気になる方は、花まつりの開催日についてお近くの寺院にお問い合わせしてみても良いでしょう。

なお、お釈迦様の誕生日の概念は国ごとにも違いがみられます。日本では4月8日に祝うのが一般的ですが、タイやスリランカでは日本でお釈迦様の命日(入滅)とされる「涅槃の日(2月15日)」が、お釈迦様の誕生日であると信じられています。

また、お釈迦様の誕生に関しては、各国や地域、宗派ごとに古くから多くの説が語り継がれています。中でも、お釈迦様がご誕生と共に7歩あるかれたあとで「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」との言葉を発せられ、そのあと九頭龍が天から甘露な水を降らせたとの伝説が有名です。

お釈迦様が発された言葉は、直訳すると「この世で自分だけが尊い」ともとれますが、お釈迦様はそのような意味で言ったのではないとされます。仏教では「生きとし生けるものの全ては、能力や地位に関わらず命そのものの存在が尊い」という解釈とされています。

ただし、近年に至ってもお釈迦様の誕生秘話や誕生日を裏付ける明確な証拠は存在しません。ゆえに、お釈迦様の伝説や誕生日は本当のところ不明とされています。

お釈迦様の誕生日には花まつり(灌仏会)が行われる

花まつりは「お釈迦様の誕生日を祝う」と同時に「子ども達の健康祈願や心願成就」を祈るための、仏教行事です。なお、花まつりは地域によってその呼ばれ方にも違いがみられます。

花まつり名称 意味
花まつり 読んで字の如く、花を飾った壇にお釈迦様の像を安置するという意味で用いられます。日本では最もポピュラーな呼び名です。
花会式(はなえしき) 花の言葉通り、花まつりと同様の意味合いを持っています。
降誕会(ごうたんえ) お釈迦様のお誕生日との意味合いを重視した呼び名です。
仏生会(ぶっしょうえ) 降誕会と同様の意味ですが、お釈迦様を「仏様」と表現しています。
灌仏会 お釈迦様の像に甘茶を注ぐという儀式に重点を置いた呼び方です。
浴仏会(よくぶつえ) 仏様に灌(そそ)ぐとの意味を持った灌仏会の「灌」の字から、仏様に甘茶を注ぐという同じ意味合いで、新たに表現された呼び名です。
龍華会(りゅうげえ) お釈迦様亡き後、弥勒菩薩として再びこの世に現れ、人々を救済するとのいいつたえに基づき名付けられた呼び名です。

花まつりの目的はどの寺院もほとんど同様ですが、何に重点を置いて呼ぶかの認識で表現に違いが出るようです。お問い合わせになる際には、「花まつりの件について」と伺うと話が通りやすいでしょう。

花まつり(灌仏会)で行われること

日本の寺院で祝われる花まつりには、さまざまな催し物があります。では、具体的にどのようなことが行われるのでしょうか。ここからは、花まつりの内容をご紹介します。

花御堂(はなみどう)が飾り付けられる

寺院には色とりどりの花で飾られた花御堂がされます。花御堂とは、お釈迦様ご誕生のシチュエーションが再現された、小ぶりのお堂です。花々で美しく彩られた花御堂の中心にはお皿が敷かれ、お皿の上には誕生仏が安置されます。

誕生仏とは、誕生後に言葉を発せられたお釈迦様の姿がモデルとなった像です。右手は空に向け、左手で地を指さしているポーズは、「天上天下唯我独尊」と発せられた瞬間を模しています。寺院によっては幼子姿のお釈迦様像も安置されています。

甘茶を仏さまにかける

花まつりに参加された参拝者は、花御堂に用意された柄杓を使って「甘茶(あまちゃ)」を掬い、誕生仏に掛けます。甘茶とは、ヤマアジサイの変種「小甘茶(こあまちゃ)」の葉を発酵、乾燥させてつくられた、甘みのあるお茶です。

甘茶にはさまざまな国の仏教で「不老不死になる神の飲み物」または「良い政治で世界が平和になると甘いつゆが降る」など、縁起が良いとされる教えがあります。つまり、参拝者がお釈迦様の像に甘茶を掛けることで、お釈迦様への信仰心を示して功徳にあやかり、子ども達の無病息災を願うことができるのです。

参拝者に甘茶をふるまう

多くの寺院では、花まつりで訪れた参拝者に無料で甘茶をふるまいます。この甘茶は、参拝者の健康が1年間続くとされる縁起の良い飲み物です。ありがたくいただきましょう。

花まつり(灌仏会)に参拝するときのマナー

お釈迦様のご誕生を祝う日と聞けば、多少身構える方も多いでしょう。しかしながら、おまつりとされる行事なので、かたくるしく考える必要はありません。ただ、寺院によって時間やお作法が設定されていれば従いましょう。なお、一般的なルールは以下にまとめましたのでご参照下さい。

服装のマナー

服装は真っ黒でなくても構いませんが、落ち着いた色味のもの、肌を露出しすぎないものを選び、清潔感を心掛けましょう。また、殺生をイメージさせる蛇柄やヒョウ柄、ファーが付いている服は避けるようにします。あくまでお釈迦様を敬い尊ぶ集まりなので、華美にならないよう気をつけると良いでしょう。

花御堂に参拝する際のマナー

基本は、携帯はマナーモードにし、私語を慎むことです。山門前で一礼して境内へ入り、最初は寺院のご本尊に参拝します。一礼してからお賽銭をそっと賽銭箱へ入れ、音を出さないよう合掌し、お釈迦様ヘの敬意と日々の感謝を心の中で伝えます。最後に再び一礼して参拝は終了です。

次に向かうのは花御堂です。花御堂に祀られた誕生仏に合掌し、用意されている柄杓で甘茶をすくいます。すくった甘茶は、誕生仏の頭上からやさしく掛けるようにしましょう。

なお、寺院によってはお布施が必要なところと必要ないところがありますので、事前に調べておくと良いでしょう。もしお布施が必要な場合、相場は3,000~10,000円程度となります。

まとめ

実際にいらっしゃったと伝えられるお釈迦様ですが、そのお誕生日を祝う「花まつり」があることを知っている方は多くありません。もし参加されるきっかけがあれば、ぜひ祝福の場へ赴いてみてはいかがでしょうか。その際には、当記事を少しでもお役立ていただければ幸いです。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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