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もう迷わない「お悔やみの言葉」。知っておくべきマナーや注意点

公開日2020/04/03|最終更新日2020/04/03

訃報を受けた際やお通夜式、ご葬儀・告別式などに参列する際に故人様を悼みご遺族を慰め励ますために用いられる「お悔やみの言葉」。

「なんとなく知ってはいるが、実際に連絡を受けたらどのように返したらいいのか分からない」「自分の知っているお悔やみ言葉が、はたして合っているのかが心配」という方も少なくありません。

そこで今回は、お悔やみを伝える際に気をつけることや状況に合ったお悔やみの言葉の伝え方などをご紹介します。

お悔やみの言葉とは?

「お悔やみの言葉」とは、大切な方を亡くされたご遺族に対してかける気遣いの言葉です。「この度はご愁傷様でございます」「心よりお悔やみ申し上げます」「この度は、残念でなりません」などが、お悔やみの言葉にあたります。

また、よく聞く言葉で「哀悼(あいとう)の意を表します」という表現がありますが、こちらは故人様に対して使用する言葉です。弔電などに用いられる文語体となるため、お悔やみの言葉としてご遺族に使用するのは避けましょう。

お悔やみの言葉をかけるタイミングは、訃報を受けた際とお通夜などに参列した際です。なるべく手短に伝えるのがマナーとされています。なぜなら、大切な方を亡くされたご遺族は精神的に余裕がない場合が多いからです。

訃報を受けたときには、その他の方にも連絡をしなければならなかったり、その後のご葬儀や諸々の準備で時間に余裕がなかったりする場合もあります。このような理由から、お悔やみの言葉はできるだけ手短に伝える方がよいとされています。

お悔やみの言葉を伝える際の注意点

ご葬儀にさまざまなマナーがあるように、お悔やみの言葉にもマナーが存在します。次の項目では、お悔やみの言葉を伝える際の注意点について解説していきます。ご参照ください。

①故人様の死因などを詳しく尋ねるのはマナー違反

訃報の連絡を受けた際に、故人様の最後がどのようなものだったのか気になってしまうかもしれません。故人様との関係が親密だった方であれば、なおさらです。

しかし、ご遺族に対して死因を尋ねるのはマナー違反とされています。例え死因が分かっていたとしても、どのような様子だったのか尋ねるのもあまりよろしくありません。

②「忌み言葉」の使用は避ける

忌み言葉は、「重ね言葉」や「死に対する直接的な言葉」を指し、不幸を繰り返す、重なるといったことを連想させてしまうため使用しないようにします。「忌み言葉」には、以下の言葉が該当します。

【重ね言葉】

重ね重ね(かさねがさね)/益々(ますます)/度々(たびたび)/重々(じゅうじゅう)/次々(つぎつぎ)/再三(さいさん)/いよいよ/くれぐれも/かえすがえす…などです。

同じ言葉を重ねて使用することで、「不幸が重なる」「再度不幸が訪れる」といった意味が連想されるからです。同じような理由から、「追って」「また」「なお」などの言葉も相応しくないとされています。

【直接的な表現】

死亡/逝去/死ぬ/生きる/存命中/自殺…など。

直接的に死を表現する言葉の使用は避けるべきとされています。もし伝えるのであれば、「急逝」「逝去」「永眠」「突然のこと」といった言葉を用いるようにしましょう。

また、「生きていた」「生存」「生きる」などもご遺族を悲しい気持ちにさせてしまう場合があります。このような言葉を使用したい場合は、「ご存命のとき」「お元気だったとき」という言葉に言い換えるようにしましょう。

【不吉な表現】

浮かばれない/大変なことになる/消える…など。

これらの言葉は不吉なイメージがあるので使用を控えましょう。

③宗教宗派ごとに相応しくない表現がある

お悔やみの言葉には、宗派によって使えるものとそうでないものが存在しますので注意しましょう。よく耳にする「ご冥福をお祈りいたします」という表現も気をつけるべき言葉です。

「ご冥福」という言葉は主に仏教で使用されるため、「キリスト教」ではあまり用いるべきではないとされています。なぜなら、キリスト教では「ご冥福」ではなく、「死者の魂が安らかに眠れるように」と神に祈るからです。仏教と違い、すぐに神様のもと(昇天)に行くと考えられているため、「安らかに眠られますよう、お祈りいたします」という言葉をかけるのが一般的です。

仏教の中でも、浄土真宗では「ご冥福」という表現は相応しくないとされています。浄土真宗の教えでは、死後すぐに極楽浄土へ行くことができると考えられているため、「ご冥福」という表現自体が教えに対する迷いや信心不足を表すとされているからです。

④安易な励ましは避ける

急な不幸に見舞われ、気持ちが落ち込んでいるご遺族の様子を見て、「励ましたい」という気持ちが生まれるのは当然のことかと思います。しかし、安易に励ましの言葉をかけるのは避けるべきです。

大切な方を失った喪失感から立ち直るのは簡単なことではありません。頑張らなくてはいけないと思っているのはご遺族も同じです。「元気を出して!」「頑張って!」と励ますのは、不幸からもう少し時間が経ってからにしましょう。

【状況別】お悔やみの言葉の文例

訃報を受けた際やご葬儀などでお悔やみの言葉を伝える際は、『お悔やみの言葉とは』で紹介した「お悔やみの言葉」をもとに、ご自分らしい言葉で伝えるとよいでしょう。

以下に、状況に合わせた文例をまとめましたので、ご参照ください。

訃報の連絡を受けた際のお悔やみの言葉

訃報の連絡を受けた際は、連絡をしてくれたご遺族を労う言葉をかけてあげるようにしましょう。また、余裕があれば今後の日程などの確認をしておくとよいでしょう。

・訃報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。御傷心の中ご連絡していただいてありがとうございます。何かお手伝いできることがあれば何でも言ってください。

・この度は残念でなりません。もっと長生きしてほしかったです。心よりお悔やみ申し上げます。

受付でのお悔やみの言葉

声の大きさや調子を控えめにし、簡潔に伝えるようにしましょう。

・この度はご愁傷様でした。

ご葬儀の会場内でのお悔やみの言葉

ご葬儀会場でご遺族にお悔やみの言葉を伝える際は、進行の妨げにならないよう簡潔に伝えましょう。なお、次の紹介する言葉は、ご自宅に訪問した際にも同様に使用できます。

・この度は突然のことで、言葉もありません。心よりお悔やみ申し上げます。

・この度はご愁傷様でした。ご遺族の皆様のお気持ちを思うと、言葉もありません。私にできることがあれば何でもおっしゃってください。

お悔やみの言葉をメールやラインで返すことも多い

近年では訃報の連絡手段としてメールやラインを用いる場面も増えてきました。一見マナー違反のように感じますが、もはや生活必需品となりつつあるラインで訃報を知らせる行為はマナー違反とはなりません。

そのため、メールやラインで訃報の知らせを受けた場合は、同じ連絡手段でお悔やみの言葉を伝えても問題はありません。次の項目では、メールやラインでお悔やみの言葉を伝える際の文例をご紹介いたします。

メールでお悔やみの言葉を送る際の文例

メールやラインでお悔やみの言葉を伝える際の文例をまとめましたので、参考にしてみてください。

例1 友人の場合

【タイトル】

◯◯(自分の名前)です。お悔やみ申し上げます。

【本文】

お祖父様のご逝去を知り、心からお悔やみ申し上げます。

遠方のため駆けつけることができず、申し訳ありません。

どうか気を落とさず、お体に気をつけてください。

例2 上司や同僚の場合

【タイトル】 

◯◯より、お悔やみ申し上げます。

【本文】

この度は逝去の報に接し、大変驚いております。

ご心痛を思うと心が締め付けられる思いです。

仕事の方はこちらでフォローしますので、私にできることがあればいつでも連絡ください。

例3 取引先の場合

【タイトル】

お悔やみ申し上げます【株式会社○◯ (送信者の名字)】

【本文】

ご身内の訃報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。

皆様の御傷心を思うと言葉になりません。

略式ながらメールにて失礼いたします。心から哀悼の意を表します。

返信のお気遣いは不要です。

また、【訃報メールへの返信はどうする?友人・ビジネス別に文例をご紹介】において、メールやラインでお悔やみの言葉を伝える際の細かなマナーや他の文例もご紹介しています。

まとめ

お悔やみの言葉には、伝え方などさまざまなマナーが存在します。基本的なマナーを把握しておくことによって、不本意に失礼な返答をしてしまう事態を防ぐことができます。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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