
公開日2020/11/06|最終更新日2025/11/21
企業に勤めている方であれば、会社関係の方、例えば会社の上司や同僚、またはそのご家族などのご葬儀に参列して香典を出すことがあります。その時に悩むのが、会社関係の方のご葬儀での香典に関するマナーではないでしょうか。
そこで今回は、会社関係で香典を出す場合の香典の出し方や香典の相場、表書きの書き方などについてご紹介します。
会社関係でご葬儀がある場合、面識のある方が亡くなられたようであれば、できるだけご葬儀に参列するのがマナーとなります。ただし、同じ会社でもほとんど面識がなく、普段あまり一緒に仕事をすることもないようであれば、ご葬儀に参列しなくても問題ないでしょう。
なお、会社の上司や同僚のご家族が亡くなられた場合は、故人様と面識がなくともご葬儀に参列したり、香典のみをお渡しすることもできます。
香典とは、故人様への弔意を表し、ご遺族にお渡しする金銭のことです仕事関係の方へ香典を用意する方法は会社によって異なります。では、どのような点に留意すれば良いのでしょうか。
会社の就業規則で「慶弔規定(けいちょうきてい)」がある場合、不幸があった社員に対して会社から「慶弔見舞金」が支給されます。なお、慶弔規定とは、慶弔における福利厚生が主であり、金銭の支給や休暇制度に関する規則を各会社が定めているものです。
なお、慶弔見舞金の制度がある会社は、社員が香典を出す必要がないこともあります。また、見舞金があったとしても、個人や部署ごとに香典を用意する会社もあるでしょう。慶弔規定は社内限定の規則なので会社ごとに異なりますが、基本は周りの方に合わせるのがベストです。
また、取引先の方に不幸があった場合は、交際費として会社側から香典を出すことがあります。これも慶弔規定で定められている場合が多いです。
慶弔規定に慶弔見舞金が定められていない場合は、個人で香典を用意したり、同僚数名の連名で香典を出したりする方法もあります。この場合、それぞれの立場や相手との関係性に見合った金額を包むようにするとよいでしょう。
なお、個人的に香典を出したり、同僚と香典を出す場合、会社で取り決めている香典の出し方があることもあります。そのため、事前に上司や総務の方などに確認しておくことをおすすめします。
会社関係の方のご葬儀に参列する際に包む香典の額の相場は、社内での立場によってそれぞれ変わってきますが、一般的には亡くなられた方が上司や同僚(部下)の場合は3,000~10,000円程度が多いようです。
| 故人様の立場 | 20代~30代 | 40代~50代 |
|---|---|---|
| 上司 | 5,000円~ | 10,000円~ |
| 上司のご家族 | 3,000円~ | 5,000円~ |
| 同僚・部下 | 5,000円~ | 10,000円~ |
| 同僚・部下のご家族 | 3,000円~ | 5,000円~ |
会社から故人様に対して、もしくはご遺族に香典を出す場合、香典袋の表書きの書き方には様々な形式があります。
会社関係の香典袋の表書きにおいて代表的な書き方は、会社の社長名で香典を包む形式です。社長の名前が中央になるようにして、「代表取締役 ○○」とします。社長の名前の横には小さく社名を記します。
ご葬儀で上司の方の都合が付かない場合は、上司の代役として参列することもあるでしょう。その際には、以下のことに留意します。
・水引の上
御霊前と記載(宗教によって記載が異なります)
・水引の下
①右側に会社名を記入
②真ん中上部に部署もしくは役職名
③役職名の下に上司の名前を記入
④名前の下に、代理で参列することを表す「代」を書き添える
・名簿には「上司の名前の下に(代)」と記帳
・上司から名刺を預かっている場合
①名刺の右上に「弔」と記入する
②名刺の下に「上司に代わり本日参列させていただきます。 山田太郎(代理人のフルネーム)」
と書き添える
③香典と共に受付の方へ渡す
部署でまとめて香典を包む場合は、水引の下の中央に「○○部一同」のほか、そのすぐ右に社名を記入します。また、社内の仲間内で香典を包む場合、香典の表書きの連名はどんなに多くとも3名までにとどめておくのがマナーです。
もし3名以上の方で香典を包む場合は、代表者の名前を水引の下の中央に記入し、その左に「他一同」を書き添えましょう。なお、その際は別紙に「香典を包んだ全員の名前」と「いくら包んだのか」を記載し、中袋に納めます。
会社関係の方に香典を出す場合、会社によって様々なルールやマナーがあることがありますので、事前にしっかり「慶弔規定」を確認したり、上司や先輩社員に確認しておくとよいでしょう。
なお、一般的な香典袋の正しい書き方に関しては、以下の記事でご紹介しておりますので、ぜひご参照ください。
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