
公開日2025/08/08|最終更新日2025/08/08
仕事や学校にいる間にも、祖父母の訃報は突然聞かされる事があります。訃報を受けた孫は、忌引きと呼ばれる休む場合、さまざまな連絡や手続きを経る必要がでてくるでしょう。そこで当記事では、学校や会社での申請方法や忌引きのルール、忌引きを伝えるための例文などもご紹介いたします。
忌引き(きびき)とは、ご家族やご親族が亡くなった際、喪に服しご葬儀へ参列するための休み期間を指します。
ただし忌引き休暇は、労働基準法で定められている有給休暇とは違い、各施設によって独自にもうけている休暇制度です。したがって、休暇の日数や取得条件は会社や学校によって異なります。また、会社によっては給与の扱いなどにも違いが出ます。
なお、忌引きは地域や会社によって「弔慰休暇(ちょういきゅうか)」「弔事休暇(ちょうじきゅうか)」「服喪休暇(ふくもきゅうか)」と呼び方もさまざまですが意味はどれも同じで、お悔やみごとに関する休暇のことです。
なお、冠婚葬祭全ての休暇をひとくくりとした「慶弔休暇(けいちょうきゅうか)」との表現で記載されている場合もあります。就業規則や生徒手帳を確認し、正しい申請方法を理解しておきましょう。
また、忌引き休暇が取得できるのは一般的に3親等までとされていますが、規定によっては忌引きが取得できない場合もあります。
| 【親等】 | 【故人様との関係】 |
|---|---|
| 親等適用なし、または0親等 | 配偶者 |
| 1親等 | 子ども、両親 |
| 2親等 | 孫、祖父母、兄弟姉妹 |
| 3親等 | 曾祖父母、伯叔父母、甥姪、曾孫 |
上記の表からすると、亡くなった方がおじいさんやおばあさんの場合、孫は2親等に当たりますので忌引き休暇をとれるパターンが一般的となるでしょう。
故人様が祖父母の場合、孫が申請できる忌引き休暇の日数は、3日前後が一般的です。また、実の祖父母ではなく「配偶者の祖父母」では、親等が同じであっても忌引き日数が少なめに設定されている場合があります。忌引きは法律で定められていないので、施設により付与の目安や日程に違いがあるのです。
以下の表では一般的な忌引きの日数をまとめました。会社や学校の規定によりますので申請時には必ず確認を取ります。会社員で、もし忌引きの日数が足りない場合は有給休暇を合わせて使用してもよいか確認しましょう。
| 【故人様との関係】 | 【忌引き休暇日数】 |
|---|---|
| 配偶者 | 10日 |
| 子ども | 5日 |
| 両親 | 7日 |
| 配偶者の両親 | 3日 |
| 孫(故人様が祖父母) | 3日 |
| 孫の配偶者 | 1日 |
| 祖父母 | 3日 |
| 配偶者の祖父母 | 1日 |
| 兄弟姉妹 | 3日 |
| 配偶者の兄弟姉妹 | 1日 |
| 伯叔父母 | 1日 |
| 配偶者の伯叔父母 | 1日 |
| 甥、姪、それぞれの配偶者 | 1日 |
なお、祖父母の家が遠方にある場合、ご葬儀前後の移動時間を相談すれば、忌引きの日数を数日増やしてくれる会社もあります。
ここからは、忌引き休暇取得に際する、社会通念やルールをお伝えしていきます。
忌引きは法律で定められている休暇ではないため、忌引き休暇の日数が必ずしも表通りであるとは限りません。むしろ、忌引きによるお休み自体が定められておらず、有給で対処するよう決められている会社もあります。
忌引きを取らなければならない機会はいつ訪れるか分かりません。よって、普段から忌引きの確認はしておくと良いでしょう。就業規則や生徒手帳などの書面で忌引き休暇の詳細を確認しておくと、いざという時に困らず済みます。
忌引き休暇は法で定められた制度ではないため、企業によっては「有給での特別休暇になる場合」と「無給での扱いになる場合」があります。無給の場合は、休みを取った日数分の給与が日割り計算で差し引かれることとなるため、多くの場合は有給休暇の消化を勧められるのではないでしょうか。
また、公務員の忌引きは自治体により多少の違いがあるものの、国家公務員の規定に準じている場合が多いため、基本的に「有給での特別休暇」として認められていることがほとんどです。
このように、会社によって忌引き休暇の対応はかなり違います。念のため事前に規定を確認し、福利厚生の内容をある程度把握しておくと良いでしょう。
忌引き休暇の申請を行うには、忌引きの証明になる書類、つまり「忌引き証明書」が必要となります。これも会社によってさまざまですが、用意すべき書類は以下をご参照下さい。
・葬儀施行証明書
葬儀社から出される書類です。その場で受け取れなくとも、後で掛け合えば発行できます。なお、葬儀執行証明書、葬儀証明書とも呼ばれており、弔慰金を受け取る書類としても役立ちます。
・会葬礼状
参列者が、ご葬儀で受け取るお礼状です。
・死亡診断書
死因によっては死体検案書となります。医師が作成する書類です。
・火葬許可証、埋葬許可証
ご遺体を火葬したり埋葬したりする際に必要な書類です。
多くの会社は会葬礼状か葬儀施行証明書のどちらかの書類を提出するか、あるいは会社の定める書類への記入で忌引きが承認されます。稀に死亡診断書、または死体検案書や火葬許可証、埋葬許可証などが求められることもあります。念のためコピーを取っておいても良いでしょう。
祖父母の訃報を知った場合、会社なら上司へ、そして学校なら担任教師や事務所へ、できる限り急いで伝えます。以下の内容を手短かにお伝えします。伝え漏れの無いようメモに書いて持参しても良いでしょう。
・祖父、または祖母が亡くなった旨
・亡くなった日時
・忌引きで休む日数
・緊急連絡先
なお、ご葬儀の内容が決まっていない場合や、家族のみで行う家族葬の場合、ご葬儀の詳細はお伝えしなくて構いません。
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ここからは、祖父母が亡くなった場合の忌引き休暇申請の流れを例文と交えながらお伝えしていきます。
まずは速やかに上司の方へ必要事項をお伝えします。一番重要なのは何日間休むかを決めることです。斎場との距離感や会社のシフト調整を加味して計算してから上司の方へ伝え相談しましょう。また、忌引き申請については会社の指示に従います。
【口頭】
昨晩、祖父(祖母)が亡くなりました。
そこで大変恐縮ですが、○月○日から○月○日まで忌引き休暇を頂戴してもよろしいでしょうか。
不在は○日ほどになりますので、御用の場合は090-○○○○-○○○○までご連絡ください。
お手数をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
【メール】
件名:忌引き休暇取得のお願い
お疲れ様です。○○課の鈴木です。
早朝のお時間に申し訳ございません。
私事で大変恐縮なのですが、昨晩、私の祖父(祖母)、○○(故人名)が他界しました。
つきましては、葬儀に参列するため忌引き休暇をいただきたく存じます。
忌引き申請日数 ○日間(本日~○月○日まで)
不在時の連絡先は、090-○○○○-○○○○です。
何卒よろしくお願いいたします。
○○課 ○○(名前)
お伝えした後は、上司や同僚へ仕事の引き継ぎを行います。その際お急ぎの案件がないかも確認しましょう。ご葬儀が終わり、後日出社した後で必要書類を持参し正式に忌引きの申請をします。ただし忌引き申請のタイミングも会社規定によります。上司の方、あるいは総務の方に伺いつつ進めましょう。
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公務員の方が忌引き休暇を取る場合も、すぐに直属の上司へ口頭でお伝えするのがベストです。帰宅中や自宅で訃報を知った場合は、電話が出来る時間帯なら電話でお伝えし、詳細はメールで送ります。
忌引き休暇取得の流れは大体会社員の方とさほど変わりません。ただ、公務員の忌引きは、所属する「自治体の条例」で定められていますので、自治体によって日数や条件が異なる場合があります。
まずは担任教師への電話連絡を必ず行い、忌引きの休暇申請をお願いします。伝える内容は、社会人の方と同じ内容です。担任の方に連絡が付かなかった場合は事務員の方や学年主任の方でも構いません。
もし申請せず欠席扱いになると、内申点などに影響を与える可能性もあります。子どもの忌引き申請は、くれぐれも忘れないようにしてください。なお、申請の流れや必要書類は、学校の規定に準じて行いましょう。
大学の場合も、施設によって規定が異なります。ウェブサイトや学生便覧で大学の規定を確認し、速やかに口頭で教務課、あるいは教授、事務の方へ忌引きの件を伝えましょう。伝える内容は、社会人の方と同じです。申請の流れや必要書類は、規定に準じて行いましょう。
忌引き休暇は国で定められた休暇ではないため、会社や学校のルールによって休める日程や申請方法などがそれぞれ違います。ゆえに、日頃から就業規則や生徒手帳で確認しておいた方が良いでしょう。
大体の流れを掴んでおくことで、いざという時、手続きをスムーズに済ませることができます。忌引き休暇の中で、大切なおじいさんやおばあさんとの最期のお別れをゆっくりと悼みましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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