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2025-02-07

浄土宗でのお盆の過ごし方|事前に用意すべき準備なども解説します

ご先祖様や故人様の御霊をお迎えするお盆は、日本の夏における大切な風習です。ただし、仏教は13の宗派、分派も含めると56派にものぼり、作法や教えも少しずつ異なるため、お盆における過ごし方や準備などに悩む方もいらっしゃるかもしれません。

本記事では、特に浄土真宗と取り違えられがちな「浄土宗」における、正しいお盆の過ごし方やお盆飾りについて解説いたします。

浄土宗でのお盆の迎え方

浄土宗だからといって、特別にお盆の迎え方が異なるといったことはありません。お盆は、ご先祖様や故人様の御霊が、年に一度だけこの世へ戻ると信じられている神秘的な夏の風物詩です。現代でも、さまざまな地域でお祭りや行事、御霊を弔い慰めるための法事などが執り行われています。

お盆の始まりは、祖霊をご供養する慣習から受け継がれているといった説や、仏教の伝来により日本に広まったなどの説がありますが、どちらにせよ大切なしきたりとして受け継がれていることに違いはありません。

お盆といえば、お墓参りや祖霊をお迎えするための飾り付けをして、厳かに過ごす時期です。地域や宗派によって、お盆の時期や飾り付けの方法が少しずつ違うため、不安がある場合は周囲の方に伺ってみましょう。

浄土真宗のお盆との違い

仏教にはさまざまな宗派がありますが、中でも浄土宗と浄土真宗は各開祖が師弟関係にあることから、混同されやすい宗派です。似た名前ではありますが、念仏に対する教えや考え方は異なります。

念仏(南無阿弥陀仏)を唱えることで成仏できると伝えている浄土宗に対し、浄土真宗では阿弥陀如来様の本願を信じることで救われ、即仏になると伝えられているのです。

浄土真宗のお盆では「霊」の概念がないため、ご供養はしません。そのため、四十九日開けの初盆や法要、迎え火や送り火を焚くなどの行為も行う必要がないのです。

しかしながら、お盆に何もしないということではなく、仏様に感謝しながら仏壇の清掃を行い、浄土真宗の教えに則った飾り付けをしてからお墓参りと歓喜会(かんぎえ)に赴きます。他の宗派では法事で御霊をご供養しますが、浄土真宗が行う歓喜会は、阿弥陀如来様とのご縁に報謝し、浄土真宗の教えを受けることから喜びを得る行事になるので、歓喜の文字が使われるのです。

なお、浄土真宗のお墓参りであっても、故人様を偲ぶ心に他宗との違いはありません。ただそれは御霊をご供養するためではなく、仏となった故人様と阿弥陀如来様とのご縁に感謝を捧げるといった意味になります。

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浄土宗のお盆で用意するもの

ここからは、浄土宗のお盆の用意や過ごし方について解説いたします。浄土宗では、ご先祖様や故人様をご供養するための一般的なお盆を過ごし、故人様が亡くなられて四十九日が経った後の初盆法要も行います。浄土宗のお盆にも細やかなルールがあるため、できる限り教えに沿った飾り付けや行動を心がけましょう。

精霊棚

浄土宗のお盆では、「精霊棚(しょうりょうだな)」を用意します。精霊棚は地域によっては盆棚(ぼんだな)とも呼ばれる、ご先祖様や故人様をお祀りしてご供養するための棚のことです。

棚の組み立てはお盆の月初めに行い、仏壇の前もしくは横に設置して、棚の上に真菰(まこも)で作られたゴザを敷きます。次に、棚の四隅へ結界を張りましょう。

<結界の張り方>

①棚の四隅に竹を1本ずつ立て、それぞれ棚の足元に紐で括りつける

②両サイドと後ろの3面に真菰で編まれた縄(真菰縄)を張る

③縄に数か所、ほおずきをぶら下げる

結界が張れたら、お仏壇から位牌を取り出し、棚上の一番奥に安置します。お位牌の前には御霊膳、両側の隙間にはお供え物を配置しましょう。仏壇の手前には、仏具(ロウソク・線香立て・おりん)を供えます。

続いて、仏具の両側に水の子と閼伽水(あかみず)を設置し、こちらから向かって左側に仏花を飾りましょう。水の子は洗米済みの米、賽の目に切った茄子とキュウリを混ぜ、水に浸して蓮の葉に乗せたものです。

閼伽水は、みそはぎや高野槇(こうやまき)を数本束ね、水に浮かべて蓮の葉に乗せたものです。なお、蓮の葉がない場合は陶器の皿を代用しても構いません。

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精霊馬

精霊棚に欠かせないのが精霊馬です。キュウリや茄子に、足に見立てた割り箸や楊枝を4本差します。キュウリは馬を示しており「ご先祖様が急いでこの世へこられますように」、茄子の牛は「ゆっくりあの世へお帰りください」といった願いが込められています。向かって右側、御霊膳の横辺りに設置しましょう。

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盆提灯

色とりどりに染められた美しい盆提灯は、精霊棚の左右に飾ります。現代では置き型が主流であり、意味は真菰縄に吊るしたほおずきと同じで、御霊が迷わないよう、あの世とこの世の道のりを明るく照らすというご遺族の気持ちが込められています。

かつては提灯に火を灯していましたが、現代ではLEDの提灯が用いられることがほとんどです。なお、初めてのお盆(初盆)のみ、白提灯を使います。

お供え物

お位牌の手前に設置する御霊前は、基本一汁三菜です。ご先祖様や故人様が食しやすいように、お位牌側に向けてお供えしましょう。向かって右奥にご飯、左奥に汁物、中央に漬物、右手前に和え物、左手前に煮物を置きます。なお、地域によってメニューの内容が違うことがあるので注意が必要です。

また、お供え物は傷みにくい季節の果物、日持ちのする個包装のお菓子、海苔などの乾物、そうめんなどが適しています。仏教では御法度とされる酒や肉、魚、足の早い生ものは避けましょう。

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浄土宗のお盆で行うこと

ここからは、浄土宗のお盆期間に行うべき行動について解説していきます。

迎え火・送り火を焚く

初日の夕方に焚く迎え火と、最終日の夕方に焚く送り火は、ご先祖様や故人様が道に迷わないようにするための儀式です。ご自宅のお庭に大きなスペースがある場合は、送り火の際に一緒に白提灯を火にくべても問題ありません。近くに火消し用の水バケツを設置して、火災には十分気をつけましょう。

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棚経を行う

棚経(たなぎょう)とは、お盆の時期に僧侶が唱える念仏のことで、ご先祖様や故人様をご供養するために行われます。棚経の間は、ご家族の方も心を込めて手を合わせます。

お布施の相場は、3,000~10,000円程度です。また、法要の規模が大きくなる場合は30,000~50,000円ほどお渡しすると良いでしょう。地域によっても金額が変わるため、あらかじめ菩提寺に相談しておくのも一案です。

お墓参りをする

菩提寺にお墓があれば、僧侶に挨拶をしてからご本尊に手を合わせ、日頃の感謝を心の中でお伝えします。次にお墓へ向かい、清掃や草抜き、お墓のお手入れをしてから花やお供え物を添え、数珠を持って手を合わせます。

基本の持ち物は数珠と仏花二束、お供え物、お線香、ターボライターなどですが、できれば花の茎を切るハサミも持っていくと便利です。多くのお墓には柄杓や桶がありますが、ない場合はバケツを持っていくと便利です。お掃除道具として、柔らかめのタオルや小さめのほうき、ちりとり、ゴミ袋、軍手も持参しておきましょう。

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まとめ

浄土宗のお盆の過ごし方は、他の宗派と大きく変わることはなく、一般的な準備をすれば問題ありません。しかしながら、お住まいの地域や時と場合によって、作法に細やかな違いが見られることもあります。浄土宗の教えを守りながら、地域に寄り添ったお盆を迎えることで、ご先祖様や故人様の御霊をより穏やかな気持ちで迎えられるでしょう。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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