
公開日2019/11/22|最終更新日2019/11/22
何か手違いがあって訃報が届かなかったり、ご家族や親戚などの故人様の親しい方たちのみで家族葬が執り行われたといった事情で、ご葬儀後にご不幸を知ることがあります。このように、ご不幸をご葬儀後に知った時は、どうすればよいのでしょうか。
今回は、ご不幸をご葬儀後に知った時の一般的な作法についてご紹介いたします。
ご葬儀が終わってからご不幸を知った場合、いち早くご自宅に弔問したいところですが、ご遺族の方は心身共にお疲れになっています。まずはご遺族にお悔やみの言葉をお伝えするために、手短に電話を掛けましょう。
自身と故人様との関係を知らないことも考えられますので、まず電話で故人様との関係をお伝えします。その後、「是非お伺いしたい」「お線香を上げさせていただきたい」という弔問したい希望をお伝えし、ご遺族のご都合を伺いましょう。その際、ご遺族の方が「お気持ちだけで充分ですよ」と遠慮をなさっている場合もありますので、弔問をされる際にはご遺族の気持ちや事情を考慮して判断することが必要です。
ご遺族に事前に確認を取り、後日の弔問を許されたら、弔問の日程や時間はご遺族に合わせましょう。
一般的に後日に弔問する時期としてよいとされているのは、ご葬儀や告別式の後片付けなどが落ち着く3日ほど空けてから四十九日頃までとされています。理由としては、ご葬儀や告別式直後は、ご遺族はまだお忙しいこと、ご葬儀から日数が経ってからでは弔問客を迎える準備がご遺族の負担となってしまうことなどがあります。
なお、弔問の時の服装は、喪服ではなく、平服がマナーとなっています。喪服で弔問をしない理由は、ご遺族に少しでも悲しみを新たにさせないように、といった配慮によるものです。
男性はビジネススーツやジャケットにスラックス、女性はワンピースやアンサンブルスーツ、喪服に見えない落ち着いた色のあらたまった訪問着などがよいでしょう。
遠方の場合や弔問を辞退された場合は、お悔やみの手紙を送るのがよいでしょう。お悔やみの手紙を書く際のポイントを以下にまとめましたので、ご参照ください。
お悔やみの手紙では、拝啓や謹啓といった「頭語」や季節を表す「時候の挨拶文」は必要ありません。
【例】
ご不幸を知らなかったことに対しお詫びを述べましょう。
【例】
お悔やみの言葉は、故人様が亡くなられたことに対する弔意(哀悼の気持ち)を示すものですが、殊更に悲しみを強調するのはご遺族の心情を考えると好ましくありません。そのため、お悔やみの手紙には、ご遺族を気遣う言葉も書くようにしましょう。
【例】
忌み言葉とは、冠婚葬祭の場などで避けられる言葉を指します。ご葬儀の場やお悔やみの手紙では、「重ね言葉」や死を連想させる言葉などが忌み言葉とされています。
| 重ね言葉としての忌み言葉 | 重ね重ね、重々、たびたび、次々 など |
|---|---|
| 繰り返すことを連想させる忌み言葉 | 再び、続く、引き続き、また など |
| 死を連想させる言葉 | 死ぬ、滅ぶ、死亡、生存、生きている など |
お悔やみの手紙を出す際には、便箋や封筒、ペンにも配慮が必要です。
母上様ご逝去の報に接し、驚きと悲しみを深くしております
ここ数年はご無沙汰していたために、母上様が亡くなられていたことも存じ上げず、弔問にもお伺いせずに申し訳ありませんでした。
母上様の太陽のような周りを暖かくする笑顔が今でも思い出されます。まだまだお元気でいらっしゃると思っておりましたのに、ご家族の皆様のご心痛はいかばかりかと存じます。
遅ればせながら、謹んでご冥福をお祈りいたします。
今は、さぞかしお力をお落としのことと存じますが、どうぞ気持ちを強く持って、ご家族のためにもご自愛ください。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
ご遺族の許可を得た後に弔問に向かいますが、弔問する際は、香典を持参しましょう。
お悔やみの手紙と一緒に香典を送る場合は、現金書留で郵送します。現金書留は大きめな専用の封筒を使用し、その中にお悔やみの手紙と香典袋を入れます。その際は、お悔やみの手紙で香典を同封している旨を触れておきましょう。
なお、弔問の際に持参するにしても、お悔やみの手紙と一緒に送るにしても、香典袋の表書きと中書きはご遺族が香典を管理する上で必要になりますので、必ず記入しましょう。
香典を渡すとご遺族に香典返しを用意する負担を掛けてしまうため、お香典でなく線香や花などをお渡ししたり、香典返しを辞退してもよいでしょう。
ご不幸をご葬儀後に知った際は、ご自宅への弔問やお悔やみの手紙の送付は速やかに行いたいもの。しかし、大切なのは、ご遺族の気持ちや思いに寄り添うことです。いかなる時も、ご自分の気持ちよりもご遺族への配慮を優先しましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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